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【インターネットと政治】「海の勝利」とも「陸の勝利」ともつかない都知事選

2024年度都知事選の決着がつきました。

この結果については、こういう分析も。

また、こういう分析も。

私もX(旧Twitter)では暇空茜氏にブロックされてきた口なので特別この人を擁護したくなる立場ではない上、たまたま石丸伸二氏の選挙演説会場設定に立ち合って支援スタッフのレベルのあまりの高さに驚かされたクチ。おそらく初見の場所だろうに、点字ブロックを含む通行導線を塞ぐ事なく最大集客を達成する地点を瞬く間に見定め、スタッフを効率良く動かして数千人の聴衆を難なく裁くその様子は熟練のゲリライベント主催者とか、野戦司令官の域に達していたのです。さらに昔選挙運動を手伝った経験から、この調子で在地有力者の抑え込みも着実に遂行されてる事も容易に推察され「選挙のプロフェッショナルの凄味」を改めて思い知らされた次第。

  • そういえばこの世界には「これさえ導入すれば、選挙運動に手抜かりなし」といわれる得票管理アプリも存在する筈なのですが、今回立候補した泡沫候補は、それを使ってる形跡も感じられないタイプが大半でした。そして、この観点から改めて、そんな石丸氏にそういったバックアップなしでここまで迫れた暇空氏の凄味を感じたという次第。

ここで仮に、そういう従来型のドブ板選挙を「地上戦」、インターネットにおける展開を武器とする新しい戦い方を「海戦」に擬えるとします。

インターネットの普及が選挙運動にもたらす良い効果と悪い効果について、それぞれ3つずつ挙げます。

良い効果

1. 広範囲への情報伝達: インターネットを活用することで、候補者のメッセージや政策を迅速かつ広範囲に伝えることができます。特にSNSやウェブサイトを通じて、地域を超えて多くの有権者に情報を届けることが可能です。

2. コスト効率の向上: インターネット広告やSNSの活用により、従来の選挙運動(ポスター、チラシ、テレビ広告など)に比べてコストを抑えながら効果的に有権者にアプローチできます。オンライン広告はターゲティングも容易で、効率的な選挙運動が可能です。

3. インタラクティブなコミュニケーション: ソーシャルメディアやオンライン討論会を通じて、有権者と直接対話することができます。有権者の質問や意見にリアルタイムで応答することで、信頼関係を築きやすくなります。

悪い効果

1. フェイクニュースや誤情報の拡散: インターネット上での情報は拡散力が強いため、フェイクニュースや誤情報も瞬く間に広がる可能性があります。これにより、有権者が誤った情報に基づいて投票行動を行うリスクがあります。

2. 過激な言論や中傷の増加:  匿名性の高いインターネット上では、候補者やその支持者に対する過激な言論や中傷が増える傾向があります。これにより、選挙運動がネガティブな方向に進む可能性があります。

3. デジタルデバイドの影響: インターネットにアクセスできる人とできない人の間で情報格差が生じることがあります。特に高齢者や経済的に恵まれない層ではインターネットの利用が難しい場合があり、その結果、情報が届きにくくなることがあります。

ChatGPTに質問「インターネットの普及が選挙運動に与える良い効果と悪い効果を3個ずつ挙げてください」

咄嗟に思い出すのが、ペルシア戦争(紀元前492年~紀元前449年)における「サラミスの海戦(紀元前480年)の英雄」アテナイと「プラタイアの戦い(紀元前479年)の英雄」スパルタが衝突したペロポネソス戦争(紀元前431年~紀元前404年)。

これは名目上「陸の強国」スパルタの勝利に終わり、それについてアテナイ側は「勝てる戦をソクラテスの弟子達の暴走によって落とした」と考え、ソクラテス処刑という結末を迎えたのは有名な話ですね。

久保正彰「暴力以前――ソクラテスの問い――」(1969年)

この小論が書かれた1969年に意味がある。

東大安田講堂が陥落したのが、1月19日。明くる20日「安田講堂前に視察に現れた、佐藤首相、坂田文部大臣らは、廃墟の前で、一様に涙をこぼした。むろん、それは近代日本百年を支え、かつ彼らの母校である、東大の有様に悲嘆にくれたゆえではない。ましてや、傷つき逮捕された全共闘系学生への同情からでもない。P型催涙弾5000発に含まれた50キログラムのクロロアセトフェインの残滓に涙腺を刺激されたにすぎない」(『犯罪の昭和史3』p.172)

安田砦の攻防を横目に、東大助教授によってこの小論が書かれていたと思うと、万感胸に迫るものがある(^^ゞ

上掲「暴力以前」紹介文

これ自体は「学生運動の統括」として有名なディスクールですが、都知事選全体の結果は現職小池百合子の圧勝だった事も勘案すると、思い出す最良のタイミングの一つかもしれません。「まだこのレベルの統括にも達していない人もいる」という次元の話ですね。

とり急ぎメモがてら。現段階ではこの考えをそのまま進めるか、一瞬の思いつきで終わらせるかも決めかねる状況。そんな感じで以下続報。

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