悩ましい性自認

ずっと書いておきたいなあと思いながら、書きづらくて書けなかったことを思い切って書きます。

性別の種類と性自認について

「性別」には複数のカテゴリがあるそうですね。曰く、
・肉体の性別
・精神の性別
・社会的役割の性別
・服装の性別
があるとか。これらはすべて完全に一致している人は少ないらしいのですが、すべて一致していることが前提の社会になっており、どれか不一致の項目があると生きづらい世の中です。

それに加えて、
・性的指向(恋愛対象とする性別)
というものがあります。これは前述の性別と逆の性別を対象とする人が多く、そういう人は「異性愛者」と呼ばれます。逆に肉体や精神などの性別と同一の性別を対象とする人は「同性愛者」であり、社会の中では少数派とされます。

性自認とは、それら性別の自己認識のことです。

自分の性別と性自認

私の場合の各種性別・性自認を書いてみたいと思います。

肉体の性別:女性
 これは動かしようのないものですね。

精神の性別:男性
 長年悩んできましたが、どうやら自分の精神的な性別は男性のようです。自分の肉体が女性であることの気持ち悪さがあることや、子供が欲しかった時期に「誰か女性が自分の子を産んでくれないか」と思っており自分が産むという発想は微塵も浮かばなかったこと、セックスにおいて男性的役割を無意識に望むこと、性欲の対象が主に女性であり男性には同性愛のような嫌悪感を抱いてしまうことなどが理由です。

社会的役割の性別:どちらでも構わない
 私は社会的な役割(ジェンダー)に対する希望がさほど強くなく、女性であっても構わないと思っています。男性扱いをされるととても嬉しいのですが、長い間女性として社会で生きており慣れているので、女性扱いでもまあそんなもんだよなという風に(諦め半分ですが)受け入れています。
 なお、私はトイレへの違和感がないのですが、トイレの区分けは社会的性別に当たると考えております(文化によって変わるもののため)。

服装の性別:今は女性
 一時期、女性として生きることが負担であった時期に男装をしていたことがありますが、今はレディースファッションを着ています(ただし胸はトラシャツで潰しています。乳房は自分にあるべきものでないと感じます)。しかし最近は少しボーイッシュに変えようかと思っています。

概ねこのような認識でいるのですが、上の方にも書きましたが
性的指向(恋愛対象とする性別):女性
なので、肉体から見れば同性愛者、精神から見れば異性愛者ですね。

長年、自分の性自認がはっきりとしませんでした。恋愛や性欲の対象になるのは女性が大半だけれど、トイレは女性のもので違和感がなく、服装も女装したり男装したりですが女装に抵抗があるわけでもないので、「女性で同性愛者なのかな?」と思っていた時期もかなり長いです。

ですが、どうも女性を同性だとは思えないのです。私は一般的な女性の感受性に共感できず、特に性や恋愛の面では女性感覚には全然なれないのです。例えば女性によくある考え方では「一度別れた恋人には二度と関わらない」「付き合ってる男性にはAVを見たり風俗や水商売に行ったりしてはほしくない」というようなものがあります。それに対して男性は「別れた恋人でもあとあと何度も関わってしまう」「付き合ってる相手がいてもAVを見たり風俗や水商売に行くこともある」という人が多いかと思うのですが、私は男性側のほうに大いに共感しますし、女性側に対しては首を傾げてしまいます。

しかしながら肉体が女性であること、社会的に女性として長く生きていること(私は34歳です)を考えると、男性が同性とも思いきれず、そこが難しいのですが……恋愛対象として男性を考えるのは私にとってはしんどいことで、自然と性欲や恋愛の対象となるのは女性です。男性に憧れることもありますが、それは「自分もああいう男性になったら女性にモテるだろうなあ」というような「自分もそうなりたい」という憧れであって、「こういう恋人がほしい」という憧れではないのです。

自分と同性の人たちは「男の娘」

女性も男性も同性感覚で見られない私ですが、唯一同性だと思えるタイプの人たちがいます。それは「男の娘」という、女性と見間違うようなメイクや服装をした男性たちです。FtM(肉体が女性で精神が男性の性同一性障害者)は、私はあまり同性という感覚になれません。彼らは男性として社会で生きたい人たちだからかもしれません。

男の娘たちは、「自分は男だけど可愛い女性の格好をしたい」という人たちですが、私は彼らにとても親近感を覚えます。しかし彼らからは私は同性とみなしてもらえないでしょう。肉体が女性であるからです。そう思うと、私と同性の人はこの世にいないかもしれないな、と思ってしまいます。

性同一性障害なのか

自分が性同一性障害なのではないかという悩みも長年抱えてきました。診断を受けに行きたかった頃も数年あります。ですが、今は考えていません。

それは、今は「私の心は男性だけど、社会的な性別は女性でもいいし、服装も女性でいいから、身分証明書に女性って書いてあっても社会で女性として扱われても耐えられる程度のつらさだ」と思うからです(つらいにはつらいです。正しくないので)。

本当に性同一性障害だという方々は「社会的な扱いを変えたい」「身分証明書に正しい性別が記載していないと使えない」「各種届出で正しい性別を使用したい」「正しい性別に見合った名前に改名したい」などというような希望を持つ方が多いですが、私はそれほど苦痛はありません。名前については、白崎やよいはペンネームでありどちらかというと女性の名前ですが、本名は「男でも女でも通用する名前」と名付けてもらったもので男性にも使われている名前なので、幸いにもあまり抵抗がないのです。

しかしながら自分の肉体に望むこととして、
・男性のような低い声を出したい(喉仏がほしい)
・乳房を取り除きたい(平らな胸が理想であり膨らんでいると醜い、自分にあるべきものではない)
・筋肉質な男性らしい肉体がほしい
・男性同様の生殖器がほしい(つまりペニス)
などがあります。そのためには「診断」と「治療」が必要になってきますが、地方の田舎に住んでいますので診断すらままなりません。

声と乳房除去だけでも、と思うのですがそもそもが診断を受けることが困難で、診断可能で地元から近い病院には数年申し込んでいたのですが一向に受診できないので、いっそ遠方の病院を検討したほうが……と思うと「そこまですることでもない気がする」と思ってしまいます。成人式のときに着物用下着で胸が平らになったときに例えようもない幸福感を感じ、「これが自分の本当の姿だ」と思いました。乳房除去だけでもできたら日常生活がかなり安らかなものになるだろうと思います。ですが、現時点では様々な理由で難しいですね。

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