エネルギーの支出と収入を管理するー前編
(6,236文字/個人差はありますが、約10分~15分程で読めると思います)
こんばんは。よこはま発達グループの佐々木です。
週1回のコラムの更新が遅くなりすみません。今日は「自分自身のエネルギーを把握し、管理しよう」というテーマで書いていきたいと思います。その前に、僕は色々な現場に出入りさせて頂いているのですが、よく頂くご質問について先に書きたいと思います。どうぞお付き合いください。
タイマーをどう活用すればいいか?
支援現場で、切り替えのためにタイマーをよく使用しています。
ただ、「タイマーの使い方にも気をつけて」と以前教えてもらいました。具体的にどういうことなのでしょうか。
と、こんなご質問をよく頂くことがあります。
それ以外にも「タイマーを使いたいけれども嫌がります」とか、「タイマーを見てくれません」とか色々です。
「タイマー=不便なもの」とならないように
確かにタイマーはよく使用されますし、僕も使います。
その時のポイントとしては、「タイマー=不便なもの」とならないようにすることです。当たり前ですが、皆さんも自分にとって嫌なものは使いませんよね。使うとしても渋々ではないでしょうか。
例えば、スマートフォンで調べるのは便利かもしれませんが、10分でバッテリーが切れるとしたらどうでしょうか?途端に、スマートフォンは便利なものから、不便なものになるでしょう。僕らがスマートフォンを使うのは自分にとって便利だからですよね。
そして、一度便利だと思えば、多少の面倒さはあっても使うのではないでしょうか。例えば、モバイルバッテリーを持つのはお金もかかるし、荷物にもなります(=面倒)が、その面倒さを凌駕するほどの便利さがあるから、モバイルバッテリーを持ってでもスマートフォンを使うわけです。
タイマーも同じです。
いかに、「これいいじゃん!」と思ってもらえるか、そこまでのプロセスをどうサポートしていくかがポイントになります。そのためには、「好きなものを使ってタイマーを練習しない」ということです。
ん?興味関心をいかさないの?
そんな風に思われるかもしれませんが、もう少し詳しく伝えると「好きなものをやめるためにタイマーを使わない」ということです。例えば、タイマーが使われるのは「遊びを切り上げるため」が多いのですが、これがまさに「好きなものをやめるためにタイマーを使う」ということです。
でも、もちろん最終的にはそうした活用は全然OKなのですが、「これいいじゃん!」と思ってもらってからのほうが無難です。
じゃあ、取りかかりとしてはどうするかといえば、「タイマーが鳴ったら好きなものが出てくる」という設定がいいのかなと思います。
そして、もう一つ。
よくキッチンタイマーが使われることがありますし、僕も使います。でも、キッチンタイマーがタイマーとして機能する(=見通しのためのツールになる)には、時間の概念を理解しておく必要があります。
「5分だよ」と言われて、「5分だったら、時間のかかりそうなLEGOの組み立てはやめとこう。その代わりに別の〇〇で遊ぼう」とできるのは、5分って大体このくらいだよね、という概念があるからです。皆さんも日々の生活では、そうですよね。
家を出る5分前に1時間かかる煮込み料理に手をつけたりしません。
そうした時間の概念がないところでのキッチンタイマーは、「このくらい遊べる」という見通しにはなりくく、むしろ「いきなり鳴る、びっくりさせるやつ」みたいになります。
せっかくなら、そうではなくて「自分にとっていいことを知らせてくれるやつ(=便利なやつ)」と思ってもらいましょう。
そのためには、タイムタイマーみたいに時間の流れが可視化されているものが良いと思います。タイムタイマーでも、60分のものでなく、20分のものの方が最初はわかりやすいです。
その上で、「お楽しみを待つために注目してもらう」です。
タイムタイマーではなくて、もっとアナログにすることもあります。
例えば、「なくなったら終わり」がわかる方であれば、チップを一つ用意します。そこで、タイマーが鳴ったらチップが一枚なくなるとかでもいいです。
このように、何がその方にとって時間という目に見えないものを伝える術になるのかを整理したり、そこから練習していくといいと思います。最初は数秒でもいいです。
キッチンタイマーなり、アナログのものなり、それとその方にとっての「お楽しみ」を一緒に用意して、「タイマーを見てもらう→音がなる→お楽しみが出てくる」みたいな感じです。
当たり前ですが、10秒待てない人は1分は待てません。1分待てない人は5分待てません。ですから、最初から何分も待たせるような設定にはしない(ゴールが遠すぎるとやる気がなくなる。僕らも50m走って!と言われたらなんとかなるかもしれませんが、42.195km走って!と言われた途端に無理無理となるようなものです)ことが大切です。
こんなやり取りをしながら、タイマーの意味がわかってくれば(「おっ、なんかこれって便利じゃない?」と思ってもらってきて)、そのあとは色々な場面に活用していけると思います。
と、こんなことを現場の方々とはやり取りしたりしたりしています。もちろん、実際には個々に調整していくのですが、考え方のご参考まで!
さて、やっと本題
以前も似たようなことを書いたかもしれませんが、結構大事なことなので改めて。当たり前ですが、人にはそれぞれエネルギーのキャパシティがあります。それは、肉体的なものもあれば、精神的なものもあります。
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