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他者との対話が、プロダクト開発に活きる

仕事をしていて煮詰まった時、誰かとしたちょっとした会話が糸口になった経験はありませんか?今回の Yenta ユーザーインタビューは TimeTree の深川さん。深川さんは Yenta でお会いした方との会話が、プロダクト開発に活きるとお話頂きました。そんな深川さんのお話をお聞きする中で見えてきたのは、 Yenta が作りだす偶発的な出会いの価値でした。


株式会社 TimeTree  CEO 深川 泰斗
九州の大学院で社会学・文化人類学を学び、2006 年にヤフー株式会社へ入社。ソーシャル・コミュニケーションサービスの企画を担当。2012 年にヤフーからカカオジャパンへ出向後、2014 年に株式会社JUBILEE WORKS(現 株式会社TimeTree)を共同設立。2015 年 3 月にカレンダーシェアアプリ「TimeTree」をリリース、2021 年 7 月に日程調整サービス「Tocaly(トカリー)」をリリース。


TimeTree について

ー TimeTree はどのようなアプリでしょうか?

深川さん:
TimeTree は、グループでカレンダーが共有できるアプリです。家族で利用される方が最も多く、マーケティングも家族をターゲットにしていますが、家族専用アプリではありません。ユーザーの工夫次第で色々な使い方ができる作りになっています。日々、新しい使い方が編み出されているので、見ていてすごく楽しいです。

ー ありがとうございます。TimeTree 社は、どのような組織でしょうか?

深川さん:
弊社では、「世の中の時間をつなげて、世界中の人々がよりよい明日を選択できるようにする。」をミッションに掲げています。
たとえば家族とカレンダーを共有していると、今週、子供の学校で行事があることに気付いたりする。それで「この日は早く帰って話を聞こう」と行動が取れる。あるいは、好きなミュージシャンのイベントをカレンダーで共有すれば、コンサートの予定を見落とさずにすむ。そういう未来のより良い選択をお手伝いすることを掲げています。
組織はとてもフラットになっていて、上司・部下といった立場がなく運営しています。エンジニアやデザイナー、企画などプロダクト開発メンバーのほか、お問い合わせなどを担当するユーザーリレーション、ビジネス開発や広告営業などのビジネスサイドや人事、経理といったコーポレートのメンバーがいたりします。

ー そのミッションはいつ頃に出来上がったのでしょうか?

深川さん:
2019 年の社名変更の時に練り直しました。社名変更前にもミッションは掲げていて、「世の中に新しい”なくてはならない”をつくる」でした。ただこれだと意味が広すぎたので、社名を TimeTree に変更したのとあわせてよりフォーカスしたものにしました。
僕は理念を大事にする性格で。みんなから「100 人、300 人の会社になっても残したい良さ」を挙げてもらって、それをまとめました。みんなどこかしらで参加して言いたいことを言えているので、そのおかげでカルチャーやミッション、コアバリューが浸透して、組織がうまくまわっている気がします。

ー 深川さんについてもお聞かせください。ご経歴と企業に至った経緯を教えて頂けますか?

深川さん:
大学を卒業してから、大学院で社会学を学びました。そのあと東京に出てきて、小さな広告代理店で 3 年ほど働いていました。その後 Yahoo に入社して、Yahoo のソーシャルサービスやカレンダーなどに関わっていました。
Yahoo からカカオに出向となって、他の出向メンバーとカカオ側メンバーでプロダクトの企画開発をしていました。しかし、残念ながら出向が解除されることになり、出向メンバーは Yahoo に戻ることになったんです。その時、もう少しそのチームでトライしたい思いが強くありました。その時チームにいた 5 人で創業をきめました。このときの 5 人は今でも全員が在籍しています。

ー 創業するにあたって、作りたいプロダクトやその方向性はありましたか?

深川さん:
何を作るかはみんなで考えました。たくさんアイデアを出し、そのアイデアの中に TimeTree がありました。
 TimeTree 自体は、そもそも単純な疑問がスタートなんです。予定って殆どの場合、相手との約束があって発生しますよね。だけど手帳にはそれぞれ書くことになるので、「僕は書いたけどあの人はちゃんと書いたかな」「忘れないかな?」「書き間違えているかも」と不安になったり、変更があったらそれぞれ書き直さないといけない。
これって無駄な労力だと思うのですがこの労力が世界中でかかっているのはおかしいと思ったんです。予定が共有できればぐっと圧縮できて、その分他のことをできるんじゃないかなと思ったのが発端です。

営業や採用など、事業成長のための出会いを求めて

ー Yenta はいつぐらいからお使いですか?

