【考察】SNS無しで書店にだけ本を卸す?それとも突発本を出す?【副業で同人活動】

今回の記事は当noteサポートよりお題を頂戴しましたので、それについて深堀り考察をしていこうと思います。

お題は大きく分け2つ。

1.Xやpixivの運用なく書店にだけ本を卸して収益を得ることができるか

2.ジャンル移動せず既存のアカウントのまま単発1冊だけ他ジャンルの本を出すとどうなるか

上記2つです。

昨今の旬ジャンル「ゲ謎」。
別ジャンルで活動を継続してるけど、ゲ謎の突発本を1冊出してみたい!と考えてる同人女も現在たくさんいるかもしれません。

その際にXやpixivアカウントは既存のまま、新規アカウントは作らず、ゲ謎本の告知をしていいものだろうか?

もしくはXやpixivでの告知は全くしないまま書店にのみゲ謎本を卸したらどうなるだろうか?

具体的に言ってしまえばこのような内容です。

ある程度同人誌を発行することに慣れている人であれば、もしかしたら過去考えたことがある事かもしれません。
私YAYAも考えたことがあります。

これらを以下ひとつずつ、考察していこうと思います。




1.Xやpixivの運用なく書店にだけ本を卸して収益を得ることができるか


SNSでの告知なく、書店にだけ本を卸しているサークルを皆さんは見かけたことあるでしょうか。

私YAYAは直接見たことはありません。
なので、その効果の程は完全に推測となります。

ただ、これに関連して1年位前でしょうか「人気サークルの名前をわざと真似し、かなり薄い本を制作、それを高い価格を付け書店通販で売る」という若干詐欺まがいな事件が起こったことは記憶に新しいです。

この様な悪質な発行の仕方は許されるべきではないですが、逆に言えば「騙された人がいるということはSNSを詳しく見ずに書店サイトのみを見て通販した人が実際いた」のだと考えられます。

旬ジャンル/旬CPとなればSNSを追うのと並行して、書店サイト上でCP名を日々検索している熱心な買い手さんもいることでしょう。

また、お気に入りのサークルはこまめにチェックしているという買い手さんもいるので、SNSでの告知がなくとも気付いてくれる人はいるはずです。
(サークルページを新規で作り直す場合はこれには該当しません)

きちんとサンプル画像/ページ数を書店サイトに載せれば悪質発行ではなく「真っ当な発行」なので「ある程度は売れるのではないか」と考えられます。

けれどもやはりXやpixivで告知をした方が売れるでしょう。
その辺り「多少機会損失があっても書店だけでひっそりと頒布したいな」と割り切って考えられる人は試してみても良いのかもしれません。

「誰にも本出したことバレたくない!」「知り合いや現ジャンルの人達には絶対バレずに売りたい!」というのは(とくに漫画であれば)難しいと思います。
これはXやpixivのアカウントを分けたとしても、人気のあるサークルであればあるほどバレます。そのリスクは覚悟しましょう。

小説サークルの場合であれば「サークルを新規で作り書店にだけ本を卸す」「Xやpixivのアカウントを分けて書店のみで本を出す」ことをすれば漫画サークルとは違いほぼバレません。
バレる場合はよっぽど個性的な文脈を普段から創り出しているサークルだと言えます。



2.ジャンル移動せず既存のアカウントのまま単発1冊だけ他ジャンルの本を出すとどうなるか


「映画を見て萌えた!」という形で移動ではなく単発1冊だけ本を出す、ということも昔からままあることだと思います。

私YAYAは上記1の「書店にだけ本を卸す」方法をするくらいなら、こちらの方法を推奨します。

もちろん中には意地の悪い人から「旬ジャンルの本だしてお金儲け目的だ」「175してる」と言われることもあるかもしれません。

ですが1の「書店にだけ本を卸す」場合で身バレするより、いっそこちらの「移動ではなく単発1冊だけ本を出す」方が潔い印象を多くの人が受けるのではないでしょうか。

現在、ゲ謎は空前の大ジャンルになろうとしています。

来年のオンリーイベント申し込んだ!だの、pixivで作品読みまくってる!だの、週末も入村してくる!だの、たくさんの人がX上では盛り上がっている状態です。

ここまでたくさんの人で盛り上がれば「ゲ謎で突発本出しても許される」空気が形成されつつあります。

なぜ許される空気になるのかというと、おそらく突発本出すサークルが今後数か月で山のように増えるからです。
100サークル、1000サークルが突発本を出す流れになってしまえば「ゲ謎で突発本出すのは普通」となります。

残念なことですが同人女の世界は「目立った者は叩かれる」風潮がどうしてもあるのが現実。

今2023年12月現在「突発本出します!」と行動を起こせば叩かれるリスクもあるかもしれませんが、来年の3月5月に言えばおそらく多くのサークルが同じ行動をとるので悪目立ちすることはないと推測しました。

