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北明翰留学日記 #1 ー新しい人,新しい自分に出会うー

早いもので,バーミンガムに来て3週間が経った.3週間も経つと生活には何の不自由も感じないし,英語にさらされることも不思議と慣れてしまうように思う.話すことだけはまだ苦手意識があるものの,せっかく身銭を切ってここにきたのだから,自分の持てる力で生きていくしかあるまいと言い聞かせている.

大学院の講義は2週間前から始まった.専攻にもよるようだが,私のいる社会学のコースでは,大量の読み物が宿題に出て,それをもとにディスカッションが進んでいく形式がメイン.若い時にこんな学びをしたかったと思う反面,あのときなら勇気がなくて発言できなかっただろうなと思いもする.

触れられる情報も日本にいたときとは全然違うように感じる.英語の文献の数の方が圧倒的に多いので,翻訳を待たないと手に入らなかったような本を図書館で好きなだけ借りることができるのは最高としかいいようがない.しかも施設やリソースにしっかりとお金をかけている大学なので,契約していなくて閲覧できないジャーナルが少ないように思う.

クラスメイトは本当に多様で違っていることが当たり前なので,その空気は大変私に合うように思う.年齢,国籍,働いた経験の有無,価値観,将来の目標などは誰1人として同じではない.授業の参加具合,コミュニティの作り方,生活習慣に違いがあるのは大変楽しい.彼らなりのサバイバル術があり,生き抜いて行こうとする姿はたくましく,好ましくも思える.

人間としての生き方も当然ながら多様で,大学を出たばかりの人,数年働いたあとに進学した人,働きながら大学院に通う人,色々な人が自分の人生を選び取っているのは本当に心地よい.いくつになっても自分の可能性を信じている人たちに囲まれているのは素晴らしく,私も自分の可能性を信じたい気持ちにさせられる.実際,私の身体はここの気候や食物に順応しようとしているのだし,半分諦めかけていた英語は少しずつ上達しているのだから,年齢を理由にするのは根拠のない言い訳に違いない.



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