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「街に港のようなカフェをつくりたい。けど、カフェって簡単じゃないね」 / 「”いいお店”ってなんだろう?」 VOL.1

こんにちは、シンカイの長崎です。11月に入り、築100年を優に超えるシンカイでは、寒さが一段と厳しくなってきました。そんななか、11月25日から何回かにわたって、ポカポカと心が熱くなるようなイベントを開催します。

その名も「長野版 “いいお店”ってなんだろう?」。関西の出版社、IN/SECTSから発売された書籍『いいお店のつくり方 保存版』のシンカイでの取り扱いスタートに合わせて、長野市周辺でお店や場所の運営に携わる方々にお話を聞いていきます。

書籍の詳細はこちらから↓

フラッとなんの目的もなく、遊びに来てくれるお客さんが多いシンカイでは、将来に対するポジティブな夢や進路の話をして行ってくれる人もいれば、なかには自分が今抱えている不安や悩みを話してくれる方もいます。
将来は自分でカフェをやってみたい人、何をしたらいいかわからない人、やりたいことはないけど、やりたくないことがたくさんある人。自分の今の働き方に思うことがある人、などなど……いろんな視点からいろんな人に見ていただけるイベントになればな、と思います。

「いいお店」と、口で言うのは簡単ですが、いざ考えてみると“いい”を言語化するのはとても難しいものです。
当たり前といえば当たり前ですが、「賑やかさがそのお店の良さだ」というお店があれば、「うちの店の良さは静けさだ」というお店もあります。自分が思っているそのお店や場所の良さは、案外他の人が思うそれとは違っているのかもしれません。小さな要素が積み重なった結果、つくり出されている“いい”という表現。


シンカイは、何回かにわたって長野市内でお店や場所の運営に携わる方々をお呼びして、「いいお店の“いい”ってどういうことなんだろう?」「自分のお店や場所を通じて何を表現している(したい)のか?」そんなことが聞けたらいいなと思っています。

イベントの概要より

初回のゲストは「North South East West」の小島さん

そんな今回のイベントですが、企画段階で自分の中で真っ先に思い浮かんだのが、今回のゲストである小島剛さん。松本市でamijok、長野市でNorth South East West(以下ノース)という2店舗のカフェを営んでいる、言うなればめちゃくちゃ最高な方です。


小島剛
街に港のようなカフェをつくりたいと思い2011年長野県松本市に〈amijok〉(アミジョク)をオープン。2020年長野県長野市に〈NorthSouthEastWest〉をオープン。ここでは街と自然のあいだを取りもつ場および活動体として営みを続けている。同時オープンしたアウトドアセレクトショップ〈NATURAL ANCHORS〉、ヴィンテージ家具の輸入販売を主に営む〈Ph.D. stock "hue"〉とともにギャラリー〈Lighthouse 〉の運営にも携わる。

いつでも朗らかで、お店に入ると柔らかい笑顔で僕らを出迎えてくれて、お酒が入ると誰よりも陽気。口癖は「いいじゃん〜」と「ヒェア」。今回のイベントの話を相談させていただいた際も一言目には「いいじゃん〜やろうよ!」と言ってくれるほんとに気持ちの良い方です。


気が付いたら全部ノースだった

そんな小島さんが運営するamijokとノースですが、実は個人的にノースには相当深い思い入れがあります。

というのも、長野県の上田市という土地で生まれ育った僕にとって長野市は、もともと人の縁がなく、そもそも来る機会すらあまりなかったような土地。そんな僕が、長野市内のシンカイというお店で働き、長野市に住むに至るまでの過程を振り返ってみると、どういうわけか、そこにはいつもノースの存在があったんです。


おっきくてどれも美味しいマフィン

初めてノースに行ったのは、高校時代からずっとお世話になっているイラストレーターの先輩の展示の時。ほとんど初めて、その先輩とちゃんと話すことができて、帰りは上田まで送迎してもらったこと。

