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ニッポン地域通貨つつうらうら #北海道編

こんばんわ。ようやくドイツ代表に勝った実感が湧いてきたYELLTRON広報担当のスズキです。(W杯最高!ニッポン万歳!)

note再開後3投稿目となる今回は、日本に存在するユニークな地域通貨を地方ごとに紹介していくシリーズ企画「ニッポン地域通貨つつうらうら#北海道編」をお届けします!(三日坊主ならぬ三週坊主にならずに済んだ)

北海道民のあなたにはもちろん、地域通貨について知りたい方、地域通貨をお探しの方、北海道旅行を考えている方にもお得な情報となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。


地域通貨とは何か

地域通貨とは、特定のコミュニティや地域で使えるお金、通貨のことであり、日本にはおおよそ650種類(※自社調べ)の地域通貨が存在します。

通常の法定通貨(日本円や米ドル等)と異なり、地域通貨は「人の感情に訴求する性格を有する」つまり「人や地域を支えたい」といった経済外活動を内包した通貨であるのが特徴です。

前回の投稿では「3分でわかる!デジタル地域通貨」と題し、地域通貨とは何か?について説明しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。


北海道の地域通貨の歴史

最近よく耳にするようになった地域通貨ですが、実は2000年頃にも日本 国内で「地域通貨ブーム」と呼ばれる現象が起きています。北海道では1999年に下川町で「LETS Fore」、2000年には札幌市で「ガバチョ」、「ガル」(苫小牧市他)、「クリン」(栗山町)などの地域通貨が登場しました。
昨今はIT技術の進歩によって、スマートフォンを活用したキャッシュレス決済や、インターネットバンキングなどのフィンテックが広がり、地域通貨の運営負担や維持が軽減されたことで再びブームが到来しています。
北海道でも電子地域通貨が徐々に広がりを見せ、美瑛町では「Beコイン」、ニセコ町では「NISEKO Pay」富良野市では「デジタル健幸ポイント」といった、新しい施策が各地で始まっています。


かつて北海道にあったデジタル地域通貨

札幌の地域通貨「ガバチョ」

~地域通貨による交換の醍醐味を知るための予行練習の役割を担う

誕生年月:2002年7月
地域:札幌
発行元:ガバチョ・マネー研究会
利用可能店舗数:-
利用可能エリア:-

かつて北海道・札幌には「ガバチョマネー研究会」が発行していた「ガバチョ」と呼ばれるユニークな地域通貨が稼働していました。

仕組みとしては、まず参加者に1000円と引き換えに3000ガバチョを支給します。1ガバジョ=1円に相当し、日本円との交換はできません。参加者は不用品を持ち寄って、順番に自分の品を披露し、ここでその品の由来や効能をおもしろおかしく説明。オークショニア が売り手の希望最低価格を告げ、そこから全員でせり上げていきます。例えば、最初 1,000 ガバチョから始め最後に 2,000 ガバチョにまでせり上がったとします。それ以上のコールがなければ、オークショニアが「ハンマープライス」と叫び、落札。買い手は、円とガバチョ半々で(この例では、500 円と 500 ガバチョ)支払うことになります。

自分が所有していたものを、自分が語る言葉とともに、相手に欲しいと思ってもらえること、必要としてくれる人がいるという喜びは、フリーマーケットでは決して味わえない体験です。
誰もがどんなものを持っていけばいいかと知恵を絞り悩んでくるため、利益ではなく正当な評価を得るための交換を通じていろんな発見や創造が生まれてくるのが、この取り組みの興味深い点でした。


現在稼働中/構想段階にあるデジタル地域通貨

ここからは北海道で稼働しているもしくは構想段階にあるデジタル地域通貨をいくつか紹介していきます。


「QUALITY HOKKAIDO」

~オール北海道でデジタル地域通貨の普及を目指す~

誕生年月:2021年11月
発行元:QUALITY HOKKAIDO一般社団法人
利用可能店舗数:-
利用可能エリア:北海道全域

北海道全域へのデジタル地域通貨の普及とデータを活用したオープンイノベーションを目指す業界横断の団体『QUALITY HOKKAIDO一般社団法人」によって推進される地域通貨構想。

QUALITY HOKKAIDOの取り組みは、北海道に関連しているみんなでやろう!としているのがポイントです。
実際、取り組みにはスポーツチームの北海道コンサドーレ札幌やレバンガ北海道が参加しています。地域通貨の導入により、例えばスタジアムで試合があり、その前後にサポーターがどういう行動をしているのか、どういう動線で購買をしていかというデータを取得するために、異業種の方々が集まっています。このように流通小売から、旅行業界、システムインテグレーターや不動産、電力会社など、多種多様な業態が集まるっているのが最大の特徴です。

