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動画授業による学生達のパケ死を防ぐ

前の記事で,オンライン授業をするにあたって学生の自宅にwifi環境が必ずしも整ってないということに言及しました。

wifi環境のない学生は自分のスマホの通信量を消費する必要があります。もちろん大学に出てくれば解決もできますが,オンライン授業のうまみという点ではやや落ちるように思います。本格的に学期が始まる前にこの話題についてもう少しだけ書いておこうと思います。

動画・音声の通信量

少し気になったので,サービスによって通信量がどれくらい異なるのか,いくつかのサイトを参考にしてまとめました。

ゼミのような少人数の授業ではzoomを使う予定の方も多いとは思いますが,1回(90分)の授業で300〜600MB消費します。

講義をYouTubeライヴで録画した場合,900MBになります。もちろん画質を落とすことで容量は減りますが,あまり現実的ではなさそうです。

これらはいずれも「これまでの授業とほぼ同じものを再現・実行する」ことが前提にあるから生じることだと思います。思い切ってどちらもテキストや音声を中心にはできないでしょうか?

どうやって授業をするか

講義であれば,次のような展開が考えられます。

ひとつはテキスト中心スタイルです。これは前の記事でも書いたものですが,短い10分程度で読めるテキスト(独自資料でも教科書のページ指定でもいい)や音声をサイト(LMS)に置く。次に,その部分の理解度を見るための小テストに解答させる。その回が終わった後に掲示板機能(多くのLMSについている)を使ってコメントや質問を書かせる。物理の授業で試作したものがあります。

ラジオ番組スタイルというのもあります。これはTwitterで紹介されていたものですが,ラジオ番組のように,教員が簡単な解説をした後,メールなどで質問やコメントを募り,そこに答えていくというスタイルです。

演習であっても同様です。例えば発表者はスライド資料をPDFにして,別に音声を録音してサイトに置く。他の受講者は掲示板に質問やコメントを書き,発表者や教員が答えるという流れでかなり済むのではないでしょうか。もし「その場で質問やコメントを発言する」ということが重要なら,チャット機能でも代替できると思います。チャットそのものはLMSについていることもありますし,LINEを使ってもいいと思います。もし何もなければ,sildoのように手軽に使えるサービスもあります。

slidoの紹介サイトとしては以下のページがあります。

いずれにせよ,映像をつけることがどれだけ本当に重要か,もう一度考えてからリアルタイムの動画授業を試みてからでも遅くはないと思います。

LMSがないときにはResearchmapを使おう

最後に,大学にLMSが導入されていないケースも考えられるのでその対策について少しだけ。

ファイルを置くだけならResearchmap(NIIの作成している研究者用のポータルサイト)が使えます。大学で教える人ならアカウントを持っていると思いますし,もしなくても博士課程以上の人なら申請すればもらえます。ここに「資料公開」が「ブログ」あります。「資料公開」にパスワードつきでファイルを置くことができるので,そこに置き,「ブログ」からリンクすることでとりあえず簡易的なオンライン授業用のサイトが作れると思います(そもそもLMSのない大学がオンライン授業をやるのかは疑問ですが)。

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