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出会うことで再発見する自分とその可能性

たった一つの選択で自分の世界が大きく変わる。就職や転職、起業、ライフスタイルの変化など、振り返ってみると、そんな人生の選択があったと感じたことはありませんか?

今回の Yenta ユーザーインタビューは、ビタミン株式会社 CEO 高梨さんと茶道家で 株式会社TeaRoomの岩本さん。お二人はYentaで出会ってから定期的な対話を重ね、ビジネスだけでなく、人間性を高め合う関係を築かれたそうです。お話しをお聞きする中で見えたのは、Yenta が作り出す数々の偶発的な出会いの価値でした。


ビタミン株式会社 CEO 高梨さん
スタートアップ企業のコンセプトメイキングやマーケティング支援を行う。その他にもコミュニティ運営やメディアの立ち上げ、エンジェル投資家としても活動


茶道家 株式会社TeaRoom 代表取締役 岩本さん
裏千家での茶歴は15年を超え、現在は株式会社TeaRoom代表取締役を務める。サステナブルな生産体制や茶業界の構造的課題に対して向き合うべく、静岡県本山地域に日本茶工場を承継。一般社団法人お茶協会が主催するTeaAmbassadorコンテストにて門川京都市長より日本代表/Mr.TEAに任命されるなど、「茶の湯文化 × 日本茶産業」の切り口で活動中。


自分の世界線を変えてくれたyenta

― お二人はどんなきっかけで Yenta を使い始められたのですか?

高梨さん:
使い始めて特にアクティブに使っていた 4 〜 5 年前は海外にいて、次の生き方を考えていた時期でした。「やりたいことが見つからないけど、何かやりたい。」と、悩みまくっている中で、Yenta に出会いました。やりたいと思うものを探すにあたって、なんとなく Yenta が大きな存在になるかもと思いました。

岩本さん:
Yenta を使い始めた当時は、まだ学生で起業したばかりでした。全然、知らない畑の人たちと出会えたので、僕が知らない業界知識や新しい角度の視点との出会いがありました。

― お二人はどのように出会われたのですか?

高梨さん:
岩本君との出会いは 4 年前に開催された Yenta のミートアップで、その時にお話しさせてもらってから定期的に話すようになりました。
岩本君と僕の関係は職業上、スタートアップ起業家と投資家の関係です。しかし、僕は彼からインスピレーションをいただいています。一対一でお会いする時は、ヒューマンシップで向き合いますし、例えるなら岩本君は良い刺激を近場で与えてくれる”メディア”みたいな存在です。職業としての間柄はフィットしない感覚があります。Yenta はその職業の枠を飛び越えて、自分の世界線を変えてくれる、人生を変えてくれたサービスだと思いました。

岩本さん:
僕も、Yenta で既存の交友関係の延長線上にいない人と出会えることが一番おもしろいと感じています。SNS では、知り合いづてで新しい人と出会えますが、自分の輪から一つ外側の人なので、ぜんぜん違った輪には飛び込めません。自分の輪が拡張した感じでした。

― 高梨さんは Yenta を長く使い続けられてますが、そのモチベーションはどこにあるのですか?

高梨さん:
オープンソースの思想が好きで、人から紹介してもらったり DM をもらったら、自分の時間とコンディションが許す限り会うようにしています。そんなモチベーションがベースにあったから、Yenta も相性がよかったのかな。プロフィールを見てスワイプをする時に、“この人に何ができるだろう”と考えるのが好きでした。

― 人に何かを与えようとする時は、実は自分も新しいアイディアがもらえたり、相手がいるからこそアウトプットする機会がもらえたりしますよね。高梨さんご自身としては”give”に何を見出しているのでしょうか?

高梨さん:
最近、縄文やアイヌに関心があって、北海道でフィールドワークをしたりしているんですが、彼らには物を贈り合う文化があります。等価で交換するのではなく、一方的に贈る行為です。僕らの心のどこかにも、等価交換ではなく、気持ちを伝えるために何かを贈りたいと思う DNA があるんだと思ってます。

出会うことは、心の貿易をすること

高梨さん:
最近、出会い方を変えたいなと思って、“ビタミンゼミ“というコミュニティを作りました。例えば、マーケティングの講義をしてもらう時に、講師をビジネスとして呼ぶと金銭が発生するのですが、友達ベースでお願いすると、金銭がかからないんですよ。その代わりと言っては何ですが、お歳暮を贈ってます。お金や既得権益のハードルがあると、できることもできなくなっちゃうし、みんながやりたいと思っている良い行動もできなくなる。良い行動をするための言い訳作りを続けてます。僕も、やりたい時にやりたいことをできるのが生きやすいですし、それが良いことだとなお良いですよね。

岩本さん:
出会いに交換経済は求めず、ナレッジベースのギブが発生するといいなと思いました。ウイスキーのエンジェルズシェアに例えると、放出をすればするほど熟成が進んで自分の価値が上がっていく構造で、アイディア、視点、ナレッジもそうだと思うんです。カルピスウォーターを希釈する話もよく語られていますが、原液の状態で売っても手に取ってくれる人は少ないけど、ウォーターとかソーダにするとみんな手に取ってくれる。ウイスキーのエンジェルズシェアは、そこから自分がもっと原液になっていくように、もっと価値が上がっていきます。

