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「田舎でのんびり起業」3C分析のような古典的フレームワークも案外有益

僕は今八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)で暮らしています。「新しい働き方。暮らし方」でハッピーになろう!という企業パーパスのひとり法人を立ち上げてコンサルティングや地方関係人口創出に関することが仕事です。(ヘッダー画像はnoteギャラリーから挿入しました。subarasikiaiさんありがとうございます!)

今回は「田舎でのんびり起業」3C分析のような古典的フレームワークも案外有益というタイトルでスモールビジネスの事業戦略について考えてみます。


田舎でのんびり起業とは?

僕がおすすめしている「田舎でのんびり起業」はお金よりも人生を大切にするライフスタイルです。もちろん生きていくにはお金は大事。だけどお金だけを目的にしたギラギラ起業とはちょっと違う。人生を楽しむための起業です。詳しくはこちらの記事も参照下さい。

3C分析なんて古典でしょ?Yes but…です

3C分析という言葉はちょっとビジネスやマーケティングを勉強したひとなら知っている、古典的フレームワークですよね。そんなことはもう知ってるよ、というひとも多いと思います。

でも案外今でも有効ですよ。特に起業前のアイデアを事業計画に落とし込む際には便利なんで改めて試してみてください。

まずはおさらい。3C分析って?

まずはおさらいです。3C分析くらいよーく知ってるよ、という方はここはスキップしてもらって構いません。

  1. Customer(顧客・市場)
    あなたの顧客はどんな人たちでしょう?あなたのビジネスが刺さる市場、セグメントについて考えてみましょう

  2. Company(自社の資源・優位性)
    あなた(あなたの会社)ができることは何ですか?あなたの自責でコントロールできることを考えてみましょう

  3. Competitor(競合の動き)
    同じ市場にいる競合は何ができるでしょうか?他責で起こりうることを考えてみましょう

「田舎でのんびり起業」で考えるべき3Cとは

そもそも3C分析は既に確立した市場で事業を行い、競合がいる上での比較優位性を考えるフレームワークです。

でも「田舎でのんびり起業」はスモールビジネスが前提。あなたが戦うべき市場はすごく限られた狭いエリアなんです。1億人を相手にするビジネスではありませんし1億人を相手にしなくてはならないなら、違う起業スタイルを目指すべきです。

スモールビジネスで考えるべき3Cとは

なので僕は、この古典的な3C分析をちょっとだけカスタマイズしています。頭文字もCになるように工夫しました。

  • Customer(顧客となるペルソナとそのインサイト)

  • Competency(あなたの強み・優位性)

  • Circumstance(市場環境。外部要因によるトレンド)

思ったよりきれいに新3Cにまとまりました(笑)。でもきっとよくわからないと思うのでちょっと説明していきますね。

Customer=顧客となるペルソナとそのインサイト

顧客となるペルソナとそのインサイトCustomer=顧客はオリジナルの3C分析と同じです。でもオリジナル3CでいうCustomerは顧客層、つまり市場セグメントを重視しています。

スモールビジネスの場合、単にセグメントを設定するだけではまだピントが甘いのです。例えば40代女性とか子育て世代とか、それではまだ絞り切れてはいません。

大切なのはもっとシャープに絞ったペルソナ像を描くこと。そしてそのペルソナのインサイトを考えることです。

インサイトとは本人も気づいていない本質的な課題のこと

インサイトってあまり聞かない言葉なのでちょっと説明しますね。これは本人も気づいていない本質的な課題を指します。

有名な例として自動車を初めて大量生産して自動車産業を生み出したヘンリー・フォードの言葉を引用しますね。

"もし顧客に彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬がほしい』と答えていただろう"

ヘンリー・フォードの言葉

この場合、顧客の本質的な課題は「馬を速くすること」ではなく、顧客自身も気づいていなかった「もっと速く移動できること」(=自動車)だったんです。

馬(ニーズ)にこだわるのではなく本質的課題(インサイト)に気づいたからこそヘンリー・フォードは自動車王になれたわけですね。

ペルソナのインサイトを見つけられれば勝ったも同然

インサイトは本人も気づいていないものなので簡単に見つけられるものではありません。でもこれを見つけられればあなたのビジネスは勝ったも同然です。

なぜならば本人すら気づいていない本当に求めている課題を解決できるからです。インサイトについてはまた別の機会で詳しく紹介しますが、これを見つけることが顧客設定において一番重要なことなんです。

