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現場の支援を、現場だけで考えない

(6,557文字/個人差はありますが、約10分~16分程で読めると思います)

こんにちは。よこはま発達グループの佐々木です。
僕らはグループとして色々な事業所さんにコンサルテーションという形で関わらせていただいています。オンライン/オフラインいずれも活用しながら、全国さまざまな地域の方々とご一緒させて頂いています。

今回は、現場でのどのようなご質問に、どう答えているのかについて書いていきたいと思います。どうぞお付き合いください。


第三者を入れる理由

大変有り難いことに、発達障害者支援センター、児童発達支援(センター含む)、放課後等デイサービス、生活介護、就労継続、入所、行動援護、相談支援など幅広く入らせて頂いています。  

先日、Voicyでは「虐待の件数は増えており、また高齢者と比較しても約7倍多い」ということを話をしました。

法的な整備がなされる一方で、当たり前ですが、それだけでは十分とは言えません。実際に関わるのは人ですから、その人たちをどうサポートするのかも重要な課題です。


虐待そのものは決して認められないものですが、現場では慢性的な人手不足があり、かつどう対応すれば良いかわからない中で疲弊し、その結果、力で押さえつけるしかないということが起きてしまったりします。安全管理を名目に「部屋に鍵をつける」という対応がなされることもあります。現場には虐待の意識はなく、むしろ「安全のために(急な飛び出しに対応できないため)」という考えがあることも見聞きします。

   

「だから、しょうがない」とは当然なりませんが、こうした状況で「虐待はしてはいけない」とだけ言われる一方で、「では、具体的にどう対応すればいいのか?」「具体的な方法を教えてほしい」という現場の声もあります。

   

ご本人、ご家族、現場スタッフ、それぞれが大変な状況に至るまでの経過・積み重ねもありますから「これさえすればいい」という単純なものではありません。でも、みんなが段々と疲弊するのではなく、「何かやりようはあるはずだ」と思っていけるような、そうした具体的な対応を考えていくことが一つの方法だと思っています。

   

また、現場では当たり前になっていることでも、第三者からみたら「虐待では?」だったり、「虐待とは言えないかもしれないけれども、かなりグレーでは?」と思ったりするような対応もあります。そういう意味では、第三者を現場に入れる(コンサルテーション)というのは一つの方法だと思います。

第三者であれば誰でもいいわけではない

そうした時に大事なことは、「具体的な対応について一緒に考え、提案してくれる第三者を入れること」です。つまり、「知識がある人」ではなく「実際の対応ができる人」を入れていく必要があります。自分たちが、それをできていると自信を持って言うつもりはありませんが、現場経験もありますし、今でも日常的に直接対応をしています。 

ですから、教科書的なことを伝えるだけではなく、実際に自分たちが対応としてしてきていることをお伝えしているつもりですし、そうしたつもりでコンサルテーションにあたっています。   

これは、僕らに限ったことではありませんが、探せばそうした第三者は地域にもいるはずです。そうした第三者をうまく活用することで、現場の支援の質を高めていくだけでなく、虐待防止のための一助になるものだと、僕は思います。ただし、それは決裁権のある人の決断に左右されます。組織の決裁権のある人が、ご本人、ご家族、スタッフのことを本当に考えるのであれば、そうした外部の力を使うことを考えるのも一つだと思います。実際、僕らも自分たちがコンサルテーションをするだけでなく、自分たちの組織にもコンサルテーションを入れています。

明日からの1週間でも、県外3つの事業所さんに訪問しますが、もし僕らのコンサルテーションに興味があれば下記をご覧いただき、seminar@ypdc.netの佐々木までご連絡ください。詳しいご説明などの時間もお取りさせて頂きます。

▼よこはま発達グループのコンサルテーション

さて、前置きが長くなってしまったのですが、今回はコンサルテーションでどのようなご相談をお受けし、どのようなお返事をしているのかを少し共有したいと思います。

切上げに困っていない子どもにも、終わりの伝え方を工夫するのか?

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