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考察!音楽と地域性

バンドのディグをしていると、「○○発!スリーピースバンド」とか「○○出身4人組バンド」的な表現をよく見かける。○○には、京都とか世田谷とか、地名が入る。

この表現ってなんだろうとぼんやり考えていたところ、思ったよりいろいろな方面の事柄に関連がありそうだったのでまとめてみることにした。


出身地は大事なのか? 大事やろ!派

バンドの紹介において、そのバンドがどこの出身なのかという情報はそもそも大事なのか。必要なものなのか。大事派といらない派の両方の意見を考えてみる。

大事派の根拠のひとつは、「音楽文化は地域ごと発展するから」である。日本の事例で言えば、「渋谷系」や「下北系」がその例である。渋谷系は1990年代に外資系CDショップが渋谷に出現したことにより、洋楽エッセンスを取り込んだミュージシャンが次々生まれて起こったムーブメントだし、下北系と呼ばれるバンドの存在は、レコード会社やライブハウス産業が盛んだったことに由来する。

もっとマクロな観点で言えば、カントリーはアメリカ南部、レゲエはジャマイカなど、音楽ジャンルにしてもやはり地域との結びつきは大いにある。

つまり、音楽は地域単位で独自の進化を遂げることがあるため、音楽を語るうえでミュージシャンがどこの出身であるのかというのは当然重要であるという意見は大いに考えられる。

他にも、「地元愛」から出身地を公言している場合も考えられる。ラッパー界隈はここにかなりこだわりがあるイメージ。他ジャンルでも、地元愛を売りにするミュージシャンももちろんいる。ウルフルズが東京出身だったら今ほど売れていないだろう。


出身地は大事なのか? いらんやろ!派

一方で、別に出身とかどーでもよくね?派閥の意見もある。

現代では、音楽アプリを開けば日本の曲もアメリカの曲も、さらには聞いたこともないような地域の民族音楽だって一瞬でアクセスできる。そんな時代に、このミュージシャンは出身がここだからこんな音楽性みたいな見方はナンセンスな気もしてくる。どこに住んでいようが、離れた地のカルチャーを拝借できる時代なのだ。

また、音楽性と地域性に関りがあることを逆に邪魔に感じているミュージシャンもいるかもしれない。活動拠点こそ下北沢だけど、別に下北系バンドの影響は受けてないし、そういう目で見られたくない、みたいなバンドももしかしたらいるかもしれない。それはちょっと天邪鬼すぎるか。


決着

個人的な意見としては、バンドの紹介に出身を含むのは好きだ。カルチャー性が生まれるからね。

カルチャー的な観点以外で言えば、そのバンドがどんな生活圏で暮らし、活動しているか何となく想像(妄想)できるので好きだったりもする。音楽は、人間の生活の延長線上で生まれる。だから必ずどこで生活するかは音楽性に影響を与える。


あとがき

考察ってタイトルはちょっと言い過ぎかもね。触れ込みとかはいいから曲を聴けよってね。バンドというパッケージが好きで、主たる曲を聴くのがないがしろになってる傾向があるかも。

参考文献


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