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【参加録】村上健志の俳句実況(月百句Vol.18)《自作句あり》

【はじめに】
この記事では、2021年10月14日に「フルーツポンチ村上の俳句の部屋」で、行われた俳句実況「月百句」の第18回放送に参加した記録を、私の添削句や自作句を交えてご紹介していきます。

※今回は、コメント欄曰く、村上さんの「アタフタ」を楽しむ回だとかww

0.オープニング

木曜日、またも『季語のチョイス』で夏井先生から『現状維持』評価をもらった「プレバト!!」の放送直後の俳句実況です。残り21句まで来たものの、気づけば10月も半分が終わり、少し焦りも見える今日この頃です。

(1)アレが見当たらない!

早めに1句目を……と思った矢先、村上さんが慌てだします。作句のお供である『電子辞書』が見当たらないのです。あちこち探しますが見当たらず。

0-1『電子辞書見当たらなくて弓張月』 Rx

探しても見当たらず、『歳時記』などを諦めて作句を始めようとした所で、開始5分をロスしますが何とか『電子辞書』を発見し、1つ目のテーマへ。

0-2「『電子辞書見つかりました』弓張月」 Rx

(2)「村上的俳句講座」もスタート

そして、前日にアップされた動画が、今回はチームものまねではなく、待望の「俳句講座」です。その名も『村上的俳句講座「俳句はスケッチ編」』。

あのですね、まだご覧になっていない方は是非ご覧になって下さい。俳句が何かを語るコンテンツは古今東西色々とありますが、ここまで初心者に分かりやすく「俳句とは何たるか」を説明しているものは見た事が有りません。

例えば、高浜虚子の不朽の名作『俳句の作りよう』がそうである様に、俳句初学者向けのコンテンツとして、長く繰り返し見て頂けるものとなることを心から願っています!

ちなみにこれに対して、村上さんは、『何テイクもやってそれであれぐらいなので……でも完璧じゃないと思うけど、出してかないと絶対やらなくなっちゃうんで、今後もやりたいなと思います。』と語り、習慣化を目指していました。

(3)今週も最初はカクカク

そんな中、先週にも増して「カクカク」してしまっている画質。人の集まり具合による所もあるんじゃない? というコメント欄での言葉がありましたが、解決策が今回も見つからないまま、1つ目のテーマに入りました。

1.席題「ゴッホ展」

コメントで「テーマ」募集している中で、今日この配信の前に『ゴッホ展』に行ってきたという話題になり、最初の席題は『ゴッホ展』となりました。

「東京都美術館」で12月まで開催されている『ゴッホ展』のパンフレットを手にしながら、ゴッホについて語る高尚な配信となりました。

やはり当日に行ったイベントごとを詠むというのは、リアリティーがかなり確保できるので、一種の吟行としてオススメですよね! 村上さん、早速でこんな1句が出来上がりました。

【 1句目 】
『ゴッホ展終わりの月は白く白く』 村上健志
   ↓
【 Rx添削案 】
『ゴッホ展帰りの月の白く白く』

最初は「ゴッホ展終わりの月」としていましたが、私をはじめとする多くのコメント欄が「『帰り』じゃない?」と声を寄せ、村上さんもそれに気づいた瞬間に「ゴッホ展帰り」として下さいました。

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結構色んな作品に夜空が描かれていますし、動画の中でも語られていたとおり、「黄色」や「青色」への執着が強かった様なので、「月」との相性もバッチリだという風に思いました。

《 Rx自作句① 》ゴッホ展に行ってない人の句

「ゴッホ」でもそれなりに難しいのに、『ゴッホ展』かつ『月百句』というのは、流石に私でも相当難しいですww まして行っていない訳でしてww

< ゴッホ展にて >
①-1『女学徒が一番無口星月夜』 Rx

この題材も、正直「短歌」じゃないと難しいぐらいの情報量入っちゃってるよなぁ、なんて感じながら作句していました。

①-2『三日月や糸杉歩き出しさうな』 Rx

そして、岩永徹也さんの句に似通ってはしまいますけど、ゴッホが「黄色い絵の具」に拘っていたという村上さんからの話を聞いての1句です。

①-3『望の夜きょうも絵の具の出来ぬ夜』 Rx

2.席題「角度に関係するもの」

1句目は順調にできた村上さん。2つ目のテーマは募集せず、「ゴッホ展」を決める前に寄せられていた中から、私も気になっていた「角度に関(係)するもの」というテーマが採用されました。

しかしこの辺りから、村上さんが「拘ってしまう」癖が出ていまい、沼から全く抜け出せなくなってしまいました。拘った内容というのが、半月のとんがっている2つの部分が少し膨らんで感じるという村上さんの感性についてです。

【 2句目 】
『直径に小さき膨らみ月の舟』 村上健志

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村上さん、思っていることが伝わらないコメント欄を見て、めちゃくちゃ汗かく位な慌てぶりに。スケッチブックに焦って沢山の半月を描き出します。

