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『中国国内の移動ー内なる他者との邂逅』

2023年12月17日の学会発表が終わった後、友達に誘われて梅田駅の近くにある本屋へ入った。そこで、この本に出会った。この本は、私にとっては馴染みのある内容であるが、買う気持ちにはならなかった。

しかし、友達が私の気持ちを読み取れたようで、その場で買ってくれた。実は嬉しかった。私自身より友達の方が私の専門分野に高い関心を持っているようで、研究上においては、いつも私の背中を押しながらさまざまなアドバイスや提案をしてくれる。

この本を買ってから、ほぼ毎日カバンの中に入れて、電車に乗るときや寝る前に読んでいた。読み始めたら、一気に興味が湧いてきて、文化人類学の分野に対する理解も深まった。それから、本書の中に取り上げられた中国国内の少数民族の人々の生活世界についてもイメージしやすくなった。さらに、文化人類学という学術分野において、具体的な論文の構造及び扱う内容の範疇について最も参考になった。

この本は約300ページもあり、全部で10章ある。1章ごとに中国の一つの地域を取り上げているので、その地域で生きている人々の生活社会を外から覗いているような気がした。その地域の言語、文化、社会、習慣、行動様式など全部把握できるようになり、まるで一つの異文化社会との邂逅になるような気がする。そして、その地域でさらに多様な外部者がいるため、まさに多文化多言語社会で生きる私たちにとって、そこでどう生きるかという示唆を示してくれたと思う。

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