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ピアノスタルジー

ピアノと私

今でこそギター大好きマンの私だが、楽器を嗜むきっかけとなったのは他でもない、ピアノだ。

幼稚園の頃から某Yピアノ教室に通っていて、たしか小学6年まではレッスンを受けていた。自発的に習いたいと言い出したものではなかったし、楽譜をなぞってちまちま練習するのは正直あまり楽しくなかった。発表会はめっちゃ緊張するし。

そんな私がピアノを弾くのが楽しいと思えるようになったのは、実はレッスンを辞めた中学以降だと思う。中学生になり、弾く機会こそ減ったものの、年一のクラス合唱の伴奏に任命されたこともあり、ピアノから完全に離れたわけでなかった。

思えば私は、クラスメイトからすれば良い伴奏者ではなかったように思う。結構本番間際になっても伴奏に不安があるし、ひどいときは楽譜すら追えておらず合唱練習の進度に支障をきたしていた時もあったのかもしれない。この頃から締め切り間際にならないと尻に火が付かない人間なのだと改めて痛感。あの時はみなさんごめんなさいね。

ただ、私個人としては、合唱の伴奏はやっていてすごく楽しかった。歌が乗るからなのだろうか、それとも音楽の楽しさに気づき始めた頃だからなのか。理由を言葉にはできないが、合唱の伴奏をやっているときにだけ得られる栄養はたしかにあった。

合唱の思い出

弾いた曲をリストアップしておきましょう。

中1:「HEIWAの鐘」
沖縄に関連のある曲らしく、言われてみればめっちゃ音階が沖縄。

中2:「地球星歌」
イントロが個人的にめっちゃ好みで、下手したら今でも弾けるんじゃないかというくらい手が覚えてる。

中3:「友~旅立ちの時~」
ゆずの曲。2番サビ前のパートがむずかった。

人前で弾くときは少なからず緊張するものだが、中3の時は得体のしれぬ自信が緊張を上回り、終始笑顔で弾き通した(なんであいつニヤニヤしてるんだろうと思われていたかもね)。完全にゾーンに入っていた。その時の、目の前の鍵盤、指揮者、歌うクラスメイトの景色はいまだに鮮明に思い出せる。

ギターとピアノ

高校生になった私はいよいよピアノを弾くことがなくなった。コンクールに向けて、とか合唱のため、とかじゃない、完全に遊びで弾く程度はあり、そういうピアノは気楽で楽しかった。ただ、目標もなく弾いていれば当然腕は鈍るし、昔練習した曲などはもう弾けない。

ピアノを弾かなくなった理由として、ギターを弾くようになったこともひとつあると思う。ギターの方が手軽に弾けるし、音楽性の好み的にもギターが弾きたくなるような場面が多かった。音楽性ひねくれ・ギターロック偏愛高校生の私は、もはやピアノを使った楽曲を排除していた時期もあったと思う。

時は流れ、2020年4月。コロナの影響で大学の活動開始が遅れ、外出すらできず、実質何もできなかった時期があった。やることと言えば、だらだらYouTubeを見漁ることである。

その日もYouTubeでMVを転々としていた。するととあるバンドのライブ映像に行き着いた。

österreich - swandivemori Live Video - YouTube


ピアノがかっけえ!!!


ピアノとギターのアンサンブルが絶妙で、虜になってしまった。私の中でピアノ政復古の大号令が宣言された。

同時に、私のクリエイティブ精神が刺激された。自分もピアノとギターがかっこいい曲作ろうと思った。iPhoneの作曲アプリでもくもくと作っていった。自由な時間なら有り余っていたので、わりとすぐ曲が完成した。

…という背景でできた曲がずっと私のスマホの中で眠っていたことを、このnoteを書きながら思い出したので、この場で供養させていただきます。歌なしです。

ピアノスタルジー

プレイヤーではなくなったもののやっぱりピアノの音は好きで、どんな曲であってもピアノの音を聴くと、学校の4階の音楽室から見える景色とか、その音楽室に音楽の授業が始まる前に忍び込んで友達のリクエストを弾いた思い出とか、文化センター大ホールのちょっと眩しすぎるくらいの照明の感じとか、そういうノスタルジーを思い起こさせてくれる。この瞬間がたまらないのである。

この春、私の通うキャンパスにピアノが設置された。駅とかにたまにある、誰でも自由に弾いていいやつ。

おもむろにピアノの前に座ってみた。全然弾けなかった。辺りに曲にもならない雑音を撒き散らした。それでも全然構わなかった。そこにピアノスタルジーさえあれば。

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