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yenta がつくりだす偶発的な出会い 〜薬剤師の価値を問い、実感できた yenta~

yenta を利用して、多くの人との出会い、つながりを持たれた株式会社sing の小原 一将さん。小原さんの出会いがどんなものだったのか、お聞きするなかで見えてきたのは、yenta がつくりだす偶発的な人の出会いでした。

薬局業界が抱える課題

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イェンタさん:
小原さんの自己紹介をお願いします。

小原さん:
小原 一将と申します。京都薬科大学で薬剤師免許をとり、大学院では臨床心理学を勉強しました。事情があって大学院は中退し、調剤薬局の薬剤師として働き始めました。7 〜 8 年勤務し、薬局業界に対して課題を感じて、2019 年 12 月に独立しました。

イェンタさん:
薬局業界に対してどんな課題感をお持ちなのですか?

小原さん:
報酬と人材の飽和です。調剤薬局の収入は国の取り決めによって決まる仕組みになっています。報酬体系は 2 年に 1 回改定され、以前は改定の度に微増傾向でした。しかし数年前から薬局の売上が縮小される改定になっています。社会的に医療費の増大が懸念されていて、薬の値段と調剤事業から削減される傾向があります。
また薬剤師は現在 30 万人いて毎年 1 万人弱ぐらい増えていて、今後確実に飽和すると言われています。薬剤師は 6 年間しっかり学んで、偏差値も高くて真面目に努力できる方が多いのですが、学んだ知識を有効に活用できる場面が多くないと感じています。薬剤師以外の方は、薬剤師がどんな役割を担っているかイメージできる方が多くはありません。薬剤師自身も培ってきたものを活かす方法が今のままで良いのか疑問を感じている方が多くなってきています。資格を取ったから仕事に困らない職業ではなくなってきていると思います。

イェンタさん:
他にも業界の危機感はありますか?

小原さん:
他業種でも起きていることだと思いますが、人間にしかできない仕事が薬局業界でも問われています。薬を取って、数を数えて、監査する仕事は機械の方が優秀です。医療も進化と細分化がすすみ、在宅医療など医療行為の意味が問われるのと同時に、薬剤師の価値を見直す時代にもなっています。そして、その価値に適切な報酬が支払われる世の中を創りたいと思っています。

薬剤師が提供できる価値とは

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イェンタさん:
yenta はいつから使われましたか?

小原さん:
2018 年 6 月に東京へ来て、2019 年 9 月頃に雑誌で見かけました。上京して 1 年経ったタイミングで起業も考えていたので、人脈作りに役立つものを探していました。ビジネスのマッチングアプリであることと、審査があることで信用ができそうなので、試してみようと思いました。

イェンタさん:
お会いしたい方など、希望はありましたか?

小原さん:
全員にお会いしたいと思っていました。これまで他業種の方とお話しすることがほとんどなかったので、様々な職種の人からお話を聞いて吸収したいと考えていました。

イェンタさん:
薬剤師さんは大学でどんなことを学ばれるのですか?

小原さん:
主にお薬のことで、一番分かりやすいのは薬物動態学といって薬が体の中に入った時に起きる作用を習います。医師は病気を治すためにどの薬を使うかを考え、それらの薬が体の中でどのように作用するかを考えるのが薬剤師の仕事の 1 つです。
他にも、大気汚染や水質汚染など環境を守る公衆衛生学も勉強します。プールの水質を調べたり、大気が汚れていないかなどを調べる仕事に活きています。
その他のキャリアとして、化粧品や食品会社に就職される方や麻薬取締官になる方もいます。

イェンタさん:
薬剤師が提供できる価値は、具体的にはどういうものがありそうですか?

小原さん
今は薬局や病院に行かないと医療者に会えないですが、もっと距離が近く、親しみを持って医療とつき合えるような社会になれば提供できることが増えると思っています。今後、予防医療など自分自身で健康を考えるようになった時、身近にいる医療の専門家としてそれぞれの健康に寄り添ってアドバイスできることが大きな価値だと考えています。日本の医療は本当に素晴らしく、次の世代に残すために、もっと薬剤師の価値を社会に還元したいです。薬学生から薬剤師以外の道も考えるべきか相談をされることもありますが、それは薬学生も薬剤師が魅力的じゃない、必要じゃないと思われてしまっています。
我々はもっと相談しやすい医療従事者として寄り添わなければいけません。例えば薬はカフェオレで飲んでいいのかなどの素朴な疑問があった時に Google ではなく、薬剤師が答えるべきだと思います。
薬局で勤務している間も在宅部門を立ち上げたり、子供向けに薬剤師の仕事を体験できるイベント企画など様々なことに取り組んだのですが、薬局の中でできることに限界を感じました。このままだと世の中を変えるのに時間がかかるので、外から変えたいと思って、独立しました。


薬剤師の価値をストレートにぶつけた

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イェンタさん:
出会った方で印象に残っている方はいらっしゃいますか?

