【天狼院書店初心者短編2020年2月コース受講者向け】⑥「明日の自分に期待する」
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【注意】
こちらのエントリは、天狼院書店さんで開催中の「短編小説100枚を二ヶ月で書いてみる」講座参加者の方向けのエッセイです。参加していない皆様にもなにがしかに気づきがあるかもしれませんが、このエッセイは基本的に「初心者の方が小説を書き切る」という目的設定をした講座に向けたものでありますので、中級者、上級者の方がご覧の際にはそうした点をご注意の上ご覧ください。
【注意ここまで】
さて、受講者の皆さん、第一稿の執筆は進んでらっしゃいますでしょうか。えっ。進んでいない? 今、世間があれやこれやで落ち着かないところですもんね。お仕事の種類によってはいろいろとお忙しいことでしょう……。えっ、なんですって? 自分の文章が下手過ぎる死にそう、そのおかげで手が止まってしまうですって? うーん、「あるある」ですねえ。では、今日はその話をしましょう。
文章というのは様々なところで溢れ返っています。普通に日本で生活している方が、一日、目をつぶる以外の方法で文章に触れずに過ごすことはできないと言っても過言ではありません。SNSを見るだけでも文章が飛び込んできますし、仮に一日インターネットから距離を置いたとしても、電子レンジの説明書き、カップラーメンの作り方などなど、結局文章に触れてしまっています。そして、そうした文章の多くは推敲された形で世に出ています。特に説明書などはそうですね。誤読されては大変なので、様々な人々、立場からチェックされ、絶対にこうとしか読めない、というところまで突き詰めてから世に出すもののようです。
何が言いたいのかというと、我々は洗練された文章に囲まれて生活しているのです。
そうした文章と自分の文章を比べたときに、自らの文章が下手に見えるのは当たり前です。
第一稿を書いているときは、知らず知らず、あなたのメモリを食っています。
キャラクターやプロット、世界観を同時進行で動かしながら文章を綴る作業は実はかなりの重労働です。できるだけ第一稿でメモリを食わないようにするために、キャラクターやプロットは事前に作っておこうね、というのがわたしの立場ですが――。それでもかなりメモリを消費しちゃうのです。
上手い人であったり経験を積んでいる人なら、全体像を把握しながら文章について苦吟することも出来るのですが、皆さんは初心者です。苦吟の挙句文章を紡ぐ手が止まってしまうことのほうがまずいので、むしろ下手でもいいからバンバン書いちゃうのをお勧めします。
えっ、自分の下手くそさに震える? お前は作家、上手く書ける人間だからそんなことを言っているんだろうですって?
そんなことないですよ。むしろわたしも文章が下手くそで、第一稿段階では絶対に人に見せたくないです。そこからひたすら改稿や推敲という作業を繰り返しまくり、青色吐息で原稿を提出してますよ。
もちろんわたしの例を一般化するつもりはさらさらありませんが――。皆さんが目にしている文章の多くは、そうやって何度もチェックを繰り返すことによって研ぎ澄まされているのです。
この講座では第三回目に改稿・推敲についてご説明します。
つまるところ、改稿・推敲とは、「明日の自分に期待する」行ないです。
今日の自分の文章が下手でも、一か月後の自分なら改訂できる!
そう、文章を書くコツは、「明日の自分に期待する」ことなのです。
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