雑記 119 花の下にて春死なむ

画像1 願わくは 花の下にて 春死なむその如月の 望月の頃(西行)。この歌が詠まれたのは1190年2月(旧暦)で、年齢から言って西行の辞世の句ではないと言われる。ソメイヨシノはエドヒガンザクラとオオシマザクラの交配種で時代的には江戸以降だから、この場合の桜はヤマザクラである。だが、桜の種類が何であるにしても、西行がまだ死からは遠い年齢にあった時の歌であるにしても、満月に照らされた満開の桜の下で旅立ちたい、という望みは幻想的で切なく、人々の願望を見事に文字にしてくれて、西行はやはり秀逸な歌詠みである。
画像2
画像3 西行がため息をもらしたヤマザクラの良い写真があると良いのだが、それはもっと山の方に行かないと写せないだろう。機会があれば。
画像4 京都地方気象台は26日、京都で桜(ソメイヨシノ)が満開を迎えたと発表した。平年より10日早く、記録が残る1953年以降で最も早い満開という。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?