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2020 J1第7節清水エスパルスvs大分トリニータ レビュー

目次
1.はじめに
2.スタメン
3.前半
4.後半
5.最後に

1.はじめに

前節の引き分けで今シーズン初の勝ち点を手にし、アウェー2連戦からホームに戻ったエスパルスが今節ホームに迎える相手は大分トリニータ。J1のチームでは今シーズン初となる3バックの相手となるが、エスパルスがどの様に相手の守備を崩すのかが気になった今節の戦いを振り返ってみる。

2.スタメン

▪エスパルス
奥井→ソッコ、中村→竹内、
ティーラシン→金子と前節から3枚変更し、カルリーニョスを3トップの中央に配置した。
▪トリニータ
小出→岩田、三竿→刀根、前田→島川、
長谷川→佐藤、松本→高山、渡→田中と前節から6枚変更。

3.前半

トリニータはエスパルスのボール保持に対しては前から奪いに出て来ずに、5-4-1のブロックを作る守備をしてきた。これに対してエスパルスがどの様に戦ったのか。
3’36 高山、岩田の間を通し、高山の背後を竹内→西澤と繋ぎクロス。ニアにカルリーニョスが詰めるがGKキャッチ。
5’39 西澤の下りる動きで岩田を引き出し、立田→後藤で空いたスペースへ。
10’26 竹内→西澤DFライン背後を狙う。岩田、鈴木の間で受け、コントロールからシュートを打つが、鈴木にブロックされる。
12’46 立田→竹内→西澤→カルリーニョスと繋ぎ、ライン間からDFライン背後を狙うが、BOX角手前で対応した刀根がハンド。
16’27 竹内→エウシーニョとサイドチェンジ。エウシーニョはカットインでペナルティーアーク手前まで運び、シュート。しかし、GK高木がセーブ。
18’36 香川、刀根の間をエウシーニョ→金子で使おうとするが、短くなりカットされる。
19’20 右に流れた後藤がクロスを上げず中央ヘナトに渡す。ヘナト→立田と繋ぐ。立田はポジションを下げながら受け、西澤の下りる動きで岩田を引き出し、立田→西澤→ヘナトと繋ぎ空いたスペースを使ってBOX内へ。
28’26 ヴァウドがボールを持ち運び、エウシーニョの内への動きに、金子が外で下りて幅を取り、カルリーニョスの外への動きに、後藤が空いたスペースを狙う連動した動きを見せるが、ボールは出ない。
29’16 西澤→エウシーニョで左右に揺さぶり、香川、刀根の間をエウシーニョ→金子で狙うが、香川に当たり、BOX内カルリーニョスの下へ。カルリーニョス→金子、受けて反転からクロスを上げるが、カルリーニョスの手前でカットされる。
29’52 金子、後藤の下りる動きで香川、刀根を引き出し、空いたスペースを金子→竹内で狙うが、鈴木にクリアーされる。
30’42 中央の西澤→右の金子→ペナルティーアーク脇ヘナトと繋ぎ、ヘナトからのパスを佐藤、島川、刀根、香川の間で後藤が受け、反転からシュート。ニアを狙うが、高木が弾いたボールがポストに当たりゴールならず。
31’10 ヴァウド→エウシーニョ。金子の外への動きで鈴木、刀根の間を広げ、そのスペースにエウシーニョ→後藤。切り返しからシュートを打つが、島川に当たってしまう。
この様に、自分達の動きで相手を動かし、出来たスペースを使った良い形が何度も見られた。又、前節までと比べ、攻め急いだり、簡単にクロスを上げたりというより、ボールを保持して攻撃をやり直し相手を動かしたいという意図を感じ取れた前半だったのではないだろうか。

