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パスポート所有率17%の衝撃

17%。この数字が日本人のパスポート所有率だということに果たして何人が納得するだろうか。「ヘンリー&パートナーズ(H&P)社」は、ビザなしで外国への渡航が可能な国の数を「パスポートの強さ」とした調査を定期的に行っており、2023年1月に行った最新の調査結果では「日本のパスポートが世界最強」と評され、ビザを取得することなくパスポートのみで最も多くの国へ渡航できる国は日本とシンガポールであると紹介されている。*1
それにも関わらず、日本人のうち17%しかそもそもパスポートを持っていないのだ。ということは実際に海外を見ている人はもっと少ない。コロナ禍や円安で減少した傾向はあるが、2019年でも23.8%と、4人に1人も持っていないという状況だ。
日本は島国であり、歴史的にも鎖国時代があったりした影響か、海外に対して興味を持っている人が少ない気がしている。ビジネスをする際にも基本的に国内のマーケットに取り組む以上は日本語が言語になり、諸外国への意識は向きにくい。しかしながら、この状況は非常に危険だと思っている。
すでに周知の通り、日本は今後少子高齢化による人口減少がますます進んでいく。そして、それに伴い労働力が減るだけではなく、国内の人口による消費も減少していく。その一方で東南アジアを始めとした諸外国ではまだまだ経済が成長過程にある。日本はGDPではまだ世界3位だが、それを1人あたりGDPで見ると27位だ。*2 そしてこの順位は年々下がっている。
これらの事実にも関わらず、日本在住の人、とくに高齢者の中には日本が未だトップの先進国の1つであり、東南アジアの国々は日本を見習うべき発展途上国であるという勘違いをしている人が多いことには驚かされる。かつては東南アジアの若者に取って日本が出稼ぎ先であったことは事実だが、それは変わってきている。言語学習コストが高いにも関わらず給料が安く割に合わないからだ。直近の東洋経済では「日本の部長は「タイより年収が低い」の衝撃的事実」という記事が話題になった*3が、これは事実だ。日本は30年平均給与が上がっておらず、安い国になっている。稼ごうと思ったら東南アジアの方が稼げる可能性が十分ある。
こういった事実を目で見て確かめるためにも、パスポートを持って海外を見に行くべきだ。有名人のブログでも海外旅行に行って戻ってきた結果「日本が安すぎて衝撃を受けた」という感想を見にすることが多くなった。海外が高いのではなく、日本が安いままなのだ。実際に海外に行ってその目で体験したほうがいい。日本は現状維持を好んでいるが、海外は凄まじいスピードで進化している。これから先の世界で生き残って豊かになりたければ、海外を知ろう。
 
 
*1: https://esta-center.com/passrank/index.html
*2:https://honkawa2.sakura.ne.jp/4540.html#:~:text=%EF%BC%91%E4%BA%BA%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8AGDP%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%EF%BC%91%E4%BD%8D%E3%81%AF%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%80%81%E7%AC%AC,%E3%81%AF27%E4%BD%8D%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82
*3: https://toyokeizai.net/articles/-/668340
 

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