出会いとは、人の力をつなぐこと。そのつながりに幸福がある。
2019 年に新型コロナウィルスが世界的に流行してから、環境が大きく変わりました。その中で、働き方や生き方について自問自答した方も多いのではないでしょうか?今回の Yenta ユーザーインタビューは、株式会社HLD Lab、幸福価値創造プロデューサーの岡田さん。個人のテーマとして、仕事として”幸福”について研究し、社会実装する岡田さんに、出会いがもたらす ”幸福” についてインタビュー。お話しをお聞きする中で見えたのは、Yenta が作り出す数々の偶発的な出会いの価値でした。
株式会社HLD Lab 幸福価値創造プロデューサー 岡田 大士郎
元スクウェアエニックス米国法人社長、同元本社総務部長、2019年1月に独立し株式会社HLD Labを立ち上げ幸福価値創造コンサルタントとして活動中。併せて、一般社団法人日本ライフシフトト協会理事で活動中
多様化する社会のハピネスとは
― Yenta はどんなきっかけで使い始められたのですか?
岡田さん:
定年退職後にハピネスプロデューサーというミッションを掲げてから、多様化する社会で ”ハピネス” や ”成長” について深く考えるようになりました。たくさん考えた中で、感謝や幸せは人とのつながりから感じるものだと思うようになりました。
去年、パートナーシップを組んでいる会社の方々に知り合った経緯をお聞きしたら、Yenta がきっかけで、人とのつながりが作れるツールということに興味を持ち、自分もやってみようと思ったのがきっかけです。
― Yenta をお使いになって、どれぐらいの方とお会いになりましたか?
岡田さん:
30〜40名とマッチングしました。積極的にお会いして、自分との関連性があれば「何かやりましょうね」と、つながりを作りました。
― Yenta での出会いを通して、印象的なことはありましたか?
岡田さん:
日本で働かれているパキスタン人の方が話してくださったダイバーシティカルチャーのお話は興味深かったですし、学びが多かったです。また、大手企業で勤めつつ副業を始めたい方たちとのディスカッションも興味深かったです。Yenta に登録されている方は、自分をアピールして能動的に人とつながろうとしている、いわゆるトッププレイヤーの人たちが多いと思います。
異なる世代とのつながり方と、その深め方
― 岡田さんは人のつながりに興味を持たれていたり、ハピネスプロデューサーとしてコミュニティ運営や働く環境構築の支援もされていますが、人を横断的につなぎたい思いをお持ちなのでしょうか?
岡田さん:
経験値を積んだ人にしか見えない社会はあると思いますし、一方で経験が浅い人達は先端的な英知に富んでいます。そのレガシーとモダンを一対一ではなく、立体的に組み合わせていく視点が重要だと思います。A、Bという2つのものがあった時に、そのシナジーを見つけることは簡単です。しかし、そのシナジーにCを加え、生まれた価値こそがイノベーションだと思います。究極のハピネスゴールを作ろうとするときも、ひとりひとりの感覚やいろいろな要素を有機的に組み合わせるプロデュースが必要です。
Yenta に関しても同じことが言えます。 Yenta はリアルな場で人を新結合させるマッチングプラットフォームだと思いますが、システムの力というよりは、まだ人間力のある誰かが人をつなげ合わせているシーンが多いのではないでしょうか?ただそういうコネクターは多くありません。単なるビジネスマッチングはすぐに飽きられてしまうので、もっとパーソナルなマッチングをプロデュースしないとつながりが続かないと思います。
― 確かに Yenta では出会いの設計に関してまだまだ進化させられる場所も多いと思ってます。 1 度お会いした方同士を 2 度目以降もお話ししていただく体験設計なども、そのうちの一つですね。
岡田さん:
2 回以上の出会いを作り出していけるかは、両者のどちらかが熱心か、あるいは仕事になれば話が進むと思います。
Yenta のシステムとしては、関係性を有機的な情報としてどのようにつなぎ合わせるかだと思います。今は 1 回目のつながりが念頭にあり、それが線でつながった後、面にすることも線を太くすることもできないまま、だんだん点線になって消えていくんだと思います。2 回目 3 回目につなげる工夫として、お仕事内容でカテゴライズしたリストを作成し、AIが「この方ご無沙汰ですよね」とプッシュアップして動機づけをする機能があるといいですね。仮にマッチングした人が 300 人いると、隙間時間でフォローすることは物理的にできないですよね。面を立体にするには、あるテーマで関心を持っている人たちのクラスターを作って、そこに対して隙間時間でも投げられる触媒をつくっていくことだと思います。
異なる世代の力をつなげることで、変わる社会
― 岡田さんは Yenta でどんな年齢層の方とお会いされましたか?
岡田さん:
大体 30 代 〜 40 代の方とお会いすることが多いですね。世代の違う人との話は面白く、刺激的で活力にもなります。
― 岡田さんはいろいろなことを相談されることが多いと思うのですが、そのことについてはどう思っていますか?
岡田さん:
自分が持っている経験をいろんな方にお伝えして、社会に伝承していける喜びがあります。年を重ねている人たちはそういう喜びを Yenta で感じられると思いますね。
― 提供する喜びと得られる喜びの場になっているのですね。
岡田さん:
Yenta には見えない価値がたくさんあります。具体的には、人とのつながりや学び、自分の力を提供する喜び、それで承認欲求が満たされることも価値です。時にはそれが金銭価値に変わることもあります。
― Yenta は岡田さんにとってどのようなツールですか?
岡田さん:
非常に高い品質のコミュニティだと思っています。ただ多くの人と交わるほど使いにくくなることが課題ですね。 Yenta は濃いコミュニティなので、本来ならもっと濃厚な交わりができるはずですが、時間の制約もあってなかなかできない。300 人のプロフィールを羅列するだけでなく、既存の SNS とリンクして、発信内容のデータと紐づけられるといいですね。例えば Facebook などの投稿データを取り、内容を分析してその領域に関心のある人たちとのマッチングができるといいですね。なかなか簡単ではないとは思うんですが、日常の活動からテーマ性、関心が見えてくると思うんです。その流れの中でかつて交わった相手ともう 1 回交流するような機能を入れると使いやすくなると思います。
― Yenta をまだ使っていないシニア世代や若年層に、 Yenta を勧めるとしたらどんな言葉で伝えたいですか?
岡田さん:
単なる情報屋ではなくてナレッジワークをしている人たちと、濃い接点を感じます。プロフィールが書かれていて、写真から表情を掴めるのは大きいです。シニア世代や若い人達がコミュニティーを広げて、Yenta を活用するようになったら世代間のギャップもなくなると思います。好奇心と距離感を変えていく努力がシニア世代には必要ですね。シニア世代が持つネットワークと Yenta を結びつける。そうすることで 4 次、5 次のつながりができていくのではないでしょうか。