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待ちに待った続編のリリース、だがSteamレビューは「賛否両論」―『ドラゴンズドグマ 2』に心揺れる

3月22日、アクションRPG「ドラゴンズドグマ 2」の発売が、私の人生にとってどれほどの重要性を持っていたか、それを語るのは容易なことではない。

2015年に無印版が発売されて以来、およそ10年間、その続編を心から待ち望み、その発表を耳にした瞬間には喜びで胸がいっぱいになったが、Steam(PCゲーム販売プラットフォーム)での評判は賛否両論だという。

Steamのレビューは信ぴょう性が高いため、ユーザーは購入の判断材料として多いに利用する。賛否両論だと、買おうと思っていた人も二の足を踏むだろう。私もそうだ。

楽しみにしていたゲームの評判が良くないという現実に直面するのは初めてではない。FORSPOKENの時もそうだった。でも、何度経験しても、胸がつぶれそうな気分になる。

これを受けてカプコンが発表した即座に修正にあたるというコメントを読みながら、この胸のざわめきをどのように表現すれば適切なのか、それが今の私の悩みだ。

私は、関東に住み、IT企業に勤めるプログラマーである。猫をこよなく愛し、シニカルな視点を持つ私にとって、ゲームは現実世界からの逃避先であり、自己表現の場でもある。

そして、その中でも「ドラゴンズドグマ」は特別な位置を占めていた。忠実な味方と共に戦う楽しさ、自由度の高い行動選択は独特なゲーム体験をもたらす。大きな喜びだった。

ものすごく細かくキャラクリエイトした仲間が、まるで生きているかのようにサポートしてくれる。一人でプレイしながらも、他の人と一緒に遊んでいるような楽しさがある(かといって、本当の人間と一緒に遊んでしがらみを増やしたい訳ではない)。

特に、行動の多様さが気に入っていた。他のゲームでは見られないようなアクションがあり、例えば人を担ぐことでロールプレイに深みを与えてくれる。倒れた仲間を敵から運んで逃げたり、崩れる遺跡から逃げ出したり、水に流してNPCを弔ったり。

これらの自由な行動が、没入感と共に無数の物語を私の脳内に生み出し、ゲームプレイの大きなモチベーションの一つとなっていた。

しかしながら、その待ちに待った続編が、技術的な問題で賛否両論となっているのだ。フレームレートの低下、ゲームのクラッシュ、そして一度セーブデータを作ってしまうと、新たにゲームを始めることができない、課金アイテムがえげつないという、あってはならない問題が生じている。私も深い失望感を覚えている。

カプコンは大手企業だ。品質管理には専門のテスターがいるはずで、必ず厳密なチェックが行われている。にもかかわらず、クラッシュなどの問題が見過ごされたまま発売された。

これは、開発スケジュールの遅延や、マスター版提出直前の修正などによって、修正部分のテストにとどまり、網羅的なテストが間に合わなかったことにより起きたのではないだろうか(そういうことはよくある)。そうとしか思えない。

ましてやオープンワールドゲームは必要なテストの量が膨大になるので、本来は直前に修正など加えてはいけない。絶対に。

そして、一度セーブデータを作ってしまうと、新たにゲームが開始できない問題。きっと誰かがニューゲームを消すべきではない、と提案したはずだ。しかし、上層部の強権で押し切られたのだろう(よくある)。

提案していた者は、予告した通りの結果に苦い笑いを浮かべているだろう。「それみたことか」

なお、開発チームには深い同情を覚える。彼らは休みも返上し、問題解決に全力を尽くしているはずだ。仕様を決める立ち位置にいないただのプログラマーが、「だから言ったじゃん」と思いながら上層部の無理な要求に応え、さらにはユーザーからの厳しい批判に直面している。

プログラマは何も悪くない。すべては無茶な仕様や修正を押し通したプランナー、プロデューサー、ディレクターの誰かが悪い。なのに、馬車馬のように作業しないといけないのはプログラマである。

ピラミッドを作るために鞭うたれる奴隷達と何が違うのだろうか。私は悲しい。

ただ、私たちユーザたちは、長年の期待を胸に、完成度の高い作品を望んでいる。そして、時にはその期待が、開発チームに対する理不尽な要求となってしまうこともある。

私たちが真に求めているのは、心を揺さぶる物語と、息をのむようなグラフィック、そして何時間もの没入感を提供してくれるゲームプレイなのだ。

「ドラゴンズドグマ 2」は、そのポテンシャルを秘めている。初代のゲームがそうであったように、壮大な世界観、独特なキャラクターカスタマイズ、そして仲間との絆を深める旅は、多くのゲーマーにとって忘れられない体験だった。もし、これらの問題が解決されれば、間違いなく私たちは再び、その魅力的な世界に浸ることができるだろう。

カプコンへの私のメッセージは明確だ。私たちは、あなた方が紡ぎ出す物語と世界を愛している。どうか焦らず、じっくりと問題を解決してほしい。そして、その結果として、私たちが本当に望む「ドラゴンズドグマ 2」を届けてほしいのだ。

私は、この続編が成功することを心から願っている。なぜなら、私たちがエンターテイメントに求めるのは、ただの暇つぶしではない。日々の生活に疲れ、現実の重圧から逃れたいと願う心に、一時の安息を与えてくれる、かけがえのない存在なのだから。

結局のところ、ゲームは私たちにとって、ただのゲームではない。それは、私たちの人生の一部であり、情熱であり、時には逃避であり、また、挑戦である。その重要性を、ゲーム開発者も、そしてプレイヤーも、決して忘れてはならない。そして、この「ドラゴンズドグマ 2」が、私たちの期待に応える日が来ることを、私は信じて待ち続けている。


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