楽曲の元ネタを探っていく聴き方ってもうしないのかな?
これは「音楽について Advent Calendar 2023」の9日目の記事として書かれました。
音楽の聴き方っていろいろありますが,90年代にフリッパーズ・ギターにはまり,小沢健二・コーネリアスのふたり,ブリッジ,スパイラル・ライフ,中村一義,などを聴いていきました。ちょっと知ってる人だとこのあたりは渋谷系にまとめられると思います。もっとも私自身は東京にいた22年で渋谷には3回ぐらいしか行ってませんが。
渋谷系の特徴としていろんなジャンルの洋楽からモチーフだったり楽曲の一部を持ってくること(引用)が多くありました。私は当時『クイック・ジャパン』を好んで読んでいたので,『前略 小沢健二様』(厳密にはその前にあったクイック・ジャパンの特集だと思うけど覚えてない)で元ネタの存在を知り,そういう作り方があるんだということに意識的になりました。この辺は後発の『渋谷系元ネタディスクガイド』の前書き(村田知樹氏)を紹介するのがいいでしょう。
つまり新しい音楽を聴くための取っかかりとして元ネタがある,もちろん元ネタから作った音楽もすばらしい,わけです。
もちろん常に元ネタは何だろうという聴き方をするわけじゃないですが,たまたま聴いた洋楽に「もしかして?」なんてのがあると嬉しくなります。
上の本にたぶん載ってないで私が気づいたのだとカジヒデキ「ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~」(1997年)の冒頭部分(この曲は広末涼子が(さらに)話題になったドコモのCMで流れてたやつです)。
Ben Folds Fiveというバンドにある「Julianne」(1995年)のやはり冒頭部分。
速めのテンポで8分音符で連打するみたいなのはありふれたものかもしれないし,Ben Folds Fiveの方にだって元ネタはきっとあるでしょうけど。
で,世の中的にはもうYouTubeだのサブスクだの音楽をある意味で無制限に聞けてしまう時代なので,きっと最近の楽曲の元ネタなんてのもいろんなところに情報があふれてるんだろうと思ってたんです。
が,検索しても出てこないこと。僕はあまり洋楽に詳しくなく,それこそ上の本にあったようなのを聴いていたので,ハロプロでもback numberでもYOASOBIでもサカナクションでも韓流グループでも,音楽好きが元ネタを解説してくれていたりするなじゃないかと期待していたんですが,そうでもないんですよね。
上の引用にもあるように,元ネタは音楽の幅を広げるには格好の材料で,サブスク全盛の現代にあった能動的な音楽の聴き方になるんじゃないのかなあ。
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