Competency=あなたの強み・優位性

オリジナルの3CではCompanyと言われているものです。自責でコントロールできること、つまり自社の資源や優位性を指します。

スモールビジネスでも基本的な意味は変わりません。ただしあなたの強みをよりフォーカスしてほしいのでCompetencyという言葉に変えています。

あなたのやりたいことと強みは同じではない(かもしれない)

あなたの強み・優位性は必ずしもあなたがやりたいことと同じとは限りません。

あなたがやりたいことは主観なのに対して強み・優位性は客観だからです。例えばあなたにとって鼻歌混じりでできるような当たり前のこと(面白いかどうかは別として)だけれど、他人から見るとすごい!と思うようなことです。

もちろん、やりたいことと強みが同じものの方が幸福度は高くなります。やりたいことを強みに変えていくことが幸福度の観点では重要なのですが、まずは客観的な強みを探すことから始めてみましょう。

強み・優位性を知るには第三者のフィードバックを得ることも重要

強み・優位性は客観なので、なかなか本人も気づかないこともあります。そこで周囲の人やコーチなど第三者のフィードバックを得ることも重要です。

もちろん第三者の意見をそのまま鵜呑みにすればいい訳ではありません。例え第三者から強みだと指摘されても、やりたくない仕事は長続きしないものです。

やりたいことの中から強みを選ぶ。もしくは逆に強みの中からやりたいことを選ぶ。いずれにせよ強みと熱意を重ねられる領域を探していきましょう。

Circumstance=市場環境・外部要因によるトレンド

オリジナルの3Cと最も異なるのがこのCircumstanceです。オリジナルの3CではCompetitor(競合)になっています。

スモールビジネスではあまり競合を意識しなくてもいい

もちろん競合分析が不要だという訳ではありません。競合優位性は「あなただけの価値」を考えるために考慮すべきことです。ですがスモールビジネスの場合、競合を過剰に考える必要はないんです。

というのはスモールビジネスで目指している市場規模は小さいもの。1億人のクライアントが必要な訳ではありません。せいぜい数十人、多くても数百人の優良クライアントがいれば成り立つ事業です。

仮に競合がひしめいている市場でもあなた一人が食い込む余地は十分にあります。それよりはペルソナを絞ること。ペルソナのインサイトを探すことのほうが重要です。

むしろ外部要因の影響を考えよう

ここではコントロールできない競合のことを考えるよりは外部要因の影響を考えましょう。いわゆるトレンドのことです。

例えば今後少子高齢化は避けられない社会トレンドでしょう。だとしたらそれはあなたのビジネスにどんな影響を与えるでしょうか?

若年層市場は縮小するのだからシニア市場に特化する、というのもアイデアの一つです。逆に若年層市場は大手参入が減ると予測して逆張りするのもいいかもしれません。

他にも東京一極集中と地方人口流出とか。リモートワークの限定的定着とか。政府がリスキリングに5年で1兆円投入するとか。色々ありますよね。

メガトレンドに乗ることだけが重要ではありません。あえて逆張りすることで差別化を狙う方法もあります。繰り返しますがスモールビジネスは少数の優良クライアントがいれば成り立つ事業なんです。

大事なことは「今後どうなる?」という外部要因の影響を考えておくことです。

3C分析は事業計画書を作る時に便利

3C分析ではターゲットとなる顧客層(ペルソナ)や解決すべき課題(インサイト)、自社の強み・優位性、市場環境などの外的要因を整理しました。

起業のアイデアが生まれたら事業計画書を作りますが、今回の3C分析はそのまま事業計画書の事業概要の欄で利用できます。法人設立の定款や融資にも事業計画書は必要です。3C分析で事業概要を整理してみるといいですよ。

参考情報:田舎でのんびり起業を考えているなら

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