お医者さんが高齢者のリハビリを笑いに変えたお話
こんにちは、やわデザnote編集部兼「目的地は鬼ヶ島」制作チームの ひろきょんです。
以下の記事でご紹介したとおり、富士通グループ横断「やわデザ」コミュニティを舞台に新しいイベント「目的地は鬼ヶ島」がスタートしました。
「目的地は鬼ヶ島」は、一言でいえば「社会課題」についてみんなで楽しみながら理解を深める、全9回の社内イベントです。
本記事では、以下の3話で構成される「その手があったか?!編」の第3話(6月6日開催)についてレポートします。
イベントの雰囲気を実際に感じてみたい方は、以下の動画をご視聴ください(前編 30min)。
仲間と一緒に自分も楽しみながら地域を元気に
今回の桃太郎(ゲスト)は、 グッドネイバーズカンパニーの 清水 愛子さん です。
清水さんは、大手広告代理店の会社員だった頃、高齢化が進む地域の健康づくりに課題意識を持ったそうです。しかし、医療という分野は高い専門性を要求されるため、関わり方を模索していました。そんな時、文系でも医学部に学士編入できる方法があると分かり、お医者さんになったそうです(すごい!)。
清水さんは、「地域の健康づくりに関わりたい」「地域を楽しく元気にしたい」という思いを持っており、「生きがい」と「健康」は密接に関係していると考えていました。
そこで清水さんは日常生活の中にある「食」に着目。高齢者に多くみられる、食べ物や唾液が食道ではなく誤って気管や肺に入ってしまう「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」を予防したいと考えました。
その後、清水さんは飲み込みの専門家から筋肉の動きについて学び、前職からつながりのあるゲームデザイナーやコピーライターと一緒に、アイデアを考えたり試作を繰り返す日々を過ごします。その間に出たアイデアの数は、なんと3桁台!
こうして、老若男女が楽しむには難しすぎても簡単すぎても面白くないことや、飲み込みの際に”この部分に効いている”と本人にも気づいてほしいことなどが分かってきます。
試行錯誤を重ねた結果、これまでにないユニークなアプローチが誕生。 お口まわりの筋力を楽しく鍛えるスポーツ競技大会「くちビルディング選手権」です。現在は約20種類の競技があり、スポーツとして公式ルールまで定められています。
鉄板競技のひとつ「黒ひげペロリ」では、縦1.5×横3cmにカットした海苔を、鼻とくちびるの間に貼り、舌の動きでペロリとはがすまでの速さを競います。
多くの高齢者にとって辛くて長続きしないリハビリを、スポーツに置き換えることで、口周りの筋力が衰える前に、誰もが楽しみながら誤嚥性肺炎を予防できるようになります。スポーツらしく、競技中に熱くなって思わず反則しちゃう人もいるとのことです。
「くちビルディング選手権」は、生活を真に豊かにするものとしてグッドデザイン賞を受賞、医療業界の宝物になっています。
運転手のヤマカワが、おとぎ話「桃太郎」を例えに、清水さんにとっての「鬼(一番大きな困難や課題)」を尋ねたところ、清水さんはズバリ「医療という専門性(が壁となる)」とコメントされました。
「くちビルディング選手権」は、周りの医療関係者から「自分たちからは出てこない発想だ」という反応をもらうなど、日本に広がっています。
清水さんにとっての「イヌ、サル、キジ(大切にしているものを3つ)」を尋ねると、「応援してくれる仲間、チャレンジするマインド、自分たちも参加者も本当に楽しめるコンテンツ」という答えが返ってきました。
「くちビルディング選手権」をはじめ、「黒ひげペロリ」「たこチューダンベル」「はずしマスク」「飛ばシード」 など、競技名称を聞いただけでも楽しさが伝わってくるネーミングセンスは、運転手ヤマカワも大絶賛。
活動に共感してくれる仲間と一緒に、参加者は楽しんでいるかな?を常に考えてさらにブラッシュアップしていくそうです。
イベントを視聴した社員の反応は?
当日視聴した社員は約230人でした。イベント中に、投票サービス「slido」に寄せられた視聴者の感想やコメントは、約190件!
その中からいくつかご紹介します。
アンケート結果からもいくつか感想を抜粋してご紹介します。
新シリーズがスタート
次回から新シリーズ「ニュースの見方が変わる編」がスタートします。次回「日本に来る難民の可能性にスポットライトを当てるお話」の開催レポートもぜひお楽しみに!
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