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#58『中山道「名所・名物」』Vol.1

 前回の東海道に続いて、中山道の「名所・名物」をとりあげて見たいと思います。
 中山道は、江戸から山あいを抜けて京までの街道になります。別名、木曾街道とも呼ばれました。日本橋を起点に、三条大橋まで69宿、総距離は約530kmで、『東海道』よりおよそ30km長い道のりになります。

「名所・名物」
・2宿「綿織物」(蕨)蕨郷を含む周辺一帯は、木綿製品の生産が盛んな地域で職人の作業着に用いられる武州藍染は「青縞」と呼ばれる名産品で、全国から織物の買継ぎ商人が集まったそうです。
・3宿「うなぎ」(浦和)別所沼で取れるうなぎは有名で、旅人のスタミナ源になっていました。この先、うなぎを食べることのできる宿はほとんどなく、(浦和)、(蕨)が有名でした。
・6宿「紅花」(桶川)紅色染料の原料になる紅花は、桶川一帯で広く栽培されていました。「桶川臙脂=(えんじ)」とよばれ、当時全国第二位の生産量がありました。
・7宿「鴻巣雛」(鴻巣)雛人形は、農民が農閑期に作っていました。江戸にも比較的近く、「鴻巣雛」の名前で多数出荷され、大変人気がありました。鴻巣の雛市は、江戸の十間店、武州越谷とともに関東三大雛市といわれました。
・8宿「うちわ祭り」(熊谷)熊谷では、祭りのとき、商店が見物客に赤飯を配る風習があり、「熊谷の振る舞い赤飯」として有名になっていました。のちに、赤飯の代わりに「うちわ」が配られるようになり、「うちわ祭り」と呼ばれるようになりました。
・20宿「浅間山」(追分)追分宿は、善光寺を経て北陸方面に向かう「北国街道」との分岐点になります。煙を立ち上げる名山浅間山を望む景色が美しい場所としても知られています。民謡や演歌に登場する「追分節」の発祥の地にあたります。
・22宿「鯉料理」(岩村田)甘露煮、うま煮、洗い(刺身)、鯉こくなどの材料にされる佐久鯉は、小諸藩主への献上品であったそうです。水田養鯉という独特な飼育がされていたそうです。
・28宿「黒曜石」(和田)割ると鋭くなる黒曜石は、縄文の時代から道具や武器として使われてきました。黒曜石の産地は少なく、和田峠あたりは質の良い産地として古くから知られていたようです。
・32宿「そば切り」(本山)現在私たちが口にする細く切ってツルツルと食べるそばの発祥の地と言われています。それまでそばは、団子にして食べるのが普通で細かく切るそばは、「そば切り」と呼ばれたそうです。
・34宿「お六櫛」(奈良井)檜や杉の産地である木曽地方では、薄く削って曲げて作る容器である「曲げ物」や櫛、漆器つくりが盛んでした。木櫛に漆を塗り、蒔絵をつけた「お六櫛」は女性に人気で、お土産としても大変人気があったそうです。


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