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未来にむけて歩くとはどういうことか。(2021年3月7日(日))


今編んでいる三國万里子さんのストールは、やはり今の私には難易度が高く、目を数え間違えて解く時に土台になっているそのすぐ下の段も一緒に解けてしまい、そうしてこれまでに私のかけた時間が、何度も何度も溶けて消えてしまうのです。

昨日に引き続き今朝もまた、溶ける現象が起きてしまって、「これは気持ちを切り替えねば」といつもの温泉に出かけ、そしていつもの喫茶店に出かけ、まずは針から糸を外して(これすらひと仕事)。

糸からひとまず手を離し、コーヒーを飲みながら外を見ているうちに、なぜかしら、3日前から読んでいる竹田青嗣さんの『現代思想の冒険』の序章に「時代や歴史がそれまでに織り上げていたあらゆる<世界観>に対するひとりの思想家の格闘の痕跡」が刻印されていると直観してしまうからこそ思考は難解だと思われるとあったのを思い出しました。たぶん、「格闘の痕跡」というキーワードからこれが浮かび上がってきたのでしょう。

このストールが出来上がった時、私以外の人の目には、ここに「格闘の痕跡」があることなど見えないのだと思います。でも私にはきっと「格闘の痕跡」の塊にしか見えないだろうし、これをまとった時に、とんでもない自己肯定感に包まれるのだろうとも予感するのです。

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