見出し画像

イタリアへの旅:トスカーナ(2022年)【くらし編②】

Rの実家はイタリアのトスカーナ州、海にも森にも近いところにあります。海までは車で10分くらい、お家は森の中、360度緑に囲まれた大自然のお家。

昨年の5月、まるまる1ヶ月イタリア滞在したときの暮らしの発見をお伝えします(暮らし編①はこちらです)。

大自然の中の暮らし

私たちが泊まった部屋は2階の角部屋で、普段はAirbnbで貸し出しているため、専用のドア、専用のバスルームがあります。

窓は一面みどり!

ベッドルームの窓からは、壁伝に生えているジャスミンの花の香りが風につられて香ってくる、とても素敵な部屋でした(残念ながらジャスミンは5月下旬にはもう枯れてしまいます)。

壁一面のジャスミンの花

早朝から夜まで絶え間ない鳥のさえずりが聞こえてくる、そんな暮らしがありました。

家から見える空と森

動物

お散歩をしていると、アナグマ鹿きじ、様々な鳥に出会ったり、夜には家の目の前に数百はいたであろうホタルが飛んでいたり、畑の奥ではイノシシが食べ物を探している音が聞こえたり。

そんな緑と動物にかこまれた暮らしです。

私は神奈川県の大都市でもなく、ど田舎でもないけど、近くに小さな田んぼがあるような、ごく一般的な街で育ちましたが、ホタルといえば、「見に行くもの」でした。でも、Rの実家では5月末になると家の目の前に無数のホタルが飛んでいて、真っ暗闇の中、ホタルのゆらゆらと光る姿だけが見える幻想的な世界にとても感動しました。

ただただ家の前に立って、息を潜めて小さな点滅する光を見つめているだけの時間。

それを共有できるRと一緒に、この地で暮らしていくことへの不安が消え、絶対ここで暮らしていきたいと静かに願う至福の時でした。

家の近くの森をお散歩していると、きじもお散歩をしている。
私たちの足音に驚いた鹿がすぐさま森に走って行く。

きじなんて動物園で見るもの、餌付けされた鹿しか見たことがない私にとっては、私にとっての非日常が「よくあること」として、暮らしの中にありました。

海と湖

海に近いこともあり、私たちはよく海にも行きました。

夕暮れ(といっても夜8時過ぎ)

まだ観光シーズンではなかったこともあり、海辺には人はまばら。
これが観光シーズン(6月ころから)になると、ヨーロッパ各地から人が集まってビーチが埋め尽くされるようです。
と言っても、湘南のビーチのように人がぎゅうぎゅうになることはないようですが。

自然が近く、日も長いので、夜ご飯を食べ終わった後に車を出してビーチで夕陽が落ちるのを見ることもできます。

思い立った時に海に行ける暮らし。

そんな理想的な暮らしがありました。

ある日は車を小一時間ほど走らせて、Rが昔よく家族で行っていたという湖へ。

ここの湖、人が泳げるくらい綺麗みたいで、子どもたちもおおはしゃぎしていました。
私たちも少しトライしましたが、私にはまだまだ寒くって満喫はできませんでしたが、湖の周りの木陰に寝っ転がって、くつろいでいました。

この奥に湖があります

よし、行くぞ!と意気込まなくても、少し車を走らせればまったく違う景色に出会える。水着とタオルだけを車に積んで出発できる身軽さ
私にとっては、どの体験も新鮮でした。

お散歩道

Rの実家には、犬がいることもあり、ほぼ毎日、家の周りをお散歩しに行っていました。

ボトルブラシのあだ名?がついた植物

5月はみどりがとても美しい季節。ただお散歩をしているだけでも十分幸せになれます。

イタリアは土が結構乾燥していて、ひんやりとした空気はあまりないのも発見でした。


お散歩道にはちょっとした川もあって、なんとワンちゃんたちはここのお水も飲めるみたい。

私の実家も犬を飼っていますが、お散歩の際には、お水ボトルやお水受け、うんちバッグなどたくさんの荷物が…。でも、ここではうんちは土に帰るので持ち帰る必要なし、お水も川があるので必要なし。そう、手ぶらです!笑

家の畑

こちらはR母の畑。雑草もふくめ、隣同士の野菜たちが自分たちで味や害虫への免疫力を高め合う方法で育てています。

一瞬、どれが野菜でどれが雑草か見分けがつかないくらい緑で覆われている畑

卵も飼っているがちょうさんからいただきます。

こちらはがちょうの子どもたち。まだ小さな声でキィキィ鳴きながらお母さんの後を追っていました。

以前は鶏を飼っていたそうですが、キツネの餌食になってしまったことなどもあったらしく(こういう田舎のあるある、耐えられるかな泣)、天敵にも負けない強気ながちょうを飼い始めたんだそう。

おすそ分けと手作りの文化

日本でもこれは変わらないと思いますが、イタリアの田舎暮らしでもおすそ分けが頻繁にありました。

ある日、突然近所(と言っても徒歩圏内じゃないですが)の方が家の庭で取れたさくらんぼをたくさんくれました。

きれいにあらって、へたをとって、ジャムにすることに

下手をとりおえたさくらんぼ

砂糖とジャム作りの材料でじっくり煮詰めて、ジャムを作っていきます。

数十個の瓶に詰めれるくらいの量ができたジャムは、いくつかは冷凍されて朝ごはんのお供に。私も1つ持ち帰ってお母さんにあげたのでした。

ほかにも、たべもの編①でも書きましたが、エルダーフラワーを収穫してきて、シロップを作ったり。

手間はかかるけど愛着が湧くし、自分で作れるものがどんどん増えていく暮らしだなあ、と。
そして、さくらんぼもエルダーフラワーも、自分で作るために買いに行くのではなく、もらったり収穫したりするので、日々のスケジュールに突如、手間のかかる作業時間ができます。

でも手間がかかるからこそ、意外と忙しい田舎暮らしを体感しました。そして、私はパソコンに向かって仕事をして時間を過ごすのではなく、本当はこういう時間の使い方、暮らし方をしたいのだと、改めて強く実感した経験にもなりました。

前回の滞在は1週間で、今回は1ヶ月の滞在でした。
今後の移住を見据えた滞在だったこともあって、夜な夜なRと「今日はどのくらい住みたいって思った?」なんてお互いの気持ちを話し合うことができる貴重な時間でした。

暮らし編、まだ続きます!次回はイタリアの田舎町から見えた社会についての発見をお伝えします!

まだ肌寒い日には暖炉を使います。この暖炉のパイプが家中を走っていて、家全体を温める仕組み。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?