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まあ村上さんに限らず、「感じているもの」を言語化するのは難しいですが、私も村上さんの熱弁を聞いて、そしてコメントを見て作句しました。

②-0『半月の角の表面張力よ』 Rx

《 Rx自作句② 》

ここからは3句続けて、「角度」から連想した自作句をご紹介しますー

②-1『昼の月でっかい分度器ふり回す』 Rx

角度で連想したのが「三角定規」や「分度器」。そして私が良く使うアイテムではあるのですが、算数の授業で黒板などにあてがうデカいヤツを俳句に詠んでみました。

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続いて、角度の大きな「道」に想像を想像しまして、妄想盛り込みました。

②-2『十六夜をベタ踏み 県道の黄点滅』 Rx

アクセルの『ベタ踏み』から真っ先に連想したのが、鳥取県の「江島大橋」でした。この角度、コラ画像じゃないんですよ、という感じですよねww

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ただ、ここは『ベタ』ではありますが、もう少し田舎の山道に発想を切り替えて、山岳地帯の国道を「ベタ踏み」してる感じで発想した句としました。

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あれか、地味にアニメ『ゆるキャン△』に影響されてるのかもですわww

そしてもう一つ、私に似合いませんがこんな内容の句も。人生で一度もしたことはないですが「自撮り」の句です。

②-3『お月見や自撮りのコツを教え合って』 Rx

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先日、ミュージックラインというNHK-FMのラジオ番組で、「Liella!」という若手女性声優のユニットのゲスト回を聴いていた際、「自撮りの角度のコツをメンバー同士で教え合う」とか「一番良く撮れてる写真をお互いに選びっこする」といったトークがありまして、そこから発想しました。

実体験で詠むのを夏井先生は強く推していますが、個人的にはリアリティーを十分確保できるなら、他人の経験談でも「句材」とはなりうるのではないかなと思いました。

3.席題「激しい動きと静かな月の対比」

2つ目の席題で20分近くも熟考してしまってヘトヘトな村上さん。3つ目のテーマ「激しい動きと静かな月の対比」と決めますが、また熟考の沼にハマってしまいました。

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少し前から「エアロフォン」を演奏していたという村上さん。『装飾音符』の技法を俳句に詠み込みたいと苦心します。

村上さんが詠みたかったのは、「ド」から「ミ」に音程が推移するときに、2音目の「ミ」と並行で例えば「ファ」を出すみたいな技法だそうでして、楽譜には「ミ」から「ファ」とかへ装飾音符が付されるんだとか。そして、最初に披露したのがこちらの句でした。

【 3句目 】
『ミからファへトリルす指よ夜半の月』 村上健志

文法的なことを言うと、『トリルする』の「する」はサ行変格活用(例外)でして、通常の(転がすとかの)「サ行四/五段活用」などとは違いますね。

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だから「指」という名詞につける「連体形」ならば、『する』は「トリルする指」と活用しなければなりません。「トリルす」ならば、古文法の終止形に当たり、そこで意味が切れることになりましょう。

『ミからファへトリルす / 指よ / 夜半の月』

となり、実質「三段切れ」になってしまうので、ここは普通に、

【 Rx添削案 】
『ミからファへトリルする指夜半の月』

とするのが良いんじゃないかと、コメント欄の皆さん含めて感じましたね。と、ここまで来て衝撃の事実。

「トリル奏法」ってのが思ってたのと違う用語だったんだそうですww

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でもまあ、『これはこれでww』と村上さんが笑いながら仰っていたので、これも作品の一つに数えられるんだと思います。

《 Rx自作句③ 》

さて気を取り直して(?ww) 私も句を作っていきたいと思います。

③-1『かるた部の着替え待ってる五日月』 Rx

「激しい動き」で最初に思いついたのが何故か『百人一首/競技かるた』部でしたww そんな結果できたのが上記作品でございまして……テーマからかなり離れてしまいましたわーww

「着替え待ってる」で微妙な距離感を描こうと頑張ってみました。中七の音数をどう帳尻合わせるか考えましたが中々難しいですねー

【おわりに】

気づけば、出来はさておき、10句も出来てしまいました! 村上さんは配信の環境などもあって「スランプが続いている」と感じているようでしたが、継続がきっと力になると信じて、続けてまいりましょう!

0-1『電子辞書見当たらなくて弓張月』
0-2『「電子辞書見つかりました」弓張月』

< ゴッホ展にて >
①-1『女学徒が一番無口星月夜』
①-2『三日月や糸杉歩き出しさうな』
①-3『望の夜きょうも絵の具の出来ぬ夜』

②-0『半月の角の表面張力よ』
②-1『昼の月でっかい分度器ふり回す』
②-2『十六夜をベタ踏み 県道の黄点滅』
②-3『お月見や自撮りのコツを教え合って』

③-1『かるた部の着替え待ってる五日月』


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