私と393BURGER
池尻大橋にあるバーガー屋さんで
ハンバーガーを頼まずにポテトとビールで長々と居座っていた。
圧倒される程のエネルギーを放つマスターと
個性豊かなスタッフさんと、アットホームな店内。
ついつい長居をしてしまう。
ファーストフード。
そのイメージが強いようなハンバーガー。
その中で、温かみや豊かな時間を感じられるハンバーガー屋さん。
「のんちゃん、お前はさ、幸せになりたいの?」
気づけば
ビールからジャックダニエルのロックを傾けている。
うまくいかないあれこれや今後の展望を
まとまらないままに話していた。
「考えたことなかったっす。」
マスターのその言葉に衝撃を受けながら
呟いた。
東京に出てきて2ヶ月ちょっと。
大きな仕事や有名な人と仕事をしなくてはいけないと思い込んでいた。
そうじゃないと価値がないと言い聞かせていた。
けれど
色んな場所で色んな人と会っては、話し
自分にとってそういうものが価値のあるものに思えなくなっていた事をストンと認められた気がした。
有名な誰々と知り合い。だとか、誰々と飲んだとか、多くのお金を使えるとかそういう事ばかりが、溢れているような夜の街。
それは、すごくヒリヒリとしていて
劣等感や焦燥感や孤独、形容し難いけれど、成功している人でもそのようなものを抱えながら生きているように感じた。
それらを見て
例えば有名になったり有名な人と仕事をして
「世間的な成功」みたいなものを得た時に
自分は、全く幸せじゃないなと思えた。
「のんちゃん、お前はさ、幸せになりたいの?」
マスターのその言葉に、そう言った自分の気持ちの全てを認められた気がした。
幸せになる為に生まれてきた。
それは、自分が自分にちゃんと問い、応えていく事の中にあるように思えた。
マスターは、マスターの幸せを生きて仕事をしている。
500円という格安な価格で生ビールを飲ませてもらいながら
その姿を、眺める。
もちろんハンバーガーは、激旨です。
お金で換算できないモノの価値や
共有したい幸せやその空間を
マスターは、マスターの形で現していると思うハンバーガー屋さん。
またついついと長居してしまうだろう。
ファーストフードではないその時間の中で。
*あくまで個人の感想ですので、実際に行ってみて楽しんでください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。