小原さん:
初めてお会いした方は印象に残っています。 yenta を始めたばかりの時はマッチングしても、なかなか勇気が出なくてご連絡をできていませんでした。彼からメッセージをもらってお会いして、 yenta を理解することができました。それからは積極的に yenta を使っています。

イェンタさん:
他にも印象に残っている方は、いらっしゃいますか?

小原さん:
スーツのオーダーメイドサロンを経営されている方も印象深かったです。彼のお店に行って実際にスーツを作っていただき、職場では着ています。彼とは 4 〜 5 回お会いして今でもつきあいがあります。お互いに様々な方を紹介しあったりもしています。

イェンタさん:
継続的にお会いできている理由はありますか?

小原さん:
独立への想いや yenta を使っている理由などから、深い話ができたことだと思います。その方は大手のアパレル業界から独立されたのですが、僕らと同じように目の前にいる方にオーダーメイドのサービスを提供できない歯痒さがあり、そういった経緯を聞くことで共感できたからだと思います。
また共通の趣味があると再会しやすいです。野球選手を目指していた方とお会いした時に野球が大好きなことを伝えると、野球好き飲み会に参加させて頂けました。ビジネスだけじゃない繋がりも持てています。

イェンタさん:
yenta を始められた時の、様々な方にお会いされたいという当初の目標は達成できましたか?

小原さん:
達成しすぎていますね。期待以上のものを提供してもらえました。会社のメンバーにも勧めたら、今ではみんな活用しています。お会いする方はその業界で信念をもって働いてる方がとても多いです。お会いして損じゃない、有意義な時間を過ごせています。

イェンタさん:
ビジネス面でも得られるものはありましたか?

小原さん:
今は医療情報を欲してる方が多く、薬局や薬剤師についての話を興味深く聞いていただけます。事業案をお話しして、意見をいただくこともでき、薬局業界について一緒に考えてくださる方がとても多いです。東京に出てきて得られた人脈の半分は yenta からですね。薬剤師がこれまで培ってきた知識などの価値を、純粋に市場に問うてみようかなと思っています。

イェンタさん:
起業された会社はどんな取り組みをされていくのですか?

小原さん:
株式会社sing には、起業メンバー 3 人と社外にお手伝いをしてくださっている方が 1 人います。薬剤師に直接つながれるサービスを自分たちで用意して、テストでやってみようと考えています。他にも健康や医療情報のコンテンツを欲している会社は意外と多く、医療 Tech の会社や医療情報を発信している会社へコンテンツを提供したりしています。
個人や企業にとって薬剤師を身近に感じられるよう、顧問薬剤師として何かあったらいつでも相談できるようなサービスも用意しています。
我々がやりたいことは、国が薬局に期待していることを体現することです。かかりつけの薬局を皆さんにお持ちいただけるような環境にしていくのが国の方針ですが、現状まだまだできていません。既存の薬局ではやりづらいところもありますので、我々がかかりつけ薬剤師・薬局になること、もしくは既存の薬局や薬剤師さんの手助けができればと思っています。

イェンタさん:
今後どんな方にお会いしたいですか?

小原さん:
我々が持っている薬学のコンテンツやリソースを使ってくれるような会社の人に会いたいと思ってます。医療プロダクトを作りたい、医療情報を発信したい会社など。今だとテレビ局の人にお会いして正確な情報を届けるためのお手伝いをしたいですね。
あとは資金調達したいです (笑)。

イェンタさん:
yenta ならではの良さはありますか?

小原さん:
仕事モードではない状態で、仕事の話ができるのはいいですね。コーヒーを飲みながらフランクに話せるので遠慮なくお話しを聞くことができます。お会いする前にプロフィールを見て、やり取りもできるのでどこに興味があるかも分かった状態でお会いできます。

イェンタさん:
最後にまだ使ってない人へメッセージをお願いします。

小原さん:
質の高い時間が過ごせるので、まずは使ってほしいです。世の中にはスキルはあるけど人間的に合わない人もいるんですけど、yenta ではほとんど会ったことがないです。自分に馴染みのない分野だったとしても、熱量がある方と 1 時間話せることはすごく貴重です。
もっと医療のことを知ってもらうために、医療者にはぜひ使って欲しいです。「薬剤師って面白いね」と言っていただいたり、実際にご相談いただけて、ニーズがあると自信が持てます。

小原さんの yentaの使い方

これまでのマッチング数、興味ありされている人数

小原さん

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どのような人を右スワイプ (マッチングしたい) しますか?どれくらいの確率で右スワイプしますか?

小原さん:
最初は親和性が高そうな医療関係やヘルステック、医療へ興味関心がある方などを選んでいました。割合としては 6 〜 7 割ぐらい右スワイプします。
最近は全部右スワイプでもいいなと思って、右スワイプは 9 割です。

多い時はどれくらいの人に yenta で会いますか?

小原さん:
月 20 人くらいです。

マッチングした後はどのようなアクションをしてますか?

小原さん:
ビジネスになりそうな方は自分からご連絡をして、薬剤師や医療に興味を持ってご連絡いただいた方とは基本的にお会いしています。

yenta の改善点

小原さん:
チャット機能の使い勝手があまり良くないですね。

小原さんのストーリーに関するリンク

yenta について


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