それからたまに時間があって長野に行く際には絶対に立ち寄っていたノースで、シンカイに住んでいたという先輩に出会い、シンカイの存在を初めて知ったこと。

そこからシンカイという場所への興味が深まって連絡をとった、シンカイオーナーの徳谷柿次郎さんと初めて会って話をして、「シンカイやってよ!」とお店を任せていただいたこと。

今振り返ると改めて衝撃でしかないですが、これはすべて僕がノースという場所で体験した出来事です。ただただ、やることがなくてモヤモヤしていた高校時代から、今に至るまで。僕はこの場所でどれだけの「はじめまして」や「ひさしぶり」を交わしたのか思い出せないほどです。
この場所には常になにかがあるし、いろんな出会いがある。この場所で交わされている会話が僕は大好きだし、曲がりなりにも同じように店舗の運営をしている身として、ノースほど行くたびに悔しくなるようなお店はないんです。

しかもこれって、きっと僕だけに限った話ではないはずで。多くの方にとっての憧れで、特別であろう場所を運営する小島さん。安直にも、「素敵なお店をつくりあげる秘訣や、今後の展望なんかが聞けるイベントになるといいな〜」と思っていた僕が、イベントの打ち合わせをさせていただいた時。小島さんから出てきたのは、意外にも

「いつでも厳しいよね……」
という、とてもポジティブとは呼べないような言葉でした。

柿次郎さんと初めて話したのは写真の一番右に見える席だったことを鮮明に覚えてます

「いや〜、大変だし、しんどいよ。ほんとにね……」

打ち合わせの中で「僕、ノースが大好きで憧れてるからこそ、いろんな話を聞きたいんです!」と、無邪気に投げかけた僕。小島さんから返ってきたのは「そう言ってもらえるのは嬉しいけれど、うちだっていつでも大変だし、しんどいよ……」という、いつもの小島さんらしからぬ発言でした。

それもそのはず。ただでさえ続けていくのが大変な飲食業で、2020年からはお店を2店舗に増やして運営。時期を同じくしての、新型コロナウイルスの蔓延。日常のお店を回すだけでも大変な時期であるはずなのに、自主企画のイベントも頻繁に行い、さらに週末ともなれば、小島さん自らイベント出店に出向く。極め付けには、僕みたいな若造がいきなり持ちかけたイベントであっても、まずは「いいね!」と話を聞いてくれる。

個人的に、ほんとに不思議なんです。「なんでそこまでできるんだろう?」って。綺麗事だけでは片付けられない仕事の話がそこにはあるだろうし、それでもなお、やり続ける理由があるのかもしれません。
そんな話を聞いていくことで、少しずつ“お店”や“場所”というものに対しての解像度が上がっていくイベントになればいいな、と思っています。

ご都合のよろしい方はぜひ◎ お待ちしています!

イベント詳細


イベントは予約優先とさせていただきますので、お早めに

▼予約ページはこちら

▼日程
11月25日(金) 17:00〜

▼場所
シンカイ(長野市三輪7-8-5)
※オンライン・オフライン同時開催

▼入場料
<オフライン>
書籍付き入場券:¥2500(税込¥2200の書籍代込み)
書籍なし入場券(一般):¥1000
書籍なし入場券(学生):¥500
<オンライン>
書籍付き入場券:¥3000(税込¥2200の書籍代+送料込み)
書籍なし入場券:¥1000

『いいお店のつくり方 保存版』詳細

シンカイでお取り扱いしているIN/SECTSという出版社の本からインスピレーションを受けて、企画をした今回のイベント。

毎年、5月に出店している愛知県のフェス「森、道、市場」で同じ出店者としてお話をしてからのご縁で、本のお取り扱いをさせていただいています。

大阪に拠点があるIN/SECTSだからこその、関西を中心とした誠光社(出版社)、サウナの梅湯(銭湯)、VOU(雑貨、ギャラリースペース)などへのインタビューが掲載されています。

トークイベントとの同時購入がとってもお得になっているので、こちらも合わせてチェックしてみてください📕


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