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進歩の止まった日用品への怒り

生まれてこの方、あまりの進歩の遅さに不満を持っている道具が二つある。

悪名高いその道具とは、傘と歯ブラシだ。

まず、傘。

江戸の町人が差していた傘とほとんど変わらない仕様の傘を、今も我々は手にしている。

技術の進化が伝説の如く語られる現代において、この事実はあまりにもアナクロニズムではないか。

数年内にシンギュラリティに至ると言われる世の中だが、たぶんその日を迎えても傘は頑なに現在の姿を保ち続けるに違いない。

傘の痒い所に手の届かない石頭ぶりには、もううんざりだ。

私達がデジタルの海を泳ぎ、バーチャルな風を切る一方で、雨の日は未だに傘によって片手を塞がれ、屋根の下に入ればビショビショの塊を持ち歩く。傘という遺物はまるで、進化の樹から落ちた葉のようだ。

かつて、雨を吹き飛ばすという古風な魔法のような商品がクラウドファンディングの星として輝いていた。

しかし、その星は流れ、音沙汰は途絶えた。エコーもなく、ただの忘れられたエコーロケーション。傘という商品は、長い間、革新の雨傘を差す者がいない。

歯ブラシの件も同じだ。

毎日数分間、鏡に向かい、単調な行動を繰り返す。冷静になって考えてみれば、何が悲しくてこんなことに時間を使わなければならないのだろうか。

一瞬で煌めく白い歯へと導く道具があってもおかしくはない。

しかし、そんな革新はまだ遠い星の光のようだ。噛むだけで磨けるという歯ブラシも存在はするが、性能がまだ不十分で全く普及する気配がない。

いつまでこの不便に付き合わなければいけないのだろうか。

私たち現代人は、もっとこの現状に不満を持つべきではないか。

進化の途中で立ち止まり、古い木の下で雨宿りをしているかのような傘と歯ブラシ。販売企業は、顧客の不満を受け止め、より良い未来への一歩を踏み出す責任がある。

デザインや磨き心地にこだわってる場合じゃない。そもそもこんな不便な化石商品を、大手を振って販売し続けるべきはない。

今こそ我々は、革新を求めて立ち上がるべきだ。否、私たちはもう立ち上がっている。キーボードを叩くこの指が、新しい世界を創造する。ITの荒波に身を投じている私には、変化を受け入れ、それを作り出す力がある。

傘がただの雨除けでなく、歯ブラシがただの歯磨き道具でなくなるその日まで、私たちは戦う。

「止まっている技術よ、あなたの時間はもう終わった。今こそ新しい風を取り入れて前へと進むべき時である」


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