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チャレンジを認める組織、文化を

(5,351文字/個人差はありますが、約9分~13分程で読めると思います)

こんにちは。よこはま発達グループの佐々木です。
今週はコンサルテーションで出張が多く、月曜日は仙台、木曜日・金曜日は秋田市へ行っていました。

今回もコンサルテーションで感じたことを書いていきます。
どうぞお付き合いください。


個人のやる気だけではどうにもならないことも

あたり前ですが、どの現場も同じではありません。現場のニーズ、地域性、人手、これまでの歴史などさまざまです。ですから「これさえすればいい」ということはありません。
  
どの現場も余裕やエネルギーがあるわけではありませんし、一つとして同じ現場はありませんから、そこでの支援のあり方もさまざまです。もちろん、「だから、なんでもいい」というわけではなく、支援の原則や目指したい方向性はあります。
   
とはいえ、共通して伝えるメッセージはあります。

特に最近強調してお伝えしていることの一つに、「チャレンジを認める組織、文化にしよう」というのがあります。
   
現場は組織です。誰か一人の熱意でどうにかなるものではありません。
「なんとかしたい!」と思い、勉強し、「やるぞ!」とやる気になっても、
・今までと違うことはしなくてもいい
・今までやっていないから
・やれたらいいけれども、難しいよね
と、組織として決断されてしまったら、残念ながらできることもあまりできず、次第に意欲のあった人たちのモチベーションも下がり、現場全体が「どうせ提案してもできないから…」となりがちです。

また、「勉強しても意味がないかもしれない」となり、「なんとかしたい気持ちもあるけれども、この現場では難しいから、このままでいい」と支援者としての葛藤を強く持ちながらも、動けなくなってしまいます。
   
それはとても勿体無いことです。
もちろん、なんでもやればいいというものではありません。
  
それでも、「勉強したことをやってみたい!試してみたい!」という声があがれば、それをどんどん認め、チャレンジしてもらい、報告してもらい、チームで一緒に考えていくような組織文化にしていきませんか?と提案をさせて頂くことがあります。
   
これも容易なことではないかもしれません。
   
でも、僕らは自分の専門性を把握し、専門性を高めるためにどのような学びが必要なのかを確認し、学び続けることが必要です。自分自身が学んでいないことで、適切でない支援が提供されてしまえば、ご本人、ご家族にとって支援を受けたことがマイナスなものになってしまいます。誰もが完璧な支援を、いつでもできるわけではありません。間違うときだってあります。
  
「それはしょうがない」と思うかもしれません。もちろん、その時には自分の考えうる最善をしたのだからそうかもしれません。だけれども、「しょうがない」としてしまうと、自分自身のアップデート、自分でとめることになります。
  

そして、せっかく勇気を出して支援を求めてくださった方々に対して「今後は支援を受けたくない」という決心を後押ししてしまい、お互いに後悔してしまうでしょう。
     
仮に、専門家として、支援者としてその方にお会いできる期間は限られていたとしても、それぞれの人生はその後も続きます。支援を受けたことがマイナスではなかった、これからもやりようはあるんだと希望を持ち、次の専門家・支援者へと安心してつながれるような経験をしていただくことが大切であり、責務でもあります。
   
そのために、僕らは学び続けていく必要があるんだろうと思います。
でも、そうした学び続けていきたいと思えるためには、個人の情熱だけでは難しいところもありますから、現場全体として「やるぞ!」と思ってもらえるように、そんな風に組織として舵をきって頂くことが何より重要なのではないかと、最近は特に感じていますし、そんなことを現場でもお伝えしてきました。
     
そうしたやり取りをしていると、現場からさまざまな質問が出ます。
今回は、「これは多くの支援で共通のテーマだろうな」ということを取り上げていきたいと思います。

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