平山輝男(1951)音調分布図のオンライン地図化
九州地方を中心に日本語諸方言のアクセント(音調)の研究をしてきた平山輝男という研究者がいました。1951年に出版された『九州方言音調の研究』は九州方言のアクセント研究の嚆矢と言われます。この本には九州地方のアクセント体系の分布が地図になっているのですが,だいぶ古く字も小さいため読むのがちょっと大変でした。
それもあり,オンライン地図にしました(地図をクリックすると表示されます)。
以下はその手順です。
地点の緯度・経度を決める
集落ごとに代表地点を決め,その緯度と経度の情報を取ります。代表地点は集落の名前のついているものを,次の優先順位で決めました。
公的機関(役所,支所(出張所),公民館)
小学校
駅
警察
消防
その他(名前の付いた施設や会社など)
これで決まらないものは住所を検索してそこにある神社など適当な建物を充てるなどしています。
Leafletの使用
オンライン地図にする際にはLeafletを使用しました。「寄りかかる」の話のときもLeafletだったのですが,今回は地図表示(JavaScript)と地点データ(JSON)を完全に分けています。
それぞれのスクリプトはよんさま(ChatGPT4)がほとんど書いています。詳しく知りたい方は以下のファイル群のソースを見るといいと思います。
hirayamap.html(JavaScriptを表示させるだけ)
hirayamap.js(JSONデータを読み込んで地図化)
hirayamap_data.JSON(地点データ)
使い込んでいないのですが,githubに公開しています。
実は1ヶ所苦戦してしまいました。緯度・経度データはGooglemapのURLを使用したのですが,その際に誤ってカンマまでコピーしたところがあり,それ以降が表示されなくなっていました。これにはだいぶ困りましたが,原因は非常に単純という。
というわけで本編はこれでおしまいです。
おまけ:静的な地図
おまけです。以前緯度・経度の情報からPythonで地図にするスクリプトは書いていたので,それを活かして静的な地図も作ってあります。論文などに入れるときにはこちらの方がいいかもしれません。
沖縄まで入れるとかなり長い地図になるので,略図の作り方を学ぶ必要があります。
謝辞
この地図の作成には科研費(19H00530)と国立国語研究所共同研究プロジェクト「消滅危機言語の保存研究」,「日本・琉球語諸方言におけるイントネーションの多様性解明のための実証的研究」)より助成を受けました。
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