ハゲ社長と福社長 恵比寿との出会い ペットメモリアルドマーニを開業するまでの物語
開業のきっかけ
人生の転機は突然訪れました。私は大動脈解離という死に直結する大きな病気を患い、長期の入院生活を余儀なくされました。
当時、コロナ禍の病室には誰も見舞いに来られず、孤独の中で「このまま誰にも会えずに最期を迎えるのか」と思い悩み、自分の死、兄弟の死、祖父母の死、友人の死、今まで死に立ち会った人たちについて考える様になりました。
集中治療室。個室。大部屋と徐々に部屋を変え大部屋に移る頃には、病室でスマホを手にすることも許可され、Yahoo!ニュースを見ることが日課になっていました。
手にしたスマホの画面、そこにはコロナ禍での空前のペットブームと言うような記事があり目に入りました。今まで、あまり考えてこなかったことですが、ふと「ペットが亡くなったらどうするんだろう。」と小さな疑問が浮かび、調べてみることにしました。
調べてみると、地元で昔から言う榛南4町(吉田、榛原、相良、御前崎)では、行政がペットの火葬を行っておらず、「ゴミ袋に入れて出せば焼却処分する」という現実を知り、愕然としました。「ペットは家族」と言われる時代にもかかわらず、見送りの形がまったく追いついていないと感じたのです。
近隣市町でも、ペットの火葬をしてくれる自治体はあるものの合同火葬で、お骨が混じり合ってしまうため、お骨を手元に残す事ができないということでした。昔から、吉田町にはペットの火葬業者があるのは知っていましたが、そこまで遺体を運ばないといけないという手間もかかります。
さらに調査を進める中で、移動火葬炉という設備の存在を知りました。「これなら、火葬場へ行くことが難しい高齢者や車を持たない方も、大切なペットを心を込めて見送れる」と確信しました。高齢化が進む社会において、このサービスは必要不可欠な存在になると考え、ペットメモリアル ドマーニを開業することを決意しました。
「ドマーニ」に込めた想い
ドマーニ(Domani)は、イタリア語で「明日」を意味する言葉です。この言葉には、ただ時間が過ぎて訪れる「明日」という意味だけでなく、「お別れが終わりではなく、新しい一歩が始まる」という希望が込められています。
ペットとのお別れは、飼い主にとって深い悲しみを伴います。
現在ペットは、自分の子供のように育てたり、兄弟のように共に過ごし、楽しいときは一緒になって楽しみ、も悲しいときは何も言わずに寄り添ってくれるかけがえのない存在です。そのため、別れの悲しみも一層深く、時にはペットロスに陥ることもあります。
ペットロスの支えとして広く知られている「虹の橋」という詩では、亡くなったペットたちは天国に向かう途中で虹の橋のたもとにある草原で飼い主を待ち、再会したときに一緒に虹の橋を渡って天国へ行くと語られています。
「あの子にまた会える日が来る」
「天国の手前で幸せに暮らしながら待ってくれている」
このように信じながら過ごすことで、飼い主が一歩ずつ新しい日々を迎える力となると信じています。
私たちは、どんなに悲しい別れであっても、その先には新しい明日がある。ペットを見送ったその先にも、明るい日々が待っている。その明日を迎えるための手助けができるよう、ペットメモリアル ドマーニという名前を付けました。明けない夜はありません。新しい明日が少しでも希望に満ちたものであるよう、心の支えとなるサービスを提供していきたいと言う想いを込めました。
保護犬・保護猫との向き合い
仕事柄、保護犬や保護猫には以前から関心があり、里親募集サイトを日々チェックするのが日課でした。しかし、家族に迎え入れるためのハードルが高く、簡単には踏み出せませんでした。たとえば、「小さな子供がいないこと」「家に長時間いられること」など、条件が厳しく、費用も団体によっては数万円かかることがありました。救いたいという気持ちがあっても、その壁の高さに何度も躊躇したのを覚えています。
特に保護猫の数が多いこともあり、保護活動に関わる方との交流を通じて、亡くなってしまった猫のフードが余ってしまうようなら、そのフードを頂戴して保護活動に役立ててもらうことなど間接的な支援を続けています。
私自身は猫アレルギーを持っているため、家に猫を迎えることができません。初めてアレルギーを発症したのは、ある野良猫を撫で回したときでした。それ以来、猫を「モフモフ」する楽しみは封印されたままです。
それでも猫への愛情は変わらず、少しでも猫たちのためになるよう、支援を続けています。
福社長・恵比寿との出会い
ある日、SNSで「ペットショップが倒産するから犬たちが路頭に迷う」というセンセーショナルな投稿を見かけました。すぐにペットショップに連絡を取ると、実際には「倒産ではなく、繁殖引退犬の里親を募集しているだけ」とのことでした。SNSの情報が誇張されていたことに少し戸惑いましたが、これも何かの縁だと思い、そのペットショップを訪れることにしました。
そこで出会ったのが、当時「ラップくん」と呼ばれていた現在の恵比寿です。アフロのようなモフモフの毛並みと、どこか悟ったような落ち着いた表情が印象的でした。「この子なら」と直感し、すぐに家族に迎えることを決意しました。こうして、ラップくんは「恵比寿」と名前を変え、ペットメモリアル ドマーニの福社長として新たな一歩を踏み出しました。
福社長・恵比寿の名前に込めた想い
恵比寿という名前は、七福神の一柱である「恵比寿様」に由来しています。恵比寿様は、笑顔と幸運をもたらす神様として知られていまが、この名前を授けたのは、恵比寿と出会う人々や、ペットに少しでも幸せを運んでくれる存在になってほしいという願いからです。
また、恵比寿自身も恵比寿様のようにいつも笑顔で穏やかに暮らしてほしいという想いも込めています。飼い主の皆様に微笑みを届け、訪れる人々の心を温かくする存在であり続けてくれることを願っています。福社長という肩書きも、彼が周囲に幸せを運ぶ象徴となってほしいという願いからつけました。
恵比寿との新しい日常
恵比寿の仕事は私の運動のパートナー(お散歩)と、私の遊び相手(ご機嫌取り)もお手のものです。恵比寿との日常は、私にとってかけがえのない癒しの時間になっています。
ただ、愛情はかけられていた子だったと思いますが、たくさんいる中の1頭ということで、あまり躾がされていないので、マナーベルトはなかなか外せませんし、手間がかかるかわいい子です。
最後に
これから、福社長・恵比寿との日常や、ペット火葬の現場、ペットとの共生やお別れに関するコラムをお届けします。大切なペットとどう過ごし、どのように見送るかを一緒に考え、皆様の心に寄り添える記事を書いていきたいと思っています。
猫を家族に迎えられないのは残念ですが、その分、保護活動への支援を続け、少しでも猫たちのためになるよう努めます。
恵比寿との日々や、ペットに関する情報を楽しんでいただければ幸いです。明けない夜はありません。明日はいい日になりますように。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
ペットメモリアル ドマーニは志太、榛原地区を中心に静岡県全域に訪問させていただき、ペットちゃんに最後の「ありがとう」を伝えるお手伝いをさせていただきます。
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