ただし、皆が出すタイミングで本を出すと埋もれてしまうというデメリットはあります。

叩かれる(目立つ)リスクをわかった上で早めに突発本を出すのか、皆が出すタイミングに合わせて突発本を出すのか、選択を迫られることになります。

これに関しては過去記事「【二次創作】旬ジャンルを見ていると移動したくなる?【お悩み解決】でも触れているので、参考にしてみてください。



3.どちらの場合にも共通して言えること


結局のところ、私YAYAの結論は「誰が、どのサークルが、本をどのように出すのか」が肝なのだと感じています。

書店のみにひっそりと卸す場合でも、突発本を出す場合でも同じです。

コナンでも本を出し、ツイステでも本を出し、呪術でも本を出し、スラダンでも本を出し、今回のゲ謎でも本を出せば「うわ…」と思われるでしょう。
それに反して、10年以上前のジャンルで現在も活動を継続しているサークルがゲ謎本を出しても「うん、いいんじゃない」と思われると想像します。

現在誕生日席~大手壁サークルがゲ謎を出せば「あの人も旬行ったか」と思われるでしょう。
それに反して、現在島中サークルで総部数50部いくかいかないかの活動をしているサークルがゲ謎本を出しても多くの人はそれを認知しませんし、良い感情も悪い感情も抱かれません。

新刊がゲ謎本のみ、現ジャンル/とってるスペースジャンルでの新刊は無し、だと「え…そうなんですね、ありがたいけど…(それならもうゲ謎に移動すれば?)」と思われるでしょう。
それに反して、突発本でゲ謎本はあるけどコピーで16ページ、現ジャンルの新刊はオフセット44ページ、だと「いいですね!両方いただきます!」と言われると想像します。

3ヶ月に1冊以上同人誌を頻繁に出すサークルがゲ謎本で新刊2冊出すと「すごい、すごいけど、なんかガツガツしてるな」と思われるでしょう。
それに反して、1年に1冊本を出すか出さないかのサークルがゲ謎本を出しても「今回はゲ謎なんですね、いいですね」と思われると想像します。

この微妙な感覚、解っていただけるでしょうか。

もちろん、感じ方は人それぞれだと思いますし、あくまでも上記の例は私YAYAの想像の範囲内ではあります。

「誰が、どのサークルが、本をどのように出すのか」なのです。

ゲ謎にジャンル移動することが悪というわけではないのです。

ゲ謎本を出すことが悪というわけでもないのです。

「匙加減」です。

二次創作同人は、お金の臭いをさせると嫌われます。

「今私萌えてるから推しCPのことだけを考えてるの!」というハッピー思考の人がいたとしても、そこに知能や想像力がある限り「あの人めちゃくちゃ売れてるな、いくら位儲かったんだろ」と連想してしまうのが人間の大人です。

そしてその連想からアンチや嫉妬を飼ってしまうのです。
175サークルが忌み嫌われる理由もここにあります。

これは残念ながら未来永劫変わりません。

「YAYAさんが守銭奴だから過剰にそう思ってるだけじゃない?考えすぎだよ、移動のことなんて多くの人は気にしてないよ」と言われてしまうかもしれません。
私YAYAも数年前まではそう思っていました。

けれども、現実は想像以上にシビアで、私以上にお金のこと考えてる人はたくさんいた、と痛感した経験が多々ありました。

不景気や物価高から、昔(数年前)よりも同人誌の値段やその売上、印刷費用のことを考える人たちも増えたと思っています。

それは、誰が悪いという話ではなく、しょうがないことです。

同人の世界、特に女性向け同人の世界では、お金の話題やお金を連想させる発言は表面上タブーとされています。

頭では皆お金の事を多少は考えてるのに、それを正直に発言すれば問題視されるのです。

だからこそ昨今Xで同人誌の売り上げ金額を完全明記したポストが炎上したのです。(この炎上に関しては今後軽く記事にしようと考えています)

話を戻します。

あなたが今、どのジャンルで、どのような活動方法で、どのくらいの規模のサークルかによって、ゲ謎本を出す「最良の出し方」は変わってくると思います。

問題なくそのままのサークル名でジャンル移動できる立場の人もいるでしょうし、サークル名やアカウントを新規で全て取り直すサークルもいるでしょうし、突発本のみに留めるサークルもいるでしょうし、ゲ謎は無料で読めるXとpixivのみに留める(お金ではなくファンを増やす目的にする)という判断をする人もいるかもしれません。

この記事を読んで頂けてる方々に全員に向け「この方法が最適です!全員やってみてください!」とは残念ながら言えません。
人によって発行するための最良方法が異なるからです。

自分はどんな立場なのか、自分は今までどのジャンルを通ってきたのか、発行ペースはどんな感じなのか、自分のファンは今ゲ謎にハマってる人は多そうなのか、多角的に身の回りをリサーチし各自自分にとっての最良を見つける必要があるのです。

この辺りは同人歴が長い人ならば感覚的に「私の立場ならこうしとこう」と解る人も中には居ることでしょう。

書店のみに卸すのか/突発本を出すのかを考えるよりもまず先に「自分の今このサークル、どんな方法でゲ謎作品を出すのが一番の最適解か」を考えるのです。

そしてその答えの先に、書店のみに卸すのか/突発本を出すのかの答えがあると考えています。

────────────────

いかがだったでしょうか。

今回は非常に考えさせられるお題を頂戴しました。
ありがたいことです。

そして私YAYAも今まさに悩んでいるところです。
自分自身の最適解を早く見つけ、それに応じた原稿スケジュールを立てるか、今回は見送るか、答えをなるべく早く出そうと苦悩しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?