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イルカ色の天使

놀라게 해 더 Oh I want it more
Yeah, Dazzle me Dazzle me boy

「驚かせてよもっと、私をもっと輝かせて」

そう歌う彼女に一目惚れしてしまった。美貌、笑顔、髪色、歌声、表情、ダンス・・・彼女の何に惚れてしまったのかはわからないけれど、当時名前も覚えていなかったその人に、私は一瞬ですっかり心を奪われてしまったのである。


Weki Mekiの存在を知ったのは最近だった。過去の記事にハートをくださった方の記事を見てみたら、そこに彼女たちがいた。最初に聴いた曲は『OOPSY』。特に覚えておく気はなかったのものの、そのサビの音が頭から離れなくて、気づいたらもう一度聴きに来ていた。同じ方の別の記事で『Crush』を見てしまって、それでWeki Mekiという名前を覚えようと思った。

『Dazzle Dazzle』のMVを見たのはそれからもう少しあとのことだった。コロナの感染者が些か収まってきていた年末のころ、バイト先の友人たちと酌み交わしていた私がその日帰って来たのは日付を越えてからだった。今すぐにでもシャワーを浴びてベッドに向かうべきなのに、何故か無性に『Crush』が聴きたくなってしまい、変な体勢で床に伏しながらYouTubeを開いてMnetの映像を眺めていた。その関連動画にあったのが、『Dazzle Dazzle』のMVだった。今までも何度かスルーしていたはずのサムネイルがそのときは不思議と気になってしまい、何の気なしに私はそれを再生した。そこにいたのが、イルカ色の天使だった。

冒頭に載せた歌詞はその天使、すなわちエリーさんのパートである。この活動期のときのエリーさんはパッと目が覚めるような明るい水色の髪をしていて、なんというか、本当に綺麗だ。元々そのキリッとした顔立ちが大のお気に入りだったから、そんな派手派手の髪色を見せられてキュンとしないわけがなかった。おまけにあの歌声、あの歌い方である。あの曲のパート分けをした人は天才だと心底感動した。曲中で三度も楽しめるあのキラーパートが、私をすっかりエリーさんの虜にしてしまったのだった。

蛇足だがそれまではルアちゃんがお気に入りだった。しなやかな身体の動きとあの笑顔がたまらなく可愛くて見るたびに悶えていた。初見が『OOPSY』なので圧倒的短髪派である。『Crush』のときの前髪根元緑は天才だ。

気づくと私は、変な体勢のままおよそ一時間にもわたって『Dazzle Dazzle』のパフォーマンス映像を見続けていた。我ながらびっくりだ。早く風呂行けよ。一番好きなのはミューバンのピンクの衣装のときの映像だ。可愛い、もれなく全員可愛い。それはそうとして早くシャワーを浴びてこい。

それから全員の名前を覚えるのに時間はかからなかった。『Dazzle Dazzle』に出逢う前は、全員なんとなく覚えて、でも数日経ったら何人かは忘れていて・・・を何度か繰り返していた。今ではもう全員言える。活動名だけ。本名を覚えるのにはまだ時間を要するけど、とにかく活動名だけはすぐに出てくるまでに進歩した。

とにかくエリーさんが好きだ。推しが決まる瞬間って自分の胸中に恋に落ちる音が響くと思うんだけど、『Dazzle Dazzle』のエリーさんを見たときに私は確かに自分の心臓でその音を聞いた。YouTubeにあるバラエティ系の動画を幾つか見ていたり、Mnetのラインダンス動画をしつこく再生していたりするけれど、大抵自分の表情筋が仕事をしているのはエリーさんが映っているときで、もうどうにも言い訳のしようがない。ルアちゃんが可愛くて仕方ないのは変わりないんだけれども、それ以上にエリーさんが私の心の真ん中に居座っている。好きだ。

過ぎしクリスマスにその「好き」は加速した。インスタで公式が出してくれた一人一言の映像プラスセルカの投稿で、エリーさんは最後に信じられない発言を残す。

「산타는 없어.」
「サンタはいないよ」

えっ、ひどい。サンタを信じているキーリンがいたらどうするのよ。そう脳内で抗議しながらゲラゲラ笑い転げてしまった。あまりに好きすぎてストーリーに引用してしまった。この一押しで、私はエリーさんを好きでいることをやめられなくなった気がする。まだキーリンにすらなってないのに。

私の目の奥で未だまばゆい光を放っているイルカ色の髪の天使は、イルカ色の髪じゃなくなっても私を虜にしている。今後私がどれだけWeki Mekiを好きになるのか、果してキーリンというファン名を名乗るようになるのかはわからない。でもエリーさんだけはずっと、目を瞑っていても感じるくらいに眩しく、私の心の中で光り輝いていてほしい。

今後私の心がどう動こうと、私はエリーさんに恋したこの気持ちとあの衝撃を、いつまでも覚えていたいと思うのだ。

そんな、備忘録。

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