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辛くて、甘い。「伝統野菜ぼたんこしょう」に出会った。

そもそも伝統野菜とは

「その土地で古くから作られてきたもので、採種を繰り返していく中で、その土地の気候風土にあった野菜として確立されてきたもの」
伝統野菜はまさにその土地の風土を表すとても興味深い野菜。日本にはなんと100を超える伝統野菜があるそうです。

伝統野菜「ぼたんこしょう」とは

北信州の斑尾山の麓、長野県中野市永田西組地区を中心に古くから作られている伝統野菜。
一言で言うと辛いピーマン。
トウガラシの仲間ではあるのですが、トウガラシと違い、後に残らない爽やかな辛さで、甘みと旨みがあり、実も肉厚です。
標高800m付近でないと辛く大きくならず、中野市でも永江地区を中心とし、限られた地域でしか栽培ができないため、中野市民でも食べたことのない方が多いのだとか。中野市馴染みの野菜と思っていたのでこれにはびっくりでした。

ぼたんこしょう保存会

斑尾ぼたんこしょう保存会は、ぼたんこしょうの保存と普及を目的に平成20年3月に創設されました。
ぼたんこしょう加工施設も保存会の皆さんで作り、ぼたんこしょう味噌や、やたら味噌漬けといった加工品の製造も行っています。

とにかく保存会の皆さんの人柄が素敵で、埼玉から来た私のことも快く受け入れてくれました。私が中野市への移住を決断したのは、ぼたんこしょう保存会との出会いがあったからと言っても過言ではありません。

ぼたんこしょうの畑

斑尾山の麓、標高800mほどの場所にあります。
聴こえてくるのは、虫や鳥の鳴き声、それと風の音だけ。
作業の合間にふと顔を上げると、志賀の山々が広がり中野市の街並みを見下ろすことができます。
お茶の時間になると、お手製の漬け物やお惣菜が並び、たわいのない会話がスタート。
その空間がなんだか心地よくて、気持ちよくて、何より楽しくて。

伝統野菜ぼたんこしょうの今

ぼたんこしょう保存会の平均年齢はおそらく70歳ほど。ぼたんこしょう保存会の松野さん曰く、現状を維持できるのは後5年ぐらいだそうです。
ぼたんこしょうに限らず、日本全国にその土地の風土を伝える面白い伝統野菜があります。そしてその多くが同じように後継者問題に直面しているのではないかと思います。

しかし、去年1年ぼたんこしょう保存会の皆さんと一緒に活動してみて感じたことは、守るために活動するというより、「好きであることと。楽しいこと。」が大前提にあるということでした。そしてその気持ちは何よりずっと大切だと気がつきました。

私自身も活動をシンプルに楽しみ、感じた感動を伝えようと思います。
このnoteを通して、伝統野菜を守っている素敵な仲間が中野市にいることを知ってもらえたら嬉しいです。

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