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いずれ春永に…暁と直樹が盃を交わす日が訪れんことを

 『半沢直樹2』。久々にガン見してしまうドラマというかエンターテインメントでした。いやぁ面白かった。
 直樹は、東京中央銀行を立て直すために頭取を目指すんですね。銀行愛あふれる大和田常務に半沢頭取誕生までの中継ぎとして、立て直しの陣頭指揮をとってもらうことはできなかったのでしょうか。
 大和田さんは、バンカーとしては優秀。でも人の上に立つ器じゃないか。もっとも直樹も、これまでは権威に対する「被権威者」として正義一本槍の倍返しでよかったのだけど、今後出世して「権威者側」になってしまうと、時には清濁併せ呑む必要もあるでしょう。器の大きさをどう獲得するかが注目されます。また、銀行をやめた大和田さんがこれからどういうポジションを築いて、直樹との丁々発止、もしくは土下座プロレスを繰り広げてくれるのかも大いに楽しみです。

 さて、今回、汚職代議士として全国公開土下座を強要された箕部幹事長。
今回は、箕部の私利私欲が動機とされていましたが、事業家や投資家ならいざ知らず、政治家が100億円の資金を捻出したとなると、これはもう、選挙資金と考えるのが自然なんじゃないでしょうか。接戦が予想される選挙区や自派閥の陣営に重点的に実弾を投入し、党勢を確保。派閥を拡大することにより党内発言力の拡大、ひいては総裁選への影響力を保持することが目的だったのではないでしょうか。次期シリーズでは、政権政党の悪行を正す力を得るために、確信犯で自らダークサイドに踏み込む、若かりし日の箕部啓治の姿が描かれるかもしれません。ちなみに白井亜希子は、都知事選で政権政党の候補を相手に、圧勝!ですね。

 箕部幹事長の逮捕で幕引きを図る首相官邸や政権政党。箕部の100億円の行先を追求しきれない野党。大規模すぎる汚職事件に、忖度して身動きできない検察庁検事、そして金融庁、黒崎俊一。

 正義のバンカー半沢直樹は、やがて訪れる「異次元の量的金融緩和政策」にどう立ち向かうのでしょうか。コロナ禍の「経済活動の停止、実体経済と解離していく証券、債権市場」において、彼はどう正義を貫いてくれるのでしょうか。今度の闘いは、世界規模での非常事態や長期政権での政官汚職。半沢直樹の闘いは、まだまだ続きます。

 がんばれ花ちゃん!
 暁と直樹が「いずれ春永に…」盃を交わす日が訪れんこと。

2020年9月28日

※ タイトル画は、最終回のあのシーンをトレースしました。

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