八頭こほり

山形県在住の絵を描いてる人。アクリル画。たまにデジタル。

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個展「何を見ても何かを思い出す」に寄せて

幼い頃、風景というものは、もたらされるものであった。 自分からは行き着く事は出ないが、誰かに連れて行ってもらって出会うもの、与えられるものであった。 初めて目にした風景は、五感のあらゆる部分から私の中に入り込んできた。 一番古い風景の記憶は、幼少期住んでいた東京都大田区の情景だ。 家族4人で暮らしたアパートの一室、家族で連れ立って行った、鳩がたくさんいる神社の境内、古さの残る街並み、通っていたお絵かき教室。 東京に住んだ後、色々な土地に移り住んだ。 鳥取、また東京、山形、

    • 個展「何を見ても何かを思い出す」スタート!

      ご無沙汰しております。 山形県在住のアクリル画家、八頭こほりです。 本日から個展がスタートしました。 念願の山形県内での展示です! 会場は4年前初個展をさせて頂いた、山形県寒河江市の寒河江市美術館です。↓前回の展示はこちら。 八頭こほり個展 「何を見ても何かを思い出す」開催期間:令和5年9月16日(土曜日)~10月1日(日曜日) 開催時間:午前10時~午後7時 休館日:9月27日(水曜日) 会場:寒河江市美術館 寒河江市本町2丁目8番3号 フローラ・SAGAE 3階 公

      • 個展"I Found You"に寄せて

        生きていくことは痛みを伴う。 痛みとの関わり方は、逃れられない命題である。 肉体的な痛み、精神的な痛み、目に見える痛み、目には見えない痛み、その時だけの痛み、後からジワジワと心身を苛む痛み、痛いと気付いていない痛み、色々な痛みが私の中にある。 幼い頃、私はそれが痛みだと気付いていなかった。 なので、痛いと声を上げることも、痛みをどうにかしようと行動することもなく、人が水中で自然に息を止めるようにして、痛みと向き合うことなくただ時間を過ごした。 しかし、澱のように積もる痛

        • 優しい夜の人たち

          「ママーピンポンだって!!!!」という子どもの絶叫が響いてきたのでインターホンで対応したら、スピリチュアルな方の勧誘だった。 ポストに入れられたパンフレットに目を通す。 スピリチュアルな方々には姉が死んだ時散々嫌な目にあわされたので、ちょっと敬遠したい存在だ。あくまで個人的な意見なので悪しからず。 でも「そういうパンフレット」にはつい目を通してしまう。完全に興味本位である。なになに、手をかざすと宇宙パワーが。 宇宙パワーといえば、昔々バイトしていた居酒屋の先輩「キョウコさ

        個展「何を見ても何かを思い出す」に寄せて

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        記事

          個展が始まります!

          八頭こほり個展“Still Life” 山に囲まれた地で、淡々と静かな生活を送っている。 静かな生活には、小さな喜びがいくつもある。 心の空いた隙間に沁み入るような、暖かさに満ちている。 2021年11月16日(火)∼11月27日(土) 13:00∼19:00 日曜,月曜日休廊 11月23日(火・祝)はopen 現代美術企画画廊アート★アイガ(東京都/八丁堀) 日比谷線八丁堀駅A-5出口1分 2021年制作 「今日のできごと」 F8号(455×380mm) アクリル、

          個展が始まります!

          開腹手術の入院時に必要だったもの

          開腹手術のため2週間ほど入院して、先日退院してきました~ これから婦人科系の病気などで開腹手術をされる方の参考になればいいな~と、入院中必要だったもの、あってよかったものなどをご紹介したいと思います。 というのも、私自身長期の入院は初めてで、入院中必要なもののイメージがなかなか出来ず、同じように開腹手術を受けられた方のブログなどを参考に準備をしておりました。 そんなわけでこの記事が誰かのお役に立てることを願いつつ、以下に記しました。 まとめるのが下手くそで長~くなってしま

          開腹手術の入院時に必要だったもの

          へそで茶を沸かす

          Twitterではたびたび通院匂わせツイートをして、貴重(もの好きとも…ゲフンゲフン)なフォロワーの皆さまには、きっとなんやねんという感じを与えていたことと思います。 ここ数日怒涛のようでなかなか考えていることを整理できなかったので、たどたどしいですが、今の気持ちなどを綴ってみました。 結構赤裸々な内容になってしまったので、絵の事だけでいいかな、やめときます~!な方は回れ右をお願いいたします。 先日、卵巣がんの疑いが高いという検査結果を伝えられました。 近所の産婦人科

          へそで茶を沸かす

          ヒゲの生えた女

          最近「子宮のない自分」を想像する出来事があったのですが、夫に言ったら「ヒゲとか生えるんじゃない?」と言われ心の蔵をグッサリと刺された思いでした。 これは笑うところ?怒っていいのか。ふとアントン子さんとかヒゲのOLが頭に浮かんだけど、めげずに「ヒゲが生えたら今までみたいに接してくれない?」と聞いてしまった。困り顔の夫がそこにいた。 夫は異性愛者なのですが、どこで「異性」の線引きをしてるのだろう。性器かな。 もし私の子宮が無くなったら夫との関係性も変わるのだろうか。 実際、

