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すずめの戸締まり 感想

2022.11.15待ち侘びたすずめの戸締まりを見てきました。去年か、今年の初めに新しい新海誠監督の映画があると知って、楽しみでした。初日に行けず、初日は見たくてみたくて夢に出てきました。
前情報をできるだけ得ず、映画館に行きました。
冊子をもらって、監督が長野県出身と知りました。長野は自然の綺麗なところなイメージがあります。これまでの映画で、宇宙や、星空や、風景の描写が素晴らしいので、妙に納得したりしました。
宮崎県が最初に舞台として出ており、自分が宮崎に4年住み、祖父もいるためとても身近で、嬉しかったです。デーリィ牛乳が出てきており、デーリィの製品(牛乳とミルクコーヒー)が映画で出てきたのはこれが2回目だと思います。最初は秒速5センチメートルに種子島でのシーンで出てきます。

おそらく、九州にそこまで馴染みのない方なのかな、と思いました。知らない土地に感じるワクワク感だったり、神秘性のような、憧れみたいな感覚を九州に持っているように感じました。関東の方は九州はあまり行かれないと自分の周りの方はよく言います。地続きじゃない場所にある特別感があるかもしれません。
主人公のすずめが走る、飛び越えるシーンが多くて、助けてもらうヒロイン、というよりも自分でどんどん前に進む、動いていく主人公で頼もしかったです。走るシーンが爽快でした。

ソウタさんの声が、良いという評判を聞いていたのですが、ハウルの動く城の時のキムタクを彷彿させるはまっていて、とても素敵な声でした。

地震を取り扱った映画で、ファンタジーによって、地震をみみずによって引き起こされている、戸締師が扉を締めることで地震を予防できるという表現に、アニメで、ファンタジーだから、というのはわかりますが、少し引っかかりました。自然災害は人間がどうこうできるものではなくって、理不尽なことも予防できないことで、無慈悲で、諸行無常で、自分が何かをしたから防げるということはありません。人間は自然を前にして、持っている力は小さいと考えているからです。原因を作ってしまったら、どうにかできるのではないか、という傲慢のような感覚を持ってしまうのではないか、と思ってしまいました。

ファンタジーだから、そこは現実とは別物だとは分かっていますが、物語を見ることでの影響は少なくともあるのではないでしょうか。となりのトトロをみて、その後自然の森をみてジブリみたい、という感覚を持つのと近い気がします。

ただ、経験したことがない人が見て、地震のことを“忘れない“、“残す“というところで今回地震を扱ったことの大きな役割があると気づきました。
年月が経つほどに、昔のこととして風化してしまうため、残すことは大切なことです。しっくりきました。

個人的に、映画の核にあるものとして、父親から娘に向けてのメッセージみたいな感覚を感じました。生きること、前に進むこと、自分は誰かに救ってもらうではなく、自分で救うこと。きっと救えるよ、というあたたかさ。

叔母さんとの仲直りをするシーンがグッときました。父親・母親以外の家族でも、家族として在ること・在れること、良かったです。

監督の初期の作品だと、片思いの心理、切なさ、移り変わりを表現していることが多かった監督ですが、家族ができて、映画を長く作ってこられて、今回の映画では前向きで、生きることを肯定していて、背中を押してくれる、見守る力を感じました。

ダイジンが、冷たい言葉をかけられ痩せても、すずめを祟ることなく、その後もすんなり付いてきて、家族になれなかったよ、と石に素直に戻る決意をしたのかわかりませんでした。うちの子になる?と言われて、そんなつもりはありませんでした、と言われたらショックすぎてみみずを鎮めるために協力できないなあ、と思いました。

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