深川さん:
今年の 4 月から本格的に再開しています。広告事業の営業、人材採用、人とリアルに会うチャンスがなくなったのでその機会を作りたいというのが目的です。以前はイベントで外部の人と会う機会があったのですが、それがなくなってしまったんですよね。
Yenta は以前にも試したことがあって、その時は実際に会ってランチするのが前提で、少し腰が重たかったんです。時間もなかなか作れなかったので、すぐに辞めてしまいました。

ー コロナ前だとピッチイベントや交流会などの交流機会があったと思うのですが、 Yenta での出会いはその時の代替という感覚ですか?

深川さん:
それとは別かもしれません。交流会だと 4 〜 5 分で挨拶するだけで、数か月もすると思い出せないことがほとんどでした。それと比べると、Yenta での出会いはもうちょっと深く相手を知れるイメージでその後も関係が続くことが多いです。
人と会うのが得意な方ではないので、実はコロナ以前もそれほど人と会っていたわけではありません。ピッチイベントの懇親会で参加者と喋るくらいで、全然ネットワークはなかったです。
むしろ Yenta でお話するようになってからの方が、新しく色々な方と知り合っています。

ー 4 月以降、どれくらいの方にお会いしましたか。

深川さん:24 名くらいです。最初は営業や採用などアライアンス目的だったので、エンジニアやマーケティング関係の人と会おうとしていたのですが、そのうち面白そうだなと思う人には会うようになりました。

ーどんな基準で面白そうだと判断していますか。

深川さん:やってることが面白そうだと思った人かな。営業的に価値のあるつながりができることもありますし、別業種の人の話を聞くとアイデアの種になることが多いです。ユーザーインタビューに近かったりします。


出会った人との対話が、プロダクト開発に活きる

ー 実際に広告や採用に繋がったものもありますか?

深川さん:成約まで至ったものはないですが、大手企業の方とつながって、プレゼン機会を頂けたことはありました。

ー 具体的にどういう会社の方とマッチしていますか?

深川さん:一緒に何か取り組みができそうな外食や日用品のメーカーの方などですね。

ー TimeTree は非常に人気のあるプロダクトなので、一緒に企画したい方も多かったのではないかと思いますが、いかがでしたか?

深川さん:
ケースバイケースです。同じスタートアップ界隈の方と話すのが一番気楽で、盛り上がったりします。
プロダクトを作る上で、僕らなりに考えるコツやノウハウ、アイデアをお話しする中で伝えられると役に立った気がして嬉しくなったりします。
ほかにも、プロダクト開発に関する知見を、UX デザイナーや新規事業担当者と意見交換したり、VC や資金調達のお話ができるかもしれないところとマッチできたりもしますね。

ー 使い始めた頃と比べてお会いする方に変化はありましたか?

深川さん:
使い始めた頃ほど目的意識を持っていなくて、直感的に面白そう、話してみたい人と会うようになりましたね。何かの課題を解決しようと取り組んでいる方とお話して、僕が役立てることがあったり、アドバイスできそうな人とお会いするようにしています。
自分の経験だけだと一つの例でしかないことが、アドバイスする相手の状況に応じて提案することで「自分の特殊な経験」から「一般化した知恵」に変わる感覚があります。自分にとっても様々な場面で応用できる知識になっていくので役に立っています。

ー Yenta をお使い頂いていかがでしたか?

深川さん:
やはり新しい人と会って刺激がもらえるのはいいですね。アイデアの種や、自分と会社の理解の種を得られるのが一番良いところだと思います。何もなくても初めましての人と会い続けた方がいいと感じています。

ー まだ Yenta を使っていない方にお勧めするとしたらどんな言葉になりますか。

深川;
オンラインだから気楽で手軽になったし、初対面の人と話すのは自分や会社、仕事の棚卸しになると思います。
よくユーザーインタビューもやるんですが、Yentaで出会った学生の方に「 TimeTree を学生生活で使うとしたらどんなチャンスがあるのか」と聞いたりします。ほかにも、医療業界の人に「病院の待ち時間は何でなくならないのか」を直接伺ったりもおもしろかったです

ー 今後、深川さん、TimeTree は社会とどんな繋がりを持っていきたいですか?

深川さん:世の中の情報量は増えていく一方ですが、時間は1日24時間で変わらない。たとえば Netflix の番組や、Spotify にある曲を全部合わせたら人の一生よりも長いそうなんです。「あれも見たい、これもしたい、どこ行きたい」っていう選択肢はどんどん増えていくのに時間の総量は変わらない。それがある意味で苦しいことだと感じていて、そこを TimeTree で解決するお手伝いができればいいなと思っています。


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