島根で会った職人育成・里山再生デザイナー
島根に行ってきました。
島根と鳥取の違いが分からないっていうのを時々聞きます。スタバが最後に出来た場所は・・・鳥取です〜☕️
フィールドワークです
今回の島根は、自分が参加しているLIVE DESIGN Schoolっていうオンラインプログラムのフィールドワークとして参加しました。
LIVE DESIGN Schoolは、地域で活動するデザイナーの方々の講義を聞いたり、参加者同士で交流したりできるプログラムです。
今年が1期ですが、2期以降もやるみたいなので興味ある方はぜひ。毎月講義があって、毎月モチベ爆上がりです。
私自身、
「地域で暮らしながら働くことが豊かである」
という理想?幻想?があり、その生き方をもっとたくさん知りたいと思い、参加しました。
すごく抽象的な動機ですが、生き方をたくさん知った上で考えて、
「自分が将来的にしていきたい生き方をもっと具体的にする」
というのも、最終的な目標としてあります。
そして今回のフィールドワークを通して、広い意味での「していきたい生き方」の1つを見つけられたのかなと思います。オンライン講義も楽しいですが、やっぱり現地行かないとね。
温泉津ってところ
島根の中でも、温泉津(”ゆのつ”と読みます、めちゃめちゃ当て字)という所に5日間滞在しました。
温泉津という地域のことは後で書きますが、結構田舎で、無印良品もマックも隣町にしかありません。
で、その温泉津で活動するLIVE DESIGN Schoolのデザイナーの1人、小林さんのところで色々なことを学びました。
どんどん広がっていった人
小林さんは現在、デザインやブランディングをやりながら、鍛冶屋の職人育成、里山再生に取り組む方です。
<ざっくり小林さんの経歴>
小林さんは、大学時代にデザインを学んでいましたが、デザインが出来ることだけでは産地を救えないことに気づき、海外販路の開拓や、職人の育成を行うが、ものづくりを取り巻く物流などの仕組みの歪みや脆さに危機感を覚え、材料からつくってしまおうということで、里山再生にも取り組んでいます。
僕の解釈ですが、めちゃくちゃ大まかにまとめるとこんな感じです。
やることの幅がどんどん広がって、かつ今もそれらを並行して取り組んでいる。やべぇです。色々やりすぎです。
未来を描いてすぐ動く
初日に作業のお手伝いをした時に、小林さんが倉庫で見せてくれたのが、これ。
製材をするときに大量に出るおがくずがもったいないということで、おがくずに糊を混ぜて成形を行い、乾燥具合を見ながら実験を繰り返していました。最終的には靴のかたちのアート作品にするそうです。
軽くて丈夫だから、アート作品だけじゃなくて、容器とか色々な用途に活かせると言って目を輝かせていました。
あと、作品づくりの動機が「もったいないから」なのがいいですよね。
最近よく循環とか言われていて、確かに昔の循環的な暮らしが理想的だと感じているのですが、昔の人はその「もったいないから」という気持ちで動いた結果として循環的だっただけだと思うので、とても自然な考え方だなと。
また今回のフィールドワークでは、作業場の2階づくりがメインの作業でしたが、他にも、雨樋と雨水を使える洗面台を作りたい、家に新しく大きな洗面器を設置したい、田んぼを守るフェンスを設置したい、などなどやりたいことが盛りだくさんでした。そしてそれぞれに対して感じている必要性やワクワク感がとても強い。
人と自然が共存する里山をつくるために、あったらいいものがポンポン思い浮かぶ。そしてそれに即効で着手し、やり遂げてしまう。で、その途中にもどんどん空想が発展していき、ワクワクしていく。
小林さんは未来を具体的に描いてくれるので、話していると、つくりたい景色がどんどん目に浮かんできて、それに向かって進んでいこうと思えます。
動く理由
なんでこんなに動けるのだろう。そう思いませんか?
確かに今まで挙げてきた物事をつくっていくことが未来にとって必要なことは理解できる。
でも、その行動力の源がどこにあるのか。
一緒に半日くらい作業したりサウナ行ったりしてもまったくそれを掴めなかった私は、小林さんに直接聞いてみました。
小林さんの答えは、
でした。
私も、アルバイトで日本の個性的なものづくりを伝えるアルバイトをしていて、確かにそういうのは面白いし、残した方が良いと思っています。
その反面どこか他人ごとで、結局大量生産のものが勝つよなとか、趣味の世界だな、みたいに思っている節があります。
しかし小林さんは、そういう現場を間近にしてきて、神経レベルでこれはヤバいってなっている。
衰退することで不幸になる人たちがいっぱいいて、それが周り回って自分の暮らしにも影響を与えることを肌で実感している。
だから、思い立ったらすぐ行動する癖がついているんじゃないか、とのことでした。
あえてバカになってきた
もうひとつ。小林さんは、仕事の中でたくさんの職人や文化に触れてきました。その中で気づいたことがあるそうです。
それは、バカになること。子供になること。
よく言うことですが、自分は何かを始めるときに、色々考えてしまいます。リスクとか、批判されるの嫌だとか、先々の危ないことを。だから動けない。
そして確かに、そういうリスクみたいなものを考えられるようになる必要だってあるし、そうなっていくことが、人間の健全な成長である、と小林さんはおっしゃってくれました。
ただ、それだけだと結局動けないから、意識的に子供になるようにしたそうです。
思い立ったらすぐやること。考えすぎないこと。
そして、それを意識的にするようにしたのが、大学3年の時だそうです。この時に実際に手でものをつくっていく職人さんたちに出会って、考えるだけ考えてたら絶対行動に移すことはないから、考えすぎずに動くのが大事だということに気づいたそうです。
よし、まだ私も大学4年。遅くない。
「職人さんを育成する」なんて大きなことじゃなくても、とりあえず思ったことはきちんと人に話してみるとか、小さいところから始めています。
巨匠とかレジェンドとかじゃない
そんな圧倒的に色々やってきた小林さんですが、めちゃめちゃ喋りやすいんです。表現が難しいですが、こちらからもちょっとイジれたりする感じ…?
これは、そもそもの人柄っていう理由もあるとは思うんですが、小林さん自身が、意識が高くて動いているんじゃなくて、体で感じて、ワクワクしたり必要に迫られたりして動いているからなんじゃないかなと思います。
例えば、反対に、世界を広く見たり、学問的に論理を組み立ててから(それが大事な時もありますが)行動する、みたいになると、どうしても立つ前提が人と違ったり、目標や目線が高くなりすぎたりしてしまい、側から見て触れづらかったり、話が通じ合わなくなってしまう気がします。
先ほど書いた通り、小林さんは目の前のヤバい現状をとにかく体感しています。ヤバいってなって速攻で体が動いているから、頭だけが先走ったり、言うだけになったりしない。
大事なことです。
僕ができるのは、まずとにかく興味があることに関してはどんどん色々見聞きして、体感することでしょうか。
そしてやりたいことが思い浮かんだらすぐ行動する。
人生の目標になりそう。
長くなったので、分けます。
後半はもう少し温泉津のことなど、具体的なことになるのでイメージが湧きやすいと思います。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
〜後半はこちら〜
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