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『絵ことば又兵衛』(文藝春秋)の刊行二か月前となりました

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 時が経つのは早いもんだ!
 というわけで、新刊刊行に関する情報公開です。

 かねてよりアナウンスしていました九月刊行の単行本『絵ことば又兵衛』(文藝春秋)の情報が数か所で公開され始めました。

 こちらは版元ドットコムさんより。
 特定の通販サイトさんで公開しちゃうとやや差し障りがあるので、版元ドットコムさんのサイトでご紹介します。

 そして、毎度のことながら、

装画なし絵ことば又兵衛書籍情報

 書籍予約情報票も作らせていただきました。まだ表紙廻りのデザインが終わっていないので(刊行二か月前なら当たり前)、表紙情報を公開してもよいよとなった際には、こちら、正式バージョンに差し替えます。

 発売日は2020年の9/30頃!
 価格は1750円+税
 ISBNコードは978-4163912622

 恐らく、ぼちぼち書店様や通販サイトさんなどで予約が始まると思うので、その際にはこちらの情報票をスマホの画面などに映して提示していただいたり、ご予約の際の参考にしていただけるとありがたいです。

 さて、内容も分からないうちに、「買ってね!」なんて言えるはずないですね。今日はちょっとだけお話のさわりを説明しようと思います。

 『絵ことば又兵衛』の主人公は岩佐又兵衛(1578-1650)です。戦国時代末期から江戸時代初期にかけて生きていた絵師になります。つまり、豊臣政権の崩壊から、徳川政権の成立、安定までを眺めている、ちょっと面白い視点を持った人物です。さらにその上、岩佐又兵衛は面白い経歴を持っている人物です。
 まず、父親からして有名人。織田信長に反抗して城を追われた荒木村重の息子(あるいは孫)と言われています。荒木村重と言えば、大河ドラマ『軍師官兵衛』でも独特の光彩を見せつけた、まさに乱世が生んだの傑物でした。本作の主役である岩佐又兵衛は、父親の起こした謀叛に伴う一族処刑から逃れ、絵師として頭角を現します。信長の死後、どうしたわけか仇の子であるはずの織田信雄の許に近習として身を寄せていたようで、その後、独り立ちして絵の工房を立ち上げ、やがて招聘に従い越前(今の福井)へ、そして老境に至ってから江戸へ招聘され、その先々で様々な仕事を遺しています。
 そして、絵師として岩佐又兵衛が面白いのが、どうも様々な画風を学んでいる節があることです。
 当時すでに存在した狩野派、やや勢いを失いかけていた大和絵の画派土佐派のほか、宋画も学んでいた節があります。そして、デフォルメされた人物のしぐさや姿は浮世絵の源流とも称されています。

 1970年に刊行された美術史家・辻惟雄(敬称略)による『奇想の系譜』においても伊藤若冲、歌川国芳などの有名画家の前に置かれる最初期の奇想の画家であるといえましょう。

 すなわち、歴史小説界隈においては奇人扱いされている谷津が、『奇想の絵師』を描いたことになるわけですね。

 というわけで、『絵ことば又兵衛』、よろしくお願いいたします!

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