守備に関してはトリニータがエスパルスのハイラインDFの背後を狙ったロングボールを使う攻撃により、上手く攻撃の形を作れていない様に感じ、危険なシーンを作られるという事はなかった。
0’17 アタッキングサードで金子がボールを失う。ネガティブトランジション(攻→守の切り替え)で金子、後藤、ヘナトが相手を囲むプレス。
4’36 刀根がボールを持った時、金子が外を切りトリニータ右へ誘導。下りる島川に後藤、鈴木にカルリーニョス、岩田に西澤、佐藤に竹内が出て前から嵌めに行く。下りる高山にソッコ、サイドに流れた田中に立田と連動した守備。トリニータ田中のパスがズレた所を竹内が回収。
5’55竹内→金子がズレてクリアーされる。小塚、佐藤と繋いで前進しようとするが、竹内、西澤がネガトラでプレスをかけ奪い返す。
7’22 エウシーニョ→後藤ズレてトリニータボールとなるが、ネガトラで後藤がプレス。島川、佐藤と二度追いにより前進させない。下げたボールにもカルリーニョス、金子と連動し、ロングボールを蹴らせて回収する。
10’07 岩田に竹内が寄せる。岩田→佐藤で外され、運ばれそうになるが、後藤のプレスバックで回収。
14’56 トリニータゴールキックから高木→刀根と繋いだ所で金子が外切り、カルリーニョスが鈴木へのコースを切り、後藤が島川へと前から嵌めに行く。
18’04 小塚がスローインを受けた所、ヘナト、金子で挟んで回収。
22’23 田中→佐藤、佐藤がサイドチェンジを狙った所に後藤がプレスで展開される前にボールを奪う。
26’44 エウシーニョ→金子がズレてクリアーされる。知念→高山と下げたボールがズレる。西澤が寄せて前を向かせない。高山→岩田→下りた田中と繋ぐが、ソッコが寄せて前を向かせず奪い返す。
32’00 トリニータ自陣でのFK。下げたボールにエスパルス前からプレス。GK高木→鈴木へのボール。カルリーニョスが下りた島川へのコースを切り、竹内が寄せる。佐藤に後藤、岩田に西澤、下りる高山にソッコが出て、サイドに流れた田中に立田と嵌めに行き、田中へのロングボールを蹴らせて立田が回収。
33’15 GK高木FKヲタ大きく蹴りヘナトが弾き返す。セカンドを佐藤が拾うが、後藤がすぐにプレス。ボールがこぼれたところヘナト、金子が連動し、ボールを奪う。
トリニータ陣内で前から嵌めに行く場面や、失った所からのネガティブトランジションの意識が高く、ボールを奪い返す事に成功した場面も何度か見られた前半だった様に思う。

41’ 西澤のCK。ニアに立田、ヘナト、カルリーニョスが入り、トリニータのゾーン守備を寄せ、その上を越えたボールを出来たスペースに入っていたソッコが頭で合わせてゴール。
エスパルス先制。1-0
初めてリードして前半を折り返す。

4.後半

ハーフタイムでトリニータは1枚交代カードを使い、後半開始からエスパルスの最終ラインでのボール回しに前からプレスに出てきた様に戦い方を変更した。
45’31 ソッコが出た裏のスペースを田中→知念CB間から流れ使う。受けた知念に田中が内側に走り深い位置からクロスを上げるが、渡には合わない。
73’00 長谷川→小出サイドチェンジで深い位置を取り、クロスを上げるが、立田がクリアー。
75’16 佐藤→小出にサイドチェンジ。小出→渡で深い位置を取り、クロス。ファーの知念がコントロールからシュートを打つが、体勢が崩れ大きく外れる。
79’03 小出→渡ソッコの背後を取り、渡がクロスを狙うが、対応した立田がブロック。
88’56 小出→佐藤ソッコの背後に入れるが、唯人が対応。佐藤→知念→小出で深い位置を狙うが、ソッコが対応し、ボールはゴールラインを割る。
この様に、ソッコがトリニータWBへの対応で出た背後を使われる場面が何度か見られた。

46’38 ヘナト→下りる金子で香川を引き出し、金子→中央竹内へ。竹内→エウシーニョで香川の背後を狙うが、上手くコントロール出来ない。
58’25 後藤→カルリーニョス右ハーフスペースに流れて受け、カルリーニョスが動いて空いたスペースをカルリーニョス→金子で使うが、反転に失敗。こぼれをカルリーニョスがシュートするがDFにブロックされる。
80’07 竹内→下りる西澤で岩田を引き出し、西澤→竹内へ戻す。竹内→ソッコで岩田が出て空いたスペースを狙うが、コントロールが長くなりボールを失う。
前半より数は減った様に感じるが、相手を動かし、空いたスペースを使っての攻撃は後半も見られた。
スタッツから見ても、シュート数は後半の方が多い為、攻撃をする事は出来ていた。

失点シーン
·1失点目
小出が受けた所にソッコがカットに行くがドリブルで剥がされ、広がった立田、ヴァウドの間に入った竹内とヴァウドの間を通すパス。これに知念がヴァウドの背後から上手く抜け出し、BOX内へ運びシュート。
·2失点目
渡への縦パスに立田が食いつき、渡がワンタッチで立田の背後へ。これに知念が反応し、BOX内へ運び、低いクロス。ファーで高澤が合わせてゴール。
2つの失点共にDFラインが乱れた所を抜け出されてのものであった。

5.最後に

ようやく1試合複数得点、今シーズン初勝利を手にしたエスパルス。西澤のヒーローインタビューにもあった様に、監督、選手、サポーター皆が待ちに待った勝利であった。
4得点全てセットプレーでの得点、試合終盤の立て続けに2失点というのは少し気になるが、ネガトラの意識やセットプレーで得点出来る事をプラスに捉え、ここまで勝ちに恵まれなかった事を考えたら勝利を素直に喜びたい。
2試合連続でのセットプレーでの得点という事でセットプレーには今後も注目したい。
次の試合までは中5日あるので、今節良かった特に前半の様なボールをしっかり保持して相手を動かしての攻撃はエスパルスが目指しているサッカーに近いと思われるので、その時間帯を増やす等、更にレベルアップし、最後の2失点など修正し、次節は流れの中からの得点での勝利を期待したい!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。少しでも面白いと感じてもらえたら、SNS等で拡散お願いします。

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