🐚波間に浮かぶ🐚
はやいもので1月も下旬を迎えた。
年明けに今年の抱負を高々と掲げる人々に、遅れまじと焦りもあったけれど、その熱気も落ち着き、淡々とした日常が戻ってきた。
抱負は持てぬままだけど、新年早々に早速ハートを鷲掴みにされたのは貝殻だ。
最近は砂浜に出かけ、貝殻を愛でる生活をしている。
貝殻探しの時間は、「自分が良いと思うかたちと色彩」それだけの世界に没頭する。
振り返ると、物事の基準は親や師であったり、社会や世間の常識であったり。
人生の中で、自分だけの基準でなにかをみつめることをいつのまにかずっと忘れていたように思う。
ひとり砂浜を歩いて、寄せては返す波間を眺めていると、正直に生きれなかった哀しみと、心から美しいと感じるものや風景に出会う喜びが去来する。
貝殻探しは、自分自身への憐れみと慈しみが交差する静かな時間だ。