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雑記 853 赤いスイートピー

春色の汽車に乗って、、、と歌い出された
「赤いスイートピー」。松本隆作詞。
メロディーの滑らかさや美しさを耳が追って、
当時はあまり深く考えず聴いていたが、
今、歌詞を読み返すと、
この娘は、親が知らないところで、相当危険スレスレの恋愛をしているようだ。

タバコの匂いのするシャツを着る男と、春色の汽車に乗っている。
日帰りのお出かけとは思うが、
その男のことが好きなのである。
男は優柔不断というようなことを言っているが、
何が優柔不断なのか。

あれから40年以上も経てば、
いくら私が当時ぼんやりであったとしても、
今は分かる。

半年経っても手も握らない
とか、
時計を見る
とか。
いくら昭和の男が控え目であったとしても、
嫌いでなく、会うことも断らないとしたら、
何か、この彼には、この娘といることに、
ブレーキになっていることがある、と私は考える。
もしかしたら不倫。

当時これを聴き、歌い、聖子ちゃんに熱中した人々は知っていたのか。
うーーん、それは、ちょっと自分がアホだったな、と思う。

自分が、想像力の乏しい人間であったことは、事実だが、40年遅れをとって、この歌の、未成年(多分)の女の子の危うい恋愛感情、というものに、やっと辿り着いた。

1月のスイートピーの日の少し前から、
歌に歌われるのだから、赤い色のスイートピーもあるのだろう、と思って、探していた。
今日も日比谷花壇で、
一般の色のスイートピーとは、反対側のブロックの隔離された場所で、赤に近いスイートピーを見つけ、
近寄ってみたら、

染めレッド

とわざわざ書いてあった。
それが品種名なのか、染めた、ということなのか。

ブルーの薔薇があるくらいだから、
赤い色のスイートピーも、品種改良されて出来ているかも知れないけれど、松本隆が作詞をした当時は、赤いスイートピーはなかった。

あるはずのない「赤い」スイートピーを歌詞に書いて、
ただ知らなかっただけなのか、
花なんだから、赤もあるさ、と思ったのか、
この「赤い」という色に何かを暗示させたのか。

今頃、謎。

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