流行りの人事制度を入れる前に考えたいこと
人事界隈は流行り言葉の多い業界です。
最近だと
・心理的安全性
・人的資本経営
・リスキリング
・1on1 などなど
流行り言葉が多い分、その反動が大きいのも人事界隈の特徴です。
こういった言葉が出てきて「うちの会社でもやるぞ!」と導入してもうまくいかないケースは珍しくありません。
流行りの人事制度を取り入れてもうまくいかない理由の一つは、人事制度は仕組みだけでなく運用も非常に重要だからです。
仕組みだけ導入して運用をないがしろにする。
運用面を考えないで仕組みだけ導入する。
そうなるとうまくいきません。
ここでいう運用面というのは、実際に社員がどう使うのか、社員からどんな質問が出るのかを想定しておくことなども含みます。
また、基本的に人は変化を嫌がる生き物です。
人事制度を変えようとすれば反発が起きるのは当然です。
その反発を当然のものと受け止めず「反発する連中はけしからん」という態度を経営陣や人事が出していないかも大切です。
多くの人事制度は、実際の運用は人事だけで行うのではなくなんらかの形で社員が関わります。
1on1やOJTなどの制度であれば、実運用は社員にゆだねることになります。
だからこそ、社風や文化に合うのかという視点も非常に重要です。
例えば、普段から雑談を含めてコミュニケーションが活発な組織で毎週の1on1は必要ないかもしれません。
逆にコミュニケーションが苦手な人が多い職場では、いきなり1on1をやってくださいと言われてもどうやれば良いかわからない人が多いでしょう。
そういう職場では、まずは上司側、部下側それぞれに1on1のやり方をレクチャーする時間などが必要になるかもしれません。
他社の成功事例を見ると、思わず自社でもやってみたくなる気持ちは非常によくわかります。
中には社員側から「うちの会社でもこういう制度をやった方が良い」という声が上がることもあるでしょう。
その時に一度冷静に考えるべきなのは「うちの社員はこの制度を積極的につかうタイプだろうか」ということです。
積極的に使っているイメージがつかないのであれば、多少時間がかかってでもそのギャップを埋めていった方が、結果的には成果につながると思います。