コンプレックスだらけの似顔絵を、味方につけて
自分の顔が、好きじゃない。
というかずっと、大嫌いだった。
話題にのぼること自体がいやだから、自分の容姿が好きじゃないという話すら、ほとんどしてこなかったけど。
小学生や中学生の頃、母(美人)から私の容姿について、
「あたしに似たらかわいかったのに、可哀想」
「足太すぎじゃない?」
「ほんとたらこ唇だよね、お父さんそっくり」
「将来プチ整形したら?今は安くできるらしいよ」
などと言われていた。
あ、書いてたら鼻の奥がツーンとしてきた…(笑)
たぶん母は軽口のつもりで、悪気はなかったと思う。言ったことも覚えてないかもしれない。
けれど子どもにとって、親の言うことは絶対的だ。呪いにもなりうるくらい、強力なパワーを持っている。
「自分はかわいくない」
という呪縛は、その後も自分のいろんな行動のストッパーになってきた気がする。
いやー、親が子どもの容姿について何か言うことと「おねえちゃんなんだから」などの枕詞を使って我慢させること、このふたつはほんと、良くない。生涯の呪いになっちゃう。
コンプレックスをあきらめる?愛でる?
コンプレックスがあるからこそ、メークやおしゃれをがんばろう。
とも思えなかったのは、生来めんどくさがりなのと、素材がこれじゃたいして変わらんやろというあきらめの気持ちからだった。
だからコンプレックスを抱えながらもすごく努力しておしゃれしている女の子を見ると、尊敬するしかわいいなと思う。
「素材がこれじゃたいして変わらんやろ(ポリポリ)」ってあぐらをかいている自分に比べ、努力している女の子はその姿勢だけですでに、5周くらい差をつけたかわいさでリードしている。
わたしの場合はすでにあきらめの境地にたどり着き、まあ今世はこの顔で生きていくしかないし、他でがんばろう!みたいに開き直ったので今はそんなに悩んでない。
そんなわたしが再び、容姿のコンプレックスに目を向けた思ったきっかけ。
それはある友人が、
“わたしを愛でる”
というコンセプトで、コンプレックスをデフォルメした似顔絵を描くサービスを始めたことだった。
どれもこれもかわいいなあ…と思って作品を見ていて、ふと思う。
コンプレックスをあきらめるのは生きてくための有効な手段なのだけど、この荒療治だとふとした瞬間に思い出してズキズキしたり、卑屈になったりしてしまう。
できることなら、コンプレックスを受け入れてちょっと愛でられるくらいになってみたい…
そういうわけで、わたしも描いてとおねがいしたのだった。
コンプレックスを描いてもらったら、愛がすごかった
イラスト作者で友達のミユウはわたしが連絡すると、「特に気になってるコンプレックスは?」と聞いてくる。えー、そんなの顔面ぜんぶだよーと思いつつ、特に気にしていた唇と眉毛をオーダー(?)。そして出来上がったのがこちら。
か、かわいい…!
昔から憎んできたまろ眉とたらこ唇を、ちょっと愛せる気がする……!
ちなみにミユウが添えてくれたコメントがこれ。愛しかない。
たくさん愛でながら完成しました🧡
まいぽんの表情って本当に豊かで、楽しくて笑っているときも一緒に悩んでくれているときも、本当に優しいのね。その中でもカラッと笑っているまいぽんが印象的なので、笑顔にしました。(中略) 食べるのが好きだから目にはスプーンとフォークを、左目にはお魚メイクを施しました🐟♡まろ眉は可愛いピンクを入れてみました☺️
お、お魚メイク…!(わたしの趣味が釣りだということも把握済み)
瞳孔が食事マーク…!
さらに畳み掛けるように、
本当に愛でながら描いてるの。
かわいいなぁかわいいかわいいって思いながら笑
と愛が送られてきた...泣
わたしの好きなものを取り入れて細部までこだわってくれたことが嬉しいし、自分ではどうしても好きになれないコンプレックスを本当に愛でてくれていることが伝わって、嬉しい。
自分にかけられた呪いを解くのに、他人の力を借りてみる
正直に言うとずっと、自分の嫌いなところについて他人から「そんなことないよ」とか「そこが好きだよ」とか言われても、素直に受け入れられないことが多かった。もちろんほめてくれるのは嬉しいんだけど、心のどこかで
「そんなことない、わたしなんて」「あなたのほうがかわいいのに」
とか、思ってしまうんだよなあ。(開き直ったはずなのに、おかしいな)
自分にかけられた呪いを解くのは自分自身しかいない。
そう思って少しずつ、自分で自分を受け入れるためのヒントを拾い集めてきたし、今もその最中だ。
けれど今回描いてもらった似顔絵を見ながら思ったのは、呪いを解くのに他人の力を借りてもいいんだよなあということ。
自分に欠けている部分を他人に愛でてもらって、その愛を受け取ることができたらちょっと、「あ、これでもいいかな」という気持ちが芽生えてくる。
もちろん「他人の愛を受け取る」というのが一番難しいところでもある。けれど、多様な優しい人たちの多い環境に身を置くことで、自分自身のバリアって少しずつやわらかくなってくるものだと、わたしは身をもって感じているところ。
日々いろいろな人に、与えてもらってばかり。感謝しつつ、わたしも周りの人に、そして自分自身にも、与えられる人になりたいな。そのままのあなたがすてきだよと。
なかなかすぐには難しいけれど、描いてもらったイラストを味方につけて、少しずつ。
▼「私を愛でる」をコンセプトにしたイラスト作家情報はこちら^^
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