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キッチンリフォームと、ゆっくりじわじわの「ゼロイチ」

長野県の佐久穂町に暮らし、丸3年になりました。3年前の3月31日、「早く行かなきゃ、東京がロックダウンするかも」とコロナの影響を恐れつつ、荷物でいっぱいの車を運転してきたことが思い出されます。

住み始めて3年経ってのリフォーム

我が家は現在、キッチンとダイニングのリフォーム真っ最中です。

うちは築100年ほどの古民家で、中でも台所は木枠の窓がたくさん、一部は土間で壁に排水口があいていたりするものだから、いろんな隙間から冷たい風が入り、冬は極寒の地でした。

シンクなどを取り払った後の台所。ほとんど全面が窓でした。

前の家主さんが飲食店をやっていたので業務用のシンクがあるのですが、それが低くて深くて、前かがみになってお皿やフライパンを洗っていると腰が痛くなるのも辛かった。

そんなわけで、次の冬までに暖かくて使いやすいキッチンにする!と、断熱リフォームを決意したのです。

「3年も耐えてたの?」って、びっくりされそうですね(笑)。

私自身、薄かった床や壁が分厚い断熱材に覆われていくのを見ていると、「台所と言いつつ、屋外みたいな環境だったんだな」と、笑ってしまいます。

床のすぐ下に地面。これは冷やされる……。
床と壁と天井に断熱材が入ります。

でも、入居前にリフォームすればよかったとか、もっと早くやればよかったとか、そういう気持ちもないんです。

もともと寒いのは覚悟で住んでみて、特に寒いのが台所だと分かり、これはなんとかしたいなあと考え始めた頃に地元の工務店さんとの出会いがあって……という流れの中で、今年リフォームすることになった。このプロセスが、自分には必要だったように思います。

勉強会から具体的なアクションへ

もうひとつ、時間がかかったけどようやく形になるなぁというものがあって。

子どもが通う大日向小学校の保健室の断熱をDIYでやるワークショップを4月29日に予定しています(なんだか「断熱」づいている今日この頃です)。

これは、2年ほど前に保護者仲間と始めたエネルギーに関する勉強会がきっかけになっています。

寒い家に住み始め、暖房があればなんとかなるものの、灯油や電気をガンガン使うことに罪悪感を感じていた私は、保護者仲間に声をかけて自然エネルギーについての勉強会を始めたのです。

そういう経緯なので、勉強だけに終わらずに具体的なアクションを、という気持ちは最初からあったのですが、なかなか次のステップが見えない時期が続きました。

それがあるとき、子どもたちから「夏の教室が暑い! エアコンを入れてほしい!」という声が上がったのをきっかけに学校の環境改善を考え始め、ようやく最初の一歩を踏み出そうとしています。

ゆっくりな「ゼロイチ」もあるよね

保健室の断熱DIYに至った経緯や、その目的については、また改めて書きたいと思います。

ここで記しておきかったのは、自分について気づいたこと。

家のことも、学校のDIYのことも、なんだか急に動き始めたなぁ……と感慨にふけっていて、ふと思ったんです。私って、ものすごくゆっくり「0→1(ゼロイチ)の立ち上げ」をやってるのかな、と。

Instagramで、地方移住者の古民家DIYの様子などを眺めるのが好きです。皆さん、移住の決断と同時に住環境の整備に取り掛かり、素敵になった住まいとともに新生活をスタートさせていたり、移住1年目にバリバリとリノベーションを進めて新しい場やお店を開いたりと、何かを始めて目に見える形になるまでがすごく速いんですよね。

そういう人たちは情報発信も上手だから、目立つしスマートにやっているように見えるという面も大いにあるでしょう。とはいえ、移住や家のDIYに限らず起業など、何かコトを起こすには、かなりのスピード感とエネルギーが必要。私にはそれが足りないから大したものは作り出せないんだと感じていました。

でも、移住したことや勉強会を始めたことで「0→0.3」くらいにはなっていて、2年や3年経ってやっと「1」に近づいてきているのかも。すごくゆっくりでも、0.3のままだったり0に戻ったりせず、じわじわと1に向かっているなら、それでも意味があるなと、思えたのです。

そういえば、ライターが本業になったのも、仕事とは関係なく「働き方」をテーマに取材・執筆を始めて2年くらい経ってからでした。

すぐにはモノにならなくても続けてみることができるのが、自分の強みなのかも。10年後には、「振り返ればずいぶん変わったな」って気づくのかも。そんな将来を楽しみに、焦らずたゆまず小さな挑戦を続けていこうと思います。


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