          ヒゲの生えた女

          個展「エウトピア」に寄せて

          昨年に続いて、今年も個展をさせて頂けることになりました。 個展タイトルは結構前から考えていて、今回は「エウトピア」と題しました。 エウトピアって何?ユートピアじゃないの?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。「エウトピア」は知らないけど「ユートピア」なら聞いたことあるよ、という方はたくさんいらっしゃるかと思います。 「ユートピア」と聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。「理想郷」という言葉に訳されたりもしていますよね。理想郷ってどんなところでし

          個展「エウトピア」に寄せて

          よたよたした神さま

          ここ3年くらい、勧めていただいたアクリル絵の具を使っています。 最終的には油絵具使えるといいよね、なんて話をしながら、気付いたら3年アクリル絵の具を使ってます。 何にも分からず、とりあえず古山浩一さんの「絵画の教科書 アクリル画編」を買って、その本に載ってた「絵具の基本色」を全色揃えて、おっかなびっくり始めました。 古山さんはホルベインを使ってらしたので、私もずっとホルベイン。でもトランスペアレントレッドアイアンオキサイド(ながい)だけはリキテックス。(と思い込んでたけどよ

          よたよたした神さま

          小学生ぶりに映画館で「もののけ姫」を観た感想

          劇場でジブリの名作が再び観れる!との事で観てきました。 劇場で観る利点って色々あると思うのですが、個人的に良いと思う点はこちらの3つ ・大画面で大迫力の映像が見れる ・音楽!声!効果音!小さい音まではっきりくっきり聞き取れる ・集中力が途切れず、お話にどっぷり没入できる テレビだとお手軽に観れるのですが、画面も小さく、音も雑音に紛れやすく、細かな部分を取りこぼしがち。 あと途中でトイレ~とかおかし~とか今日はここまでにすっか~というのがないので、初めから終わりまで集中し

          小学生ぶりに映画館で「もののけ姫」を観た感想

          「エウトピア」に寄せて

          2020年制作 「エウトピア」 F8号  アクリル、モデリングペースト、紙、パネル エウトピア いつもどこかに漠然とした不安があった 早くどこか心安らげる場所に帰りたい どこにいても、そんな切実な思いがあった 私の両親は、私の幼少期から移動の多い人たちであった。 あちこちに生活の拠点を作っては移動する日々で、 慣れない土地、人びと、言葉、あちこちに点在する借り物の住まい そんな根無し草のような生活の中で、私の心と体はバラバラに浮遊しているような状態だった。 し

          「エウトピア」に寄せて

          自分の絵について

          先日の絵画作品の「盗用」に関するツイートを受けて、考えたことを書きました。 読みづらい部分が多々あるかと思われますが、お付き合いくださると嬉しいです。 美術に携わる方にも、アートファンの方にも、そうでなかった方にも、広く知られて議論を醸しているくだんの一件です。 https://twitter.com/ondo_gallery/status/1239860431411273728 私なんぞ無名の者も、例にもれずこの数日悶々とした日々を過ごしています。 チコちゃんに叱られ

          自分の絵について

          「センチメンタル」後日談

          先日、私の初個展「センチメンタル」が終了しました。 ご来場くださいました皆様、気に掛けてくださいました皆様、改めまして、深く感謝申し上げます。 思い返せば、2016年にアトリエミモザのオーナーに「絵を描いて出品してよ~」と気軽な感じのお誘いを受けて始まった作家活動でした。 それまで趣味でデジタルイラストを描いていた私は、予備校時代と大学時代にちょろっと学んだデッサンを思い出しつつ、鉛筆画の小作品を描いたのでした。 調子付いた私は、子どもの頃に祖母から誕生日に貰った水彩色鉛

          「センチメンタル」後日談

          「センチメンタル」イベントリポート

          寒河江市美術館にて開催中の個展「センチメンタル」会期終了まで1週間を切りました。芳名帳を拝見しましたが、たくさんの方にご高覧いただけて本当にありがたく思っています。 先日、9月22日の日曜日にはギャラリートークと公開制作も行って、お客様と直にたくさんのお話をさせていただき、とても楽しい時間を過ごさせていただきました! イベントに参加してくださった皆様、誠にありがとうございました! 今回のnoteは、22日のイベントのアフターリポートという大層なものでもないですが…とにかく

          「センチメンタル」イベントリポート

          八頭こほり初個展「センチメンタル」

          お久しぶりのnote投稿です。 なんとこのたび、地元・山形県は寒河江市、寒河江市美術館で初めての個展を開催させていただくことになりました。今回のnoteはそのお知らせです。 八頭こほり個展『センチメンタル』入場無料 会期:令和元年9月13日(金)~9月29日(日)10:00∼19:00 休館日:9月18日(水) 会場:寒河江市美術館    山形県寒河江市本町2丁目8-3 フローラ・SAGAE3階   (寒河江駅より徒歩5分) 【イベント】予約不要・無料 ギャラリートーク:

          八頭こほり初個展「センチメンタル」