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注意されると逆ギレする謎

嫌いな勉強を先延ばしにする娘

昨年コロナで、娘の高校が春休み前に突如休校になった時のことです。進級テストを自宅でやらされるハメになったのですが、勉強が嫌いな娘はテストが昔から大嫌い。計画的にすることが出来ない為、ずっと問題になってきました。

進級テストの必着日からすると、月曜には返送しなければいけません。高1なので任せたいところでしたが、過去の経験から立ち合うべきと思ったのが間違いでした。その日は金曜日、娘はやはりすぐにはせず、ぎりぎりの日曜と月曜に分けてやると言ってきました。

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私:「月曜にするなら、ママは朝から市役所に行かなきゃいけないから、テストは午後になるけど。お昼までには帰れるとは思うけど、分かんないし、郵便局が閉まるまで余裕ないけど、そんなぎりぎりで大丈夫?」

娘:「大丈夫って、何が?別に大丈夫でしょ。」

私:「何かあったら出来なくなるでしょ?」

娘:「何かって、なに?」

私:「それは、分かんないよ。要はギリギリじゃなく、もっと早く終わらせた方がいいんじゃないって言ってるの。」

娘が嫌な顔をして黙り込んだので、これ以上は無駄と諦めました。

私:「じゃあ、いいや。あなたが決めたんだったら、いいんじゃない。日曜と月曜にやって、月曜の夕方、郵便局に出しに行くのね?」

娘:「うん」

そして月曜日、その「何か」が起きました。離婚後の手続きで、朝から行っていた市役所から私が帰れたのは、なんと3時半過ぎでした。

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私:「遅くなってごめんね!テストすぐやるよー!」

すると、思いもよらない返事が返ってきました。

娘:「ちょっと待って。」

私:「え、なんで?今すぐやらないと間に合わないよ。」

娘:「まだ勉強してるから、もうちょっと待って。」

私:『家に着く時間を予めLINEで報告してたのにどういうこと!?』

と、思いながらも叱らず、「時間ないから早くー!」と声をかけるも反応なし。

私:「郵便局5時で閉まっちゃうから、今やらないと、間に合わないよ。」
当たり前の事を言ったつもりでしたが、彼女の頭からその情報は消えていました。

娘:「え、郵便局閉まるの?そんなの知らない!」

私:「知らないって、郵便局が閉まるの、当たり前じゃない!? 何言ってんの⁉︎」

娘:「知らないから、知らないって言っただけじゃん!」

娘が怒鳴ってきましたが、私はこの時、冷静に「今やらないなら、今日はもう間に合わないだけです。そして、これ以上ママは何も言いません」と言って黙りました。

しばらくグッと堪えてそのまま待つと、娘が黙ってテストを始めました。嬉しかったです。『よかったあ!後は封筒に宛先を書いて出しに行くだけ。ギリギリ間に合う!』心の中でそう喜んだのも束の間、次の宛名書きで、また問題が起きたのです。

昔の私だったら、彼女の代わりに宛名を書いてあげていたところですが、そういうことが誤学習に繋がることが分かってからは、できるだけ自分でやらせるようにしていました。

4−11の読み方

宛先をほとんど書いたことがなかった娘は、学校の番地4ー11の11を十の位と一の位を縦に分けて書いていました。

どういうことかというと、4の後ろに縦棒が3本縦に並んでいて、どう見ても、4ー11(じゅういち)には見えません。間に合うかどうかの瀬戸際に笑っている余裕はありませんでした。

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「何それ?違うでしょ!?それじゃ、じゅういちに見えないよ。普通、そんなふうに書かないでしょ。何やってんの、早く直して!」驚いて動揺した私は、早口でまくし立て、娘は怒って動かなくなりました。

まずいと気づいて言い方をすぐ優しめにしたりしましたが、彼女は「そんなの知らないもん!」と頑として動かなくなり、結局テストはその日の郵便に乗せることができませんでした。

娘側の真実

その後、落ち着いた娘と話し合って分かったことはこうでした。

番地の読み方は人や事情によって変わる
家の番地456−3を「よんごうろくのさん」と私が読んでいたのを聞いて覚えていた娘は、学校の番地4−11も「よんのいちいち」と読むと思い、その通りに書いただけだと言うのです。

確かに番地の読み方には、決まったルールがありません。なぜ読み方が変わるのかと聞かれ、「人によっていろいろで、言いやすいとか相手に伝わりやすいようにとかで、変えて読んでると思う」と言うと、「そっちの方が分かりにくいわっ!」と娘は泣きながら、怒っていました。

社会の暗黙ルールは、発達障害の人にとって、確かに曖昧で分かりにくいのかもしれません。けれど、間違いを指摘されて、不機嫌になったり怒ったりする行為は、辞めなければいけません。。

と言っても、すぐは難しいので「責めてるんじゃないよ」「指摘されて、あなた今怒ってるよ」「怒らないで、人の言うことを素直に聞けるといいね」など、できるだけ感情的にならないよう地道な声がけを続けた結果、娘は以前のように激しく怒らなくなっています。

ただ、何度も繰り返すので、こちらも何度も指摘することになり、それがまた彼女の怒りに繋がるなど、やはり家族のサポートは、その時だけの限定的なサポートと違い、負担が大きいことは確かです。

逆ギレの考察
娘は今回も、自分でテストを先延ばしにしたことなどを棚に上げ「間に合わなかったのは、ママがずっとうるさく喋ってきたからだ!」と怒鳴ってきました。

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どうしてこうなるかというと、彼女はそもそも間違いを素直に受け入れることが苦手で、注意されると頭の中にあったものが消え、固まってしまうので、話しかけてきた相手が悪いと考えてしまうのです。原因と結果を正しく繋げることが難しく、考えも幼いなど色々複雑に絡んでいるのでした。理解に6年掛かりました。

『ママに注意され、急かされたせいで、自分はパニックになり動けなくなった。だから、(テストを)送れなかったのはママのせい』と娘が言うのは、ある意味合っているのですが、そもそもの原因は先送りしたことです。あるかもしれない何かを予想するのも苦手なので、先にやってしまおうとならないのでしょう。

因みに、元夫はどんなに冷静に話しても分かってくれず、気が狂いそうになりましたが、そこは違って、娘は落ち着いた時に話すと分かってくれるので、これでもまだ救われるのでした。


追記:インスタにも、記事のイラストだけあげているのですが、今回画像だけで軽く内容が分かるようにしてみました。結構時間が掛かったので、毎回は無理かもしれませんが、ご興味がある方は覗いてみて下さい。
https://www.instagram.com/yayako4no/

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