― お二人のお話しを伺っていると、等価で価値をやり取りしたり、価値の積み上げをする資本主義的な頂点を目指さなくても、幸せは感じられるということですね。

高梨さん:
最近「8 つの資本」という考え方を推しています。資本主義は、金融資本のことを指していて、その他にも文化的資本、精神的資本、社会的資本、物理的資本、生命的資本、知的資本、経験的資本がある。資本を 8 つに分類すると、金融資本だけを満たすと持ち点は 800 満点中 100 点になります。そうすると、金融資本強者を目指さなくてもいいんじゃないかと解釈できますよね。
資本主義を先ほどのアイヌ文化の説明と同じ感覚で具体化すると、「この山から数字で換算できないものを許さない主義」だと思います。自然にも価値をつけるし、人の心にも価値をつける。数字がない方が心地いいと僕は思うのですが、資本主義を目的にしている人たちに対して、数字を捨てろというのは無理な話だと思います。なので数字だけじゃない資本があるという視点はちょうど良いんじゃないかな。

― 資本は目的じゃなくて手段なのが、本来あるべき姿なのですが、昨今は資本が目的化されている気がしますよね。

岩本さん:
主従が変わった瞬間に、目的が変わってしまうんですよね。資本はバランスよく使えるかが、めちゃくちゃ大事だと思います。弊社では、文化を内包する資本主義のあり方を模索しつつ、裏側ではファイナンスして工場を次々に承継していこうと試みています。それは資本主義が一般的な社会で、僕らのスタイルを示す時に、数字とともに示さないといけないと考えているためです。
昔、茶室に招かれる人たちは金と地位と教養、全部包括的に持ってないと招かれなかった時代でした。一方、現代は茶室に誰でも入れる時代になりました。実際の様式自体は変わってないけれども、入り口は変わった。高梨さんの考え方ももうちょっとしたら社会が合ってくるのかなって思います。

― 高梨さんは Yenta で岩本さんと出会って世界観が変わったと仰られていましたが、どんなことを感じていますか?

高梨さん:
心の貿易をしている感覚です。年こそちょっと離れていますが、とても尊敬しています。今運営している「タイムカプセル」という事業も、岩本君と一年前にディスカッションしたことがきっかけでした。「起業家の B 面が見られるメディアを作れたらいいね」って話をしていたんです。例えば、岩本君は素晴らしい方なのでいろんな経済メディアに引っ張りだこです。経済メディアでは経済をテーマに話しますが、その文脈では本来、岩本君の言いたかったことが伝わりきらない可能性があるんです。「タイムカプセル」では、岩本君が自己紹介する時に人間性の表現として使ってくれたら嬉しいなと着想して作りました。


心や視点を交換して、生まれるもの

― 世界観って本当に話せる人じゃないと、話せないですよね。お二人にとっての出会いって、どういうものですか?

高梨さん:
星野道夫さんという写真家が、「旅という行為と、旅先で人に会うことによって旅を発見する」といった文章を書かれていて、僕はピンと来たんです。つまり、出会いによって自分の行為や、自分そのものに気づけるんだと思います。東京でバリバリ忙しくしてたり、場所を固定化してると無理で、Yenta はも出会いを疑似体験できる場所かもしれないですね。もちろん変わらない自由の権利もありますが、変わりたい自由の権利もある。僕は後者のタイプなので、移動し続ける自由があることは自分らしくあれることだと思っています。僕にとっては、出会いを通じて新しい人からインスピレーションをもらうことはとても貴重です。
「アイディアに価値が無い」というのは嘘だと思っています。「行動することによって価値が出しやすい」というのが正確な表現だと思うんです。そもそもアイディアとかインスピレーションがなければ物理に落とせない。物質化する時って、ヒト・モノ・カネ・時間といった物理の話なので、アイディアの方が希少価値があると思います。

岩本さん:
僕は人だけじゃなくて、道具とも出会います。道具と出会った時に視点を感じたり、どういう価値が定義されているのかを考えさせられます。なので出会いとは、全て視点の交換なんじゃないかと思いました。
見方や接し方、価値観や文脈を共有いただいてるんだなと思っています。今、情報はネットから集められたりしますが、その人の視点は出会いからじゃないと得られません。僕らの世界ではそれを教養と言ったりします。人と人との境界に何があるかを見る、見えないものを見る力です。見えないものをちゃんと教養として消化した人は、いろんなものがつながっている感覚があったり、人との間をちゃんと詰めて話したりできる。そういった視点を得る価値が出会いにはあるんじゃないかなと思いました。
最近、おじいちゃんとコミュニケーションをとる機会が多く、いろいろ学ばせていただいていますが、結局時代は回っていると感じました。その人の視点で語ってくれることによって、また僕は新しい視点を得られます。

― ありがとうございます。最後にまだ yenta を使っていない方へメッセージをお願いします。

高梨さん:
Yenta は色んな使い方ができると思います。ビジネスマッチングや、パートナー探しとか自分の態度ひとつで全然違う出会いになってくるかもしれないです。創造的な使い方の方が、3 年後とかにめっちゃ楽しいことになりそうです。

岩本さん:
出会いの価値は、長期で言うと先ほどお話しした視点がもらえることだと思いますが、短期だと自分の価値を相対化して測れる場所かもしれないです。スタートアップを紹介するときは〇〇領域のベンチャーと紹介いただくことが多いと思うのですが、ある株主が私たちのことを、D2Cベンチャーでも、テクノロジーベンチャーでもなく、お茶ベンチャーと紹介してくれました。ベンチャーのカテゴリーが一個できてるんです。それは既存のカテゴリーと違うと理解してくれたんだと思います。そういったことを実感できると、自分の本業にも役立ち、それが相手にとっての価値になり、違う産業との架け橋も作れます。


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