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#55『教科書に載らない「日本の文化」』Vol.6

18『雅楽』
 「吹物、弾物、打物」が雅楽で使われる楽器。
 雅楽とは、古くから日本で受け継がれてきた宮廷音楽のことです。1000年以上前から演じられてきています。昭和30年、宮内庁楽部の楽師が演奏する雅楽は、「国の重要無形文化遺産」に指定されました、また、平成21年、ユネスコ無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載決議がなされました。
 飛鳥時代から平安時代の始め頃までに日本に伝わってきた中国や朝鮮半島の音楽と舞に、日本古来の音楽と舞が合わさり、日本独自に発展してきたものが、現在につながる雅楽です。平安時代には宮中行事などで取り入れられるようになり、貴族が楽器を演奏する「管弦」が生まれました。
 雅楽は、特有の楽器が使われる「管弦」という楽器の演奏だけでなく、歌や舞も重要な要素になっています。舞には、「舞楽」「国風歌舞」の二種類があり、「舞楽」は中国や朝鮮半島から伝わった音楽と舞が起源になります。「国風歌舞」は、日本古来の舞です。歌は、「歌物」といい、日本の各地方に伝わる伝統的な歌(=民謡)や中国の詩(=漢詩)に節をつけて歌います。これらを全てまとめて雅楽といいます。
 雅楽の芸は、「楽家」と呼ばれる家により代々受け継がれてきました。そのため、書物や楽譜も受け継がれ時代の変化を乗り越えて現代まで伝えられてきました。「管絃」は、1000年以上も昔の演奏を現代に伝えており、世界にもほとんど例がない「世界最古のオーケストラ」といわれています。
<雅楽のアイテム>
・かぶり物:舞人が頭にかぶる甲や冠ですが、演目に合わせて何種類もあります。
・面:舞人は演目に合わせて面を付けますが、人だけでなく動物の面もあります。
・装束:舞人だけでなく演奏する人も装束を身につけますが、舞人の装束は特に色鮮やかになっています。
<雅楽特有の楽器>
・笙:長さの違う17本の竹管を並べた笛で高さの違う音を一度に鳴らすことができる楽器です。
・ひちりき:竹製の縦笛で雅楽の主旋律の演奏に使われます。息使いや唇の位置で微妙に音の変化を引き出すことができます。
 私は幸いにも以前訪れた、皇學館大學の学生の皆さんの演奏に直接触れる機会がありました。直接の機会はそう多くないですが、年2回地方公演や年1回程度ですが国立劇場で公演が行われています。また、「デジタルライブラリー」などでも触れる機会があります。

 
 

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