地域通貨を新たに発行する目的

QUALITY HOKKAIDOの取り組みにおいて地域通貨を新たに発行する目的はどこにあるのでしょうか。

①導入するメリットがある
1つ目は市町村単位ではなく都道府県単位にすることで流動性の増大が見込めることです。地元で使えるということは勿論重要ですが、特定の自治体に限るのではなく、北海道というエリアに拡大することで流動性を上げ、ユーザーが利用しやすくすることが可能になります。

②地域に資金やデータの蓄積ができるようになる
2つ目は地域通貨を導入することで地域に資金やデータの蓄積が出来るようになることです。地元の商店街にとっては、現状の消費してもお金が地元に還元されず地域からの資本やデータが流出するという課題がありました。


美瑛町独自の電子地域通貨「Beコイン」

誕生年月:2021年11月
発行元:北海道上川郡美瑛町
利用可能店舗数:参照▶ Š (town.biei.hokkaido.jp)
利用可能エリア:美瑛町内

2つ目にご紹介するのは、BIEIの「B」と「E」、英語の「be」=「なる」より、「商品に・サービスに」=「何にでもなるポイント」という意味合いを込めて命名された電子地域通貨「Beコイン」

スマホアプリやカードを利用した美瑛町内のみで使えるキャッシュレス決済サービスで、1ポイント=1円としてお買い物をはじめ、行政サービスの利用やボランティアの参加によってポイントを貯めることができることが特徴です。楽しみながらポイントを「貯めて」「使う」ことで、町内でお金が循環し、地域経済の活性化が期待できます。


ニセコ市の地域通貨「NISEKO Pay(ニセコペイ)」

~国際的なスノーリゾートとして知られる北海道倶知安町ひらふ地区で流通する地域通貨~

誕生年月:2018年11月
発行元:一般社団法人ニセコひらふエリアマネジメント
利用可能店舗数:利用可能店舗|NISEKO Pay|ニセコひらふエリアマネジメント (nham.jp)
利用可能エリア:北海道倶知安町ひらふ地区

スキーリゾートエリアの飲食店や、スキーリゾート地で現金を持ち歩いていた不便さをキャッシュレスで解決するために誕生したのが、NISECO
Pay。NISEKO Payは、倶知安のヒラフ地区限定で利用可能な電子地域通貨で、いわゆる"ご当地ペイ"と呼ばれているものにあたります。

QRコードをスマホで読み取って決済するNISEKO Payのシステムは、SBIホールディングスが提供する電子マネーシステム「Sコインプラットフォーム」やOrb(オーブ)のブロックチェーン(分散型台帳)技術「Orb DLT」を活用し、決済アプリはシステム開発のインディテール(札幌市)が構築。

2018年11月から実証実験がスタートし、利用者はスマホにアプリを取り込み、現金かクレジットカードでNISEKO Payに希望額をチャージすることで、ニセコグラン・ヒラフスキー場や飲食店、物販店など約50店で使うことができます。

実証実験が完了した現在は、「NISEKO Pay」は、倶知安・ひらふエリア限定で利用可能であり、ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフを始めとするスキーリゾートエリアの飲食店でも使用可能となっています。


まとめ

いかがでしたでしょうか……?

それぞれがユニークな通貨名称や目的・課題を持っていて、運営方法にも独自の工夫を凝らしている点は非常に興味深いですね。

なかでもスキーリゾートエリアの飲食店や、スキーリゾート地で現金を持ち歩いていた不便さを解決するために地域通貨を用いるNISECO Payの事例は、北海道という土地柄ならではのアイデアだと思います。

次回は東北編をお届けします!お楽しみに。


参考文献

北海道公式ホームページ. 電子地域通貨「Be コイン」による地域経済の活性化 取組事例 (商店街における買い物支援及び流通対策)〈美瑛町〉.完成_美瑛町.pdf (hokkaido.lg.jp)
WHERE,inc. オール北海道でお金の“地産地消”。サツドラホールディングス代表が語る、地域通貨が持つ可能性とは | LOCAL LETTER.(06.20)
Finansurance -1- 通巻 38 号 Vol.10 No.2. 地域通貨によるコミュニティづくり(西部 忠) (myri.co.jp)
地域通貨全リスト/国内の地域通貨を網羅・リンクしています。 (cc-pr.net)

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