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知識を使うことと、そのための引き際

(4,904文字/個人差はありますが、約8分~12分程で読めると思います)


知識は使うことに意味がある

こんにちは。よこはま発達グループの佐々木です。自分の知識を知識のままにしないためには、「知識を使うこと」が大切で、知識は使ってみて初めて技術になります。例えば、視覚支援を例に考えてみます。 

「視覚支援が大事」という知識があったとします。でも、実際には「文字でいいのか?」「写真がいいの?」「スマートフォンで撮影して、それを見せるのでもいいの?」と、一口に「視覚支援」と言っても、そのバリエーションは広いです。ですから、どのような視覚支援がいいのかは、「やってみないとわからない」ことが多いのです。

この「やってみる」というのが「知識を使う」ということです。文字で見せてみたけれども、全くうまくいかなければ、「文字は違うんだな」ということがわかります。じゃあ次はどうするかを考えて、写真を活用してみたら伝わりやすくなれば、「この方への視覚支援は写真が良さそうだ」となります。そうすると、「視覚支援は大事だけれども、なんでも見せたらいいわけじゃなくて、その人にとってわかる情報で見せるのが大事。そして、この方の場合には、それが写真」と「視覚支援が大事」という知識がより深いものになり、これが「知識が技術になる」ということです。      

技術を高めるためには、あたりまえですが知識が必要で、知識を得るためにはインプットが必要です。そして、「インプットしたことをアウトプットすること」を繰り返していくことです。

人によって様々な事情があります。全員ができるわけではないかもしれません。

それでも、発達障害支援に携わる支援者、専門家としては、仕事として選んでいるからには、これをしない、あるいはしようとしないのは違うのでは?と、ぼくは思います(賛否あるかもしれませんし、あくまで、ぼくは自分に対してはそう思うというものです)。

知識を使おうとしないで、「うまくいかない」と悩むのは、「免許をとるための勉強はするけれども、運転の練習はしない。なんで免許が取れないんだろう」というのと同じくらい変なことでは?と、ぼくは思います。

どうやってインプットしてる?

ちょうど、先日「どうやって情報をインプットしているのか?」とご質問を頂く機会がありました。それがいいかどうかわかりませんが、ぼくの場合には、なるべく情報が偏らないようにインプットをするように心がけています。なので、発達障害に関係のないような情報にもアクセスすることが少なくありません。発達障害に関係する情報との比率でいくと、半々くらいの割合かもしれません。    

その中で、ある経営者の方が、

  • 1回伝えたからといって伝わったと思わないこと(大事なことは、何回でも、何回でも、何回でも繰り返し伝えること)

  • その時にはわかったように聞くし、実際に頭ではわかっているのかもしれないけれども、実際にやってもらう時にはなぜかできない人が多い

みたいなことを仰っている時がありました。

それが絶対に正しいというわけではないかもしれませんが、これはぼくの実感と割と一致するので、個人的にはとても納得したことを覚えています。  

これまでは、このコラムについても「このことは一度書いたしな…」と思って、書いては消すみたいなことをしていたのですが、同じことでも大事なことだったら何度でも書いていこうかなと思っています(「書くことがないから、前に書いたものを書く」とは全く意味が違う)。  

なので、「あれ?この話って前にも似たようなものあったよね」と思われた時には、「大事だから繰り返し書いているんだ」と思ってもらえればと思います。

知識を使う時に大切な「引き際」

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