ソムリエ志向
コーヒーブーム
私の所属する研究室で、コーヒーが密かなブームになっている。ただのコーヒーではなく、ちゃんと豆から挽くタイプのそれだ。
キャンパス内に併設されたカフェのポイントをコツコツ貯め続けた研究室同期が、ついに貯まった100ポイントを先日コーヒー豆に引き換えた。彼はその後、コーヒーミルやらドリッパーやら揃え、研究室内でコーヒーを嗜む環境を見事に整備した。
各種器具の共同出資者として、最近私もそのコーヒーを頂戴している。普段からコーヒーをあまり飲むほうではなかったし、豆の良し悪しとか全然分からないけど、その場で挽いたコーヒーはなんだか美味しい気がする。
ソムリエ的なもの
KALDIの店舗に行ったことがある人は、数十種類のコーヒー豆がレジのカウンターのところにずらっと陳列されているのを見たことがあると思う。それを見ると私は、見た目もほぼ同じだし、実際に淹れて飲んでみてもきっと自分には味の違いも分からないんだろうなーと思う。
分かる人にとっては一個一個の違いを説明できるだろうし、だからこそ品種にそれぞれ名前を付けて別の商品として分けて売られている。
「分かる人」のことを世間では「ソムリエ」と呼ぶ。ある特定のものに長年触れ、蓄積された経験則と知識をもってそれらの微小な差を判別することのできる、かっこいい人達のことだ。
私は昔から、ソムリエ的なものへの漠然とした憧れを抱いている。どんな分野にせよ違いの分かる男はかっこいい。
残念ながらまだ私にはソムリエを語るほど経験則を積んできたものはない。違いの分かる男たる要素が無いのである。幼少期からピアノに触れてきたこともあり、他の人よりは少し自信のあった「音感」についても、正月特番の格付けチェックでは、毎年自信満々に予想し、毎年ことごとく外しているのでダメだ。GACKTすげえ。
ソムリエをソムリエたらしめるもの
職人、専門家、オタク、マニア…
「ひとつのことを極めた人」の呼称はひとつではない。これらとソムリエの違いは何だろうか。
人の好みを聞いて、それに合ったものを提案することはソムリエの仕事の一つだと思う。自己完結、自己満足でなく、ただ知識をひけらかすだけでもなく、求められているものにマッチした最適解を提供できてこそのソムリエなのではないだろうか。
一時期、スパイスからカレーを作るのに挑戦していた時期がある。一時期というか、最近できてないだけでまだやる気はある。やる気だけは...。
スパイスカレーは知れば知るほど奥が深い世界だ。スパイスの種類、玉ねぎの炒め方、メインの食材選びなどなど、一生かけてもコンプリートできない程のパターンが存在する。
レシピ見て作ったり、パターン変えて応用してみたり、練習を重ねてゆくゆくは人に振る舞えるレベルまで極めたい。
そうなった時に、その人の好みを聞いて「じゃあ、このスパイスとこのスパイスが合うね」なんて言ってオーダーメイドカレーをその場で作れたらイケてると思う。スパイスカレーソムリエなんていいじゃない。
基本面倒くさがりな私だけど、少しずつ色々な経験を積み重ねて、将来的には、ソムリエ的雰囲気醸し出しジジイになりたい。
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