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#9『夜間中学校』のこと、知ってますか

夜間中学校、正式には中学校夜間学級の略称になります。
戦前、夜間に旧制中学校・中学校程度の教育を担い、現在の高校夜間部・定時制課程の元になりました。
戦後の教育改革で消滅してしまったと思われがちですが、現在 9都府県 25市区 31校に夜間中学校は設置されています。
設置状況は、
東京都、大阪府、奈良県、神奈川県、千葉県、兵庫県、京都府、埼玉県、広島県です。
(*校数が多い順)

平成29年度の文科省の調査によると、生徒数は1,687名
その内訳は、

義務教育未修了者が258名
既卒者が73名

生徒の属性は、
60歳以上が456名
15-19歳が342名
と報告されています。

この報告では、生徒の内訳は19.6%、生徒の属性は47.3%になり内訳不明/属性不明生徒が多数存在することになります。

その答えは、多くの「外国人生徒」が学んでいる現状があるからです。

夜間中学校は週5日授業があり、原則公立中学の教員が教えています。

そして、授業料は無償です。

学校では、60歳を超える生徒から約8割を占め日本語がほとんどわからない多国籍の外国人生徒が同時に学んでいるのです。

そのため、少数派の日本人生徒が求める授業内容と現実のギャップが大きく休学や退学してしまう生徒が少なくないようです。

夜間中学は、外国人生徒の「日本語学級」化しているようです。

文科省の「平成29年度夜間中学等に関する実態調査」によると、「夜間中学の新設に向けた検討・準備を進めている」と回答したのは、6都道府県の74市町村にのぼっています。

病気、貧困、不登校などさまざまな事情で義務教育を修了できなかった人たちの学びを取り戻す場として、行政が手を差し伸べることは大切なことであると思います。

事実、夜間中学を卒業し高校へ進学した人が155人、就職した人が60人いることは教育の成果であるといえます。

戦前であれば、戦争のため義務教育を終了できなかった人も少なからずいたことと思います。しかし、現在でもいじめ、不登校、病気等の理由で義務教育を修了(形式的には修了していても)していない人も確実に存在します。
そして今後、ますます経済格差は拡大し学びの場を失う児童生徒が増大することも予想されます。

行政は、受け皿だけを設けて現状を放置するのではなく、国民の権利である真の学びの場を提供して欲しいと切に願っています。

#教育 #学校教育 #義務教